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HYBEが本格的に米国市場へ!“これまでとは違う”オーディション『The Debut: Dream Academy』の狙いとは?【ハングクTIMES Vol.124】

ハングクTIMES
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 BTSらが所属するHYBEと米国のGeffen Recordsが開催している共同グローバルガールグループプロジェクト『The Debut: Dream Academy(ドリアカ)』。9月1日から全世界で配信されていて、世界中の地域から集まり6000倍の競争を勝ち抜いて選抜された20人の練習生たちがオーディション番組に参加。ミッション1での2人の脱落を経て、現在18人が最終デビューメンバー決定に向けてミッションに挑んでいます。

K-POPの育成システムに基づき、米国を拠点とするグローバルなガールグループを誕生させるプロジェクトで、韓国、米国をはじめ、日本、ブラジル、アルゼンチン、スイス、スウェーデン、スロバキア、ベラルーシ、オーストラリア、タイ、フィリピンの12ヶ国出身で、14歳から21歳までの練習生が参加。不必要なストーリー要素を排除した短編映像での配信やSNSの活用など、従来のオーディション番組とは異なる新しいフォーマットで展開されています。

今回は“これまでとは違う”オーディション、『The Debut: Dream Academy』の狙いや見どころに迫ります。

世界中から12万通の応募が殺到!多様な練習生の顔ぶれにグローバルファンが反応

 まず、BTSに代表されるK-POPのトレンドをリードするHYBEと、世界3大音楽会社の一つで米国のポップス市場をけん引するユニバーサルミュージックグループのGeffen Recordsが手を組んだという事実だけでも、どんなグループが誕生するのか十分期待を抱かせてくれます。そもそもDream Academyはどのように誕生したのでしょうか?

 HYBEのバン・シヒョク議長は、Dream Academyプロジェクトを始めた背景について「以前からK-POPの方法論に基づいてさまざまな国と地域から集まった人材を育成し、K-POPスタイルのグローバルグループを結成したいと考えていた」と思いを明かし、「今、世界的な現象に位置づけられているK-POPを永続させていくためには、単なる音楽やアーティストの“輸出”ではなく、育成システムそのものをグローバル市場に根ざしたものにすべき。Geffen Recordsは、そのためのグローバルな力量を持ち合わせた最適なパートナーだ」と語っています。
 両社は2021年に合弁会社であるHYBE x Geffen(以下HxG)を設立し、1年間にわたって、韓国や米国、日本、オーストラリア、英国など世界各国を巡りながら地域別にオーディションを行ってきました。

 HxG担当者は、「当初の予想よりはるかに多くの志願者が集まったため、急きょ地域予選の時間を増やしたり日程を追加したりしたほど、反響がありました。オフラインでのオーディションに参加するために、長時間飛行機に乗って両親同伴で来場した志願者もいて、大きな情熱を感じました」とオーディション当時を振り返ります。
 実際にその応募数は12万通に及び、オーディション番組史上最大級といえる規模で開催されました。ここまでの反響があった理由として、K-POPの世界的な人気の拡大に加えて、「K-POPの方法論」への注目の高さにも要因があるとのこと。

 K-POPでは、レーベル(事務所)が有望な才能を発掘し、専門家の指導のもとで体系的に育成して、ボーカル・ダンスから人格教育まで「完成されたアーティスト」に育て上げることが知られています。そしてプロデューサー陣と共同制作したアルバムでデビューさせ、ファンダムが形成されるコミュニティと有機的につながるシステムを提供。

 「他のポップジャンルや、他の国ではなかなか見られないこの育成・制作システムのおかげで、K-POPは音楽というコンテンツにとどまらず、文化や方法論にまで拡大しています。ここまで多くの志願者が集まったという現象は、このK-POPの方法論がスターとして成功することの可能性を高めてくれる、という信頼と期待を裏付けているといえます」(HxG担当者)。
 また、Dream Academyに参加する練習生たちは、韓国、米国、日本、ブラジル、アルゼンチン、スイス、スウェーデン、スロバキア、ベラルーシ、オーストラリア、タイ、フィリピンなど12の地域出身で、年齢も14歳から21歳まで多様なメンバーが集結しています。

 練習生の多様性は、視聴者にも影響を与えており、ミッション1では米国やアジア、ラテンアメリカ、ヨーロッパ圏と、練習生を輩出した地域を中心に124の国と地域からファン投票への参加があったそう。

 「オリンピックのように、オーディションに参加している練習生の多様性は、米国はもちろん、インド、中東、ラテンアメリカなど、ポップスの人気に火が付き始めた地域の視聴者の関心を集めることにもつながっており、このオーディションをよりユニークなものにしています」(HxG担当者)。

 音楽業界内の大手企業同士のタッグ、そしてK-POPの育成システムに対する期待の高さに世界中からオーディションへの応募が数多く集まることで、そこから選抜された練習生にも豊かな多様性を実現し、それがデビュー前からグローバルファンを獲得することにつながっています。

