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“寛平ちゃん似”の子猫、ガリガリに痩せて運び込まれるも奇跡の復活
ギリギリで運び込まれた子猫、獣医でも慣れない処置に“猫のプロ”が加勢
「子猫が運び込まれたときは、とても危険な状態でした。下痢はしているし、ミルクを飲むこともできない。ガリガリに痩せていて体力もなく、体重も200グラムくらいしかありませんでした」
そんな弱った子猫を獣医師が緊急で処置。その後入院することになりICUにも入ったが、動くこともなく、こんこんと眠っている。そこに到着したのが、歴戦の猫のプロ・溝上代表だった。
「子猫って、処置がとても難しいんですよ。臨床データが少なく、そもそも子猫の時期は母猫と一緒にいることが多いし、患者として病院に来ることがあまりない。実は獣医師さんでも、子猫の処置には慣れていない方が多いんですね。なので、そんなときは私が呼ばれます。今回のケースでも、一晩うちで預かってケアをしました」
「絶対に復活させるから、大丈夫」。小さな小さな命をタオルにくるみ、カテーテルでミルクを与え、力強く語りかける。寝ずのケアをしながら、猫の仮名も決めた。その名は、以前も瀕死の状態から復活させた子猫「ミラクル太郎」にちなんだ、「ミラクル寛平」――。なぜ「寛平」なのかというと、ちょっとばかり目が小さめで、「(間)寛平ちゃんに似ていたから」。ユニークな名前をもらったミラクル寛平、はたしてその運命はどうなったのか。
復活しても“寛平ちゃん似”は変わらず…、生き残った兄妹猫も合流
こうして復活したミラクル寛平は、ミルクボランティアの元へと引き取られた。これからたくさんミルクを飲み、元気に大きく成長していくことだろう。そして、ミラクル寛平のほかにもう1匹生き残っていた兄妹猫も、あらためて引き取ることに。ミラクル寛平同様に健康状態が懸念されたが、思いのほか問題はなさそうだった。だが、さらに心配なのはこの子猫たちが元いた家庭だ。
「猫たちがいたご家庭は、多頭飼育崩壊していると言っていいでしょう。飼い主さんには、親猫たちの処置をするので猫を連れてきてほしいとお願いしてあります」
複数猫がいて、不妊・去勢手術が済んでいなければ、猫はどんどん増えてしまう。だが、病院に行こうにも、飼い主が猫を捕まえられないケースも多いそうだ。
「飼い主さんが悪いわけではないんです。もし捕まえられないようなら、『手術したいので』と言えば保護ボランティアの人たちが協力してくれると思います。なんなら、便利屋さんなどに頼むのも手です。今回の飼い主さんもお金がないわけでもなく、ただ捕まえられなかった。そういうときは、誰かにSOSを出してください。それが猫ちゃんのためになるんです」
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