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オーバー60が“若い衆”? 作者はポルトガル在住、大阪の工務店の日常を描いた4コマ漫画が話題

 建設業界にいる人ならうなずいてしまう“現場あるある”から、誰でも笑えるゆるい日常ネタを描いた4コマ漫画がSNSで話題を集めている。大阪に実在する工務店を舞台に、現場で働く人のゆるいやりとりが綴られているが、作者の福田雄一さんはなんと、ポルトガルのリスボン在住。本職の人も「そうそう」と思ってもらえるように描いていると話すが、ネタ収集はどのように行なっているのだろうか。

「いつか本出したいねん」友人の一言からスタートした4コマ漫画

 「タイル屋のレジェンド」では、現場調査で「当日はウチの“若い衆”を2人連れて行くわ」と言っていた親方(75歳)が連れてきたのは、63歳と68歳。ほっこりしつつも、建築業界の高齢化問題が浮き彫りになった作品だった。読者も「ジーサンズ集結」「切実な問題ですよね」と様々な反応が寄せられた。
 そんな福田さんは、現在ポルトガル・リスボンで生活している。リスボンに住みだして14年ほどになるそうだが、もともとは大阪出身。2022年2月よりTwitterとInstagramで連載スタートした4コマ漫画『工務店の日報』は、大阪にある実在する工務店・株式会社コーバの日常を漫画にして発信している。

――福田さんはどういったお仕事をされているんですか?

福田雄一さん基本的には絵を描く仕事が多いのですが、一昨年までポルトガルで8年ほど飲食店を経営したり、グラフィックデザインから内装デザインなどもやっています。職業については、自分にとっては一番難しい質問でして、みうらじゅん氏を見習ってイラストレーターなどとうたっております。

――株式会社コーバさんとの接点は?

福田雄一さんコーバ代表の松本とは中学校の同級生で、内装デザイン依頼などはコーバに協力してもらって一緒にやっています。

――実在する株式会社コーバを舞台に、4コマ漫画を描こうと思ったきっかけを教えてください。

福田雄一さんこの漫画に登場するコーバの松本と飲んでいた時に「そろそろネタも溜まってきたから、いつか本を出したいと思ってんねん」と松本が話してだして、私が「えっ、内装の作品集的なやつ?」と尋ねると、「いや、ちがう、工事現場あるある集的なやつ」との答えが返ってきたというのがきっかけです。

――松本さん発信でスタートした漫画だったんですね。

福田雄一さんその時は笑い話で終わったのですが、本気で本を出版できるんじゃないかと、淡い夢を抱きながら漫画で発表することにしたというのが経緯になります。

――「ネタも溜まってきたし…」ということは、すべて実際にあったお話ということですか?

福田雄一さん漫画内のエピソードは全て実話です。もちろん4コマ漫画内に収めるために多少の脚色はしていますが、物語の本筋のストーリーは実話です。

――福田さんはリスボンに住んでらっしゃって、ネタ収集や制作はコーバの方とどのようにおこなっているんですか?

福田雄一さん基本的に工務店の従業員と定期的にオンラインでミーティングをして各々が「こないだ〇〇があって〜」みたいな半分ネタだし、半分世間話のような話の中から、漫画に出来そうなものをピックアップして描くという流れです。

「SNS漫画の書籍化は都市伝説だと思っていた」応援してくれたフォロワーに感謝

――SNSで発信している漫画は多数ありますが、“工務店”を舞台に描かれたものはなかなか見かけませんが、専門的なジャンルを読みやすくするためにこだわったところはありますか? 誰でもクスッと笑えるネタも多いです。

福田雄一さんSNS漫画をほとんど見たことなかったので、工務店のジャンルが少ないということすら知らず、面白そうだから始めたのですが、一般の人にもわかってもらえるよう多少の説明は加えています。ただ、あくまでもプロ仕様にこだわっているので、本職の人が見て「そうそう」と思ってもらえるものを描こうと思っています。

――昨年2月から連載をスタートして1年が経ちましたが、振り返ってみていかがですか?

福田雄一さんほんと最初は1年間だけトレーニングのつもりで始めた連載だったんです。でも1年で終わるどころか本を出版できる作品になり、一番盛り上がってきているので、自分でも驚いています。

――1年限定だったものが、3月には1冊の本として発売されますね。

福田雄一さんSNSで漫画を投稿してると書籍化されるって都市伝説と思ってたんですが、本当にあるんですね。これも応援してくれ、盛り上げてくれているフォロワーさんのおかげなので、すごい感謝しています。

――本になることでのこだわりはありますか?

福田雄一さん意外と実際の出来事と思ってくれてない方が多いので、単行本では実際にあった時期やそのエピソードの追加コメントなどを日報風にまとめているので、本当にあった話と思って読んでいただけたら嬉しいです。

――最後に、今後の目標や、今後描いてみたいものなどがあれば教えてください。

福田雄一さんもともと、ポルトガルで飲食店をやっていた時のエピソードを漫画にしたいと思って漫画を描き始めました。ただ、それをまとめる腕がなかったので、トレーニングとして、この工務店の連載を始めたんです。1年間描いてみて、多少は描く腕が上達したと思ってるので、そろそろ本命のポルトガルの飲食店の話を描いてみたいと思います。

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