伝統を捨てず 進化を拒まず
メルセデス・ベンツ伝統のオフローダー「Gクラス」に、直6ディーゼルターボエンジンを搭載した「G350d」が登場。ラインナップのエントリーモデルであり、同時にもっとも“クロカンらしさ”を感じさせるモデルでもあるニューフェイスの出来栄えを確かめた。
ディーゼルこそ“G”の本命
2018年4月に本国でフルモデルチェンジ(何度も書かれていることだが、ダイムラー自身はこれをなぜか“改良型”と定義する)された新型Gクラスは、日本では同年6月に「G550」「AMG G63」が発売された。続いて、このG350dが翌2019年4月に追加発表されたことで、ひとまず「出そろった」といえる。
というのも、新しいGクラスに今のところ搭載されるエンジンは、グローバルでも4リッターV8ガソリン直噴ツインターボと3リッター直6ディーゼルターボの2種類だけだからだ。仕向け地によっては「G500」や「G400d」といった日本仕様にはない車名も存在するが、どちらも単なる呼称ちがい、もしくはエンジンチューニングの差でしかない。
生真面目なエンスージアストの多くが、今回の350dをGクラスの本命機種と考えるのは自然なことだ。Gクラスといえばそもそもが軍用車出身で、世界でも指折りの本物オフローダーの一台という評価だったからだ。泥だらけになるクルマなのだから心臓部も実直型であるべきで、V8ツインターボなどというスーパーカーみたいなエンジンは似つかわしくない……という意見は筋が通っている。
実際、新しいGクラスも泥んこ性能に妥協はなく、今回もメルセデス関連でもっとも過酷な山岳テストコースにおける厳しい悪路・耐久基準を満たしているという。資料によると、それはGクラスが生産されるオーストリア・グラーツ近くにある標高1445mのシェークル山にあり、最大勾配60%=約31°、最大傾斜40%=約22°に達する全長5.6kmのコースだそうである。
新しいGクラスはそのコースを単に走破するだけでなく、同コースで2000kmにわたる耐久走行テストもクリア。それに加えて、悪路をさらに4000kmにもわたって走り切る耐久テストもクリアしているのだそうだ。...