ORICON NEWS
世界が絶賛する『SHOGUN 将軍』を“現代の侍”藤岡弘、が語り尽くす、「よくやってくれた!」
盟友キャメロン監督は何と言う? 『SHOGUN 将軍』が新たな時代劇の幕開けに
藤岡弘、観たら、きっと僕を思い出してくれるでしょうね。キャメロン監督には僕の道場で真剣斬りを披露したことがあるんですが、魅入っていただけたのか、「危ない」と思える距離までキャメラを近づけて夢中で撮影していましたから。本作もぜひ観てもらいたいですね。
――逆にいうと、西洋の価値観とはまったく違う世界が描かれているのに、なぜここまで世界で話題になったのでしょう。
藤岡弘、実は今、世界で日本の武士道や侍精神に注目が集まっているんです。僕とずっと一緒にやってきた知人が各国で道場を開いているのですが、武術を習う現地の子どもが増えているというんですよね。「覚悟」という死生観、「気」というエネルギーの文化や、そこから熟成された独自の感性。同時に「死」を覚悟しているからこそ、血は途絶えやすく、それに対して先祖の御霊に申し訳ないという心。その血筋を御霊のために残していこうとする精神。最終的に、真心は愛です。これらに西洋人の視線が集中している。
――では、エンタテイメントとしての時代劇にもさらに注目されそうです。
藤岡弘、本来の日本文化は、かくも深いものなのです。だからこそ、深く楽しい時代劇はまだまだ作れるはずですし、この火を消してはならない。ただ、映画の尺ではとてもその深さにたどり着けないし、10話のドラマ形式だからできたことでもある。今後、こうして長く深く描く時代劇が作られていくのではないでしょうか。『SHOGUN 将軍』はその代表作となり、新たな時代劇の幕開けとなる。まさに「時は来た!」と感じます。
――本物を深く描いたからこそ、ですね。
藤岡弘、そうでしょうね。真田くんが日本を背負ってくれて、ハリウッドの人々が武士道の深さを再現してくれた。まだまだ、本当の理解まで掘り下げていくのは時間がかかるでしょうが、だからこそ日本も魂がこもった時代劇を作っていくべきだし、黒澤明監督が切り拓いた日本映画という道に再びスポットが当たるかもしれない。僕自身も、侍精神を世界に知ってもらうために各国で武術を披露してきました。多くの外国の人々が沸き立ち、ロシアではどこへ行くにもフリーパスになったほど感銘を受けてくれました。
日本は、世界になめられてはいけないと思うのです。今の日本は欧米文化に慣れすぎて、日本人としてのアイデンティティーを見失っているような気がします。これは僕の感ですが、日本の精神を忘れているように感じます。文化としての日本の伝統的な原点を途絶えさせてはいけない。
「日本はこんなものではないぞ」これからを背負う若者に、子どもたちにぜひ観てほしい
藤岡弘、そうですね。そして、日本人のかつての誇りを取り戻してほしい。これから日本を背負っていく若い人たちに観てもらいたいし、教育の一環にもなると思います。「日本はこんなものではないぞ」という深さを世界へ届ける力を、『SHOGUN 将軍』は持っています。GWもあるので、ご家族で鑑賞されてはいかがでしょうか。
――芸能界で活躍している、藤岡さんのお子様たちにも観せたいですか?
藤岡弘、もちろんです。実は今、藤岡家に伝わり隠し持っている武士道精神などを伝授しているところです。子どもたちに、僕が持つ日本のスピリットをすべて託すのが、僕の夢であり原動力。我が家では、映像作品を家族で観た後にディスカッションをしているのですが、最初は「何を言っているんだ、親父」という空気だった長男の真威人も、徐々に僕の言葉を消化するようになりました。本作を観るのも楽しみですね。
――真威人さんは時代劇にも出演します。
藤岡弘、真威人も今、ちょうど時代劇の撮影をしていますが、「格好をつけて人気を得るような考えはやめろ」とよく言っていますね。人間を磨け、人間力を育めと。己の内部を熟成して自分を鍛えていると、自己発見の旅が始まる。勇気を持って立ち向かえ、逃げるのは負けではなく、動じず挑戦しろと。人生はサバイバルです。生きる力を見つけるためには、学問だけではだめ。吉田松陰先生もおっしゃっていましたが、学問と実践は表裏一体。兼ね備えてこそ、人間として大切なものが掴めるのだと私も思います。
藤岡弘、小手先の小細工ではなく、本物を見せてほしいですね。そうすることが黒澤明監督の切り開いた道へと再びつながり、日本の映像界も盛り上がるのではないかと思います。これだけ深いのだから、面白いストーリーはいくらでも作れるはず。私も今までの人生の集大成といえるような、時代を超えて残る、世界に通ずる映画をファミリー総出演で作るのが今の夢ですね。
――これから『SHOGUN 将軍』を観る方へ伝えたいことは?
藤岡弘、やはり、日本民族の息吹や真の侍の生き様。先人がどうやって国を、故郷を、家族を守り、子孫のために己の身を処したのか。それを「とくと見よ」ということです。先人の血は、今もここにある。息吹いているその「感じる力」をもう一回呼び覚ませ、そして自己問答しろと言いたいです。本作はそういう映像です。
そして、本作は何回も観たほうがいいですね。何回も観るうちにあの奥深さが、言葉の濃密さが、異人同士のすれ違いや葛藤が、熟成した内面の機微がいかなるものか…観れば観るほどワクワクするようになる。そうすると、人物の価値観や生き様、自分が何のために存在してどう生きるべきかが見えてくると思う。日本民族の凄みが体現されているこの『SHOGUN 将軍』という作品は、皆さんにとってのいい教訓となるように思います。
『SHOGUN 将軍』
■キャスト:真田広之 コズモ・ジャーヴィス アンナ・サワイ 浅野忠信 平岳大 西岡徳馬(※徳は旧字) 二階堂ふみ ほか
■スタッフ
エグゼクティブ・プロデューサー:ジャスティン・マークス
レイチェル・コンドウ
プロデューサー:真田広之
制作:FXプロダクション
公式サイト(外部サイト)
(C)2024 Disney and its related entities
Courtesy of FX Networks
Sponsored by ディズニープラス
スタイリング:柴山陽平 ヘア&メイク:藤井まどか
衣装協力:ジャケット ¥75,900/ボブ(タキヒヨー)03-5829-5671