ザ・スタンダード
ルノーのコンパクトカー「トゥインゴ」には、売れ筋のAT車以外にMT車もラインナップされている。マイナーかつマニアックなモデルなのは確かだが、せっせとレバーを操作して走らせたなら、誰でも笑顔になるだろう。
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試乗車を預かってからすぐ首都高速に乗った。中央道に向かう4号新宿線。代々木のカーブのあたりはちょっとしたワインディングロードで、マニュアルのトゥインゴは早くも真骨頂を見せてくれる。
5速トップから4速にシフトダウン。最後の90度左カーブでは回転を合わせて3速まで落とす。前を走っているプリウスはブレーキランプを光らせているだけだが、こっちはいろいろやることがあって忙しい。それをいとわず「楽しい」と思える人のクルマがマニュアル(MT)だ。
最近、たまーにMT車の試乗があると、走り始めてすぐ、「うわッ、おそ!」と思うことがある。すぐに気づく。そうだ、自分でシフトアップするんだった! アクセルを踏めば無限に加速してゆくATに体がすっかりなじんで(ナマって)いるわけである。しかもATは日進月歩でどんどん速くなり、MTはどんどん置き去りにされてゆく。そんな現存MTモデルのなかでも、「トゥインゴS」は最もマニュアル度の高いクルマだと思う。...
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