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「スター・ウォーズ」最も印象に残る《反乱軍》ランキング発表

【2】 年代別のランキングでは【10-20代】のみ異変が!

 最も印象に残っている《反乱軍》は誰? ランキングTOP10はいかがでしたか? 1977年5月25日(日本公開は1978年6月24日)に公開された『スター・ウォーズ』(のちに『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』と改題)で初登場したキャラクターが7つを占め、『エピソード4』がすべてのはじまりであり、45年(44年)経った今でも多大な影響を与え続けていることがうかがえます。

 ところが、年代別のランキングを見ると一つ、面白い傾向が見られました。30代以上は総合と同じ『エピソード4』で初登場したキャラクターが上位を占めていますが、【10-20代】のTOP10には9位に「K-2SO」、10位同率で「キャシアン・アンドー」と「ジン・アーソ」という『ローグ・ワン』のキャラクターが入っていたのです。2016年に公開され、“泣けるスター・ウォーズ”と評判になった『ローグ・ワン』が“初恋”になった世代が出現していると言えるのかもしれません。

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』とは?

 『ローグ・ワン』は、スカイウォーカー家の物語を描く「スター・ウォーズ」シリーズとは異なり、新たなキャラクターによるそれまで語られていなかった物語を描いた独立した作品。ですが実は、シリーズ作品に深いところでリンクしています。「スター・ウォーズ」の原点『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の直前を描いた物語であり、原点に存在する“謎”を解明する物語でもあるのです。

 『新たなる希望』で、レイアがR2-D2に託した、帝国軍の究極の兵