MZ世代のコンテンツ消費トレンドに合わせた“ソーシャル重視”の展開

 従来のオーディション番組では、特定のテレビチャンネルにて定期的に番組を放送し、エピソードを公開していく方法が一般的でしたが、Dream Academyは全く異なるアプローチを取っているのもポイント。一つの長いエピソードを見せる形ではなく、ミッション発表や練習生の自己紹介、パフォーマンスなど、テーマ別に分かれた数分の短編映像でコンテンツが編成されています。
 これはK-POPの主なファン層であるMZ世代(ミレニアル世代+Z世代)のコンテンツ消費トレンドに合わせたもの。視聴者は、自分の好きなコンテンツを好きな順番で自由に選択して見ることができ、またグローバル全域を対象としているオーディション番組なので、放送地域や時間などに制約が生まれる放送局からの配信ではなく、ソーシャルチャンネルを通じて適切なタイミングと場所でコンテンツを公開していくことを重視しています。

 Dream Academyは、グローバルでは「HYBE LABELS+」公式YouTubeチャンネル、日本ではABEMAにて無料で配信されており、ほかにもWeverseやインスタグラム、X(旧Twitter)、TikTokのソーシャルチャンネルでオーディション関連コンテンツを随時公開しています。
 そしてファンのエンゲージメントを高めるために、ソーシャルをベースにしたコミュニケーションに力を入れています。ファンはWeverseのDream Academy公式コミュニティを通じてお気に入りの練習生に投票したり、YouTubeの個人ミッション動画に「いいね!」を押したりして、選考プロセスに直接参加することが可能となっています。

日本人練習生ウアのインスタグラム

 さらに練習生が個人のSNSアカウントを持ち、ファンと直接関わることが奨励されていることもかなり異例なポイント。HxG担当者は「これまで、最終デビュー組以外の練習生が自分のSNSアカウントを運用することはタブーとされてきました。私たちは、練習生が自分の魅力を発揮しながら、ファンと自由にコミュニケーションをとり、絆を深めてほしいと考えています」と説明しています。

MCは不在…練習生の才能そのものに集中できるストーリー構成 Netflixでの展開も

 不必要なストーリー要素を排除している点もDream Academyの差別化ポイントです。これは、練習生の実力をしっかりと評価するための最適なオーディション環境を作るため。「Dream Academyは、MCが各エピソードを紹介してストーリーをリードするという従来のオーディション方式を逸脱し、MCの役割を現場のスクリーン画面やソーシャルチャンネルに置き換えています。練習生同士の過度な競争や摩擦、感情的な対立などのドラマではなく、練習生の才能や演技力そのものに焦点を当てることを意識しています」(HxG担当者)。

 実際に最初の20人の練習生は、オーディション番組が開始されるまでの約1年間、HYBEとGeffen Recordsによる長年の育成ノウハウが盛り込まれたプログラムと、世界トップクラスのボーカル・ダンスのプロフェッショナルによる指導のもと、事前トレーニングを受けていました。
 そのため、番組の冒頭であっても練習生がプレッシャーの中で素人のようなミスをしたり、審査員にパフォーマンスを批判されたりすることがまずありません。すぐにでもデビューができるレベルの十分な資質を備えた練習生たちがオーディションの過程で存分に実力を発揮し、“準備万端のアーティスト”として世界中にファンを作っていくことに主眼を置いています。

 「HYBEがK-POPのグローバル化を追求して取り組む最初のプロジェクトであるため、全世界に通用する新しいタイプのオーディションフォーマットに挑戦する必要がありました。これが作用し、現に卓越したパフォーマンスを見せる20人の練習生に世界中の視聴者が声援を送り、予測不可能な投票結果を祈る気持ちで見守りながら、番組を楽しんでくださっているのだと思います」とHxG担当者は語っています。
 さらに来年2024年には、Netflixでオーディションの全過程を盛り込んだドキュメンタリーシリーズ(タイトル未定)の配信も予定されています。「HYBEとGeffen Recordsによるユニークなトレーニングや育成プログラムについてのインサイトを含め、世界的スターダムへの道のりが説得力を持って描かれる予定」とのことで、現在配信されているコンテンツに加えて、また別の視点のストーリーが全世界に配信されることも楽しみです。

18人の練習生たちがK-POPの本場・韓国でミッション2に挑む!

 先日発表されたミッション1の結果では、ヒナリ(日本)とアデラ(スロバキア)の2人の脱落が決定。現在、残る練習生18人がK-POPの本場である韓国に滞在し、チームワークをテーマにしたミッション2に挑んでいます。ミッション2では18人が4チームに分かれ、LE SSERAFIMの「FEARLESS」と「ANTIFRAGILE」のどちらかを披露。今回は2つのチームが同じ楽曲をパフォーマンスすることになり、個人の実力や魅力はもちろん、チームのバランスやパフォーマンスの完成度も直接比較しやすいミッションとなっています。

 29日0時に4チームのパフォーマンス映像がABEMAで公開され、それと同時にファン投票もスタート。ミッション2では、ファン投票の結果からチームの平均得点数を算出し、各曲でより高い点数を獲得したチームが脱落免除権を手にすることができ、残ったチームのメンバーから計4人が脱落することに…。ファンの応援がミッション2の結果に大きな影響を与えることになります。
 ファン投票は10月3日午後3時59分まで、Weverseの「Dream Academy HQ」コミュニティから毎日4人までの投票と、YouTube「ABEMA K-POP&グローバルアーティスト」チャンネルで公開される「Fan Cam(推しカメラ)」動画に「いいね」をして参加することができます。

 今後、日本人練習生はどのように活躍していくのか、そして文化やバックグラウンドも違う練習生たちから最終的にどのようなグループが誕生するのか…!今からでもグループの誕生を見守ることができます。“これまでとは違う”オーディション『The Debut: Dream Academy』を新しい視点で楽しんでみてください。

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