SUVブームへの一石
フォルクスワーゲンのクロスオーバーモデル「パサート オールトラックTDI 4MOTION」に試乗。ディーゼルエンジン+4WDのパワートレイン、そしてベース車よりも最低地上高30mmアップのシャシーが織りなす、その走りの魅力とは?
4WDとディーゼルの組み合わせ
そもそもは“ビートル”の上を行くフォルクスワーゲンブランドのフラッグシップとして企画され、当時の「アウディ80」と共通の縦置きパワーパックを採用。1973年に送り出された初代モデルが「パサート」の起源である。
1988年デビューの3代目以降はアウディ車とのランニングコンポーネンツ共有化が改められ、2015年にフォルクスワーゲングループ最新のFFモデル用プラットフォーム「MQB」を採用したモデルへと刷新されて現在に至るのが、いわゆる「B8」型と称される現行シリーズだ。
今回紹介するのは、フォルクスワーゲンが「ヴァリアント」と称するステーションワゴンボディーをベースに4WDシャシーやSUV風味のコスメティック、いくばくかの専用装備を加えるとともに地上高を高めることなどで実際のオフロード性能向上も意図した、パサート オールトラックTDI 4MOTIONだ。
ちなみに、フォルクスワーゲンがディーゼルエンジンを日本に再導入したのは2018年2月14日。当初は「日本仕様のフォルクスワーゲン車としては20年ぶりのディーゼル」ということも話題となったが、現在ではこのパサート オールトラックをはじめ「ゴルフ/ゴルフヴァリアント」に「ゴルフトゥーラン」「シャラン」「ティグアン」、そして“普通のパサート”と、ディーゼルエンジン搭載のフォルクスワーゲン車はよりどりみどりという状況だ。
しかし、導入が延々と先送りされた揚げ句に、自らのスキャンダルによって電動化へと大きく舵を切らざるを得なくなった今の段階になってからの、こうした日本でのディーゼルモデルの充実ぶりは、皮肉という印象が拭えないものでもある。...