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役所広司、Netflixシリーズ『THE DAYS』「世界中の人に観てもらいたい」

Netflixシリーズ『THE DAYS』(独占配信中)福島第一原発の吉田所長を演じた役所広司(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

Netflixシリーズ『THE DAYS』(独占配信中)福島第一原発の吉田所長を演じた役所広司(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

 東日本大震災時の事故から12年、いまだ課題を多く抱えながら“廃炉作業”が進められている福島第一原発。「あの日、あの場所で何があったのか」を、政府、電力会社、そして原発所内で事故に対峙した人たちの3つの視点から重層的に描いたNetflixシリーズ『THE DAYS』(全8話)が動画配信サービス「Netflix」で6月1日より世界独占配信される。本作で福島第一原発の吉田昌郎所長を演じ、主演を務めたのは、国際的にもその名が知られる役所広司。「世界でも例のない事故が起きて、まだ終わっていない。世界中の人に観てもらいたいし、その価値があるドラマになったと思う」と気概を示す。

非常に高い志を持って撮影に参加

 役所を筆頭に、事故発生現場に最も近い1・2号機当直長に竹野内豊、国家的な危機に福島第一原発から225キロ離れた首都・東京から陣頭指揮する総理大臣を演じた小日向文世、真っ先にベントを実行するベテラン運転員にふんした小林薫、さらに、音尾琢真、光石研、遠藤憲一、石田ゆり子ら、登場する全ての俳優たちが迫真の演技を見せる。

 事故当時の福島第一原発所長をモデルにした主人公・吉田所長役のオファーを受けた役所は、誤解を恐れずに「ちょっと躊躇しました」と打ち明けた。それは、全電源喪失、4基の原子炉の暴走というチェルノブイリさえ経験しなかった危機に立ち向かった現場のリーダーの信念、焦燥感、責任の重さを体現しなければならなかったからだ。

Netflixシリーズ『THE DAYS』(独占配信中)

Netflixシリーズ『THE DAYS』(独占配信中)

 「実際に起こった大事故で、けがをした方、亡くなった方、故郷をなくした方がいらっしゃる中、しかも、事故の収束の目処も立っていない中でドラマ化して大丈夫だろうかという不安はありました。しかし、脚本も手がけたプロデューサーから『あの日、あの時、何が起きていたのか、ドラマシリーズならではのメリットを生かして丁寧に描いて、世界中の人に伝えたい』『これからも廃炉に向けた作業は続き、自分たちが生きている間に収束しないかもしれないけれど、ライフワークとして描き続けたい』という思いをうかがって、ぜひ参加したいと思いました」

 本作は、Netflixとワーナー・ブラザース映画が製作。企画・脚本・プロデュースは、『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』シリーズなど大ヒット作を手がける一方、『白い巨塔』、『はだしのゲン』といった骨太な社会派ドラマを世に送り出してきた増本淳。ジャーナリスト・門田隆将が福島第一原発事故の関係者を取材したこん身のノンフィクション「死の淵を見た男−吉田昌郎と福島第一原発」(角川文庫)などに基づき、安易な英雄譚や美談に仕立てることなく、真実をあぶり出すことに徹した脚本を書き上げた。演出は、『コード・ブルー』シリーズの監督として増本と長年タッグを組んできた西浦正記と、『リング』シリーズの中田秀夫が務めた。

Netflixシリーズ『THE DAYS』(独占配信中)

Netflixシリーズ『THE DAYS』(独占配信中)

 「これはドラマなんだけど、ドラマを観ているんだ、ということを忘れる時間をできるだけ長く保てるようなものにしたい、と思っていました。それは監督の演出もだし、そもそもの企画意図でもあって、それを出演者全員が理解して、非常に高い志を持って撮影に参加していたと思います」

 空中にきらきら光って漂う粒子や不快な音楽で放射能という“見えない恐怖”を演出したり、通常のテレビドラマではありえないほど暗い映像で全電源を失った中央制御室や建屋内の真っ暗闇を表現したり。水素爆発や自衛隊の活動など、当時の報道で多くの人が知っている場面も再現。建屋のロケは千葉にある廃工場で行い、瓦礫などの美術を作り込んで、セットとは思えない臨場感で見る者をひきつける。

Netflixシリーズ『THE DAYS』(独占配信中)

Netflixシリーズ『THE DAYS』(独占配信中)

 「僕はほとんど免震重要棟にある緊急時対策室にいたので、竹野内くんたちのいる1、2号機の中央制御室やベント決死隊のシーンなどは視聴者の皆さんと同じように出来上がったもので初めて観たんです。あの場にいた人たちは本当に怖かっただろうな、と思いました。世界でも例のない事故が起きて、まだ終わっていない。福島第一原発がどうなるのか、世界中が注目していることだと思うから、この作品を観てもらいたいですし、それだけの価値がこの作品にはあると思います。このタイミングで、Netflixで世界配信できるというのは幸運なこと。世界中の人に何か感じてもらえたらうれしいです」

対面取材でわかった、お肌ツルツルの秘けつ

役所広司(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

役所広司(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

 役所は主演した映画『Shall we ダンス?』(1996年、周防正行監督)がハリウッドでリメイクされたり、『うなぎ』(97年、今村昌平監督)がカンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞したり、国際的な評価を得て、日本を代表する俳優の一人として知られる存在に。

 2012年に紫綬褒章を受章し、同年にはNYジャパンソサエティよりCUTABOVE賞、ハワイ国際映画祭からはキャリア功労賞、17年にはドイツの日本映画祭「ニッポン・コネクション」でニッポン名誉賞、シンガポール国際映画祭でもシネマ・レジェンド賞を受賞。『パリ、テキサス』『ベルリン・天使の歌』などで知られるヴィム・ヴェンダース監督と組んで、東京の公共トイレをテーマにした映画『Perfect Days』(原題)で主演を務め、今年の「第76回カンヌ国際映画祭」で見事最優秀男優賞を受賞した。

役所広司(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

役所広司(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

 「自分が熱意を持って取り組める仕事に出会えるのは本当に幸せなこと。俳優としてもうこれ以上やることはない、やり尽くしたと思えるまで、後悔のないようにやっていけたらと思っています」

 対面取材をしながら目を引いたのは、役所の肌がめちゃくちゃきれいだったこと。ヘアメイク担当者もファンデーションによる美肌ではなく、素肌に透明感があってキメが細かく、ハリもあると太鼓判。勇気を出して“美肌”の秘けつを聞くと、「そういえば、子どもの頃からお袋に言われてましたね。『お前の肌はツルツルで気持ちいいね』って(笑)。生まれつきなのかもしれないですが、この年になって肌がきれいとほめてもらえるなんて、親に感謝ですね」と、気さくに答えてくれた。

Netflixシリーズ『THE DAYS』2023年6月1日配信開始

企画・脚本・プロデュース:増本淳
監督:西浦正記 中田秀夫
原案:門田隆将「死の淵を見た男―吉田昌郎と福島第一原発」(角川文庫)
出演:役所広司、竹野内 豊、小日向文世、小林 薫、音尾琢真、光石研、遠藤憲一、石田ゆり子

6月1日(木)よりNetflixにて世界独占配信
Netflix作品ページ:https://www.netflix.com/title/81233755
ワーナー・ブラザース公式サイト:https://warnerbros.co.jp/tv/thedays/

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