完璧な猛獣
KTMの大排気量ネイキッドスポーツモデル「1290スーパーデュークR」が新型にモデルチェンジ。エンジンも車体も進化したオーストリアの「The BEAST(猛獣)」は、どのようなバイクに仕上がっていたのか? ポルトガル・アルガルヴェより、その走りを報告する。
排気量は軽自動車2台分
KTMの新型1290スーパーデュークRに搭載されるエンジンの排気量は、1301ccである。つまり、車名の数字は実態より少し控えめだ。例えばドゥカティの「1299パニガーレ」のそれが1285ccであることを踏まえると、オーストリア人はイタリア人よりつつましいといえる。だからといって、ユーザーをビビらせないために逆サバを読んでいるわけでもない。なぜなら、そこに「The BEAST」というキャッチコピーを与え、いかにヤバいヤツかを前面に押し出しているからだ。
ヤバさの片りんは、その排気量をたった2つのシリンダーに振り分けているところに見て取れる。1気筒あたり650.5ccあるわけで、これだけでほぼ軽自動車1台分に相当。φ108mm径のビッグボアピストンが1万rpmを悠々と超えて回り、股の間でドカンドカンと爆発を繰り返しているのだから、よくよく考えてみるとちょっと恐ろしい。
実際、1290スーパーデュークRの初代モデル(2014年)は少々危うさをはらんでいた。野獣とまでは言わないものの、しつけられていない大型犬さながらの暴れっぷりをちょくちょく披露。リードをしっかり握っていないと体ごと持っていかれそうな緊張感があった。それが後に洗練され、2018年5月の試乗記で私は「従順」と評している。果たして、2020年モデルではどうなったのか?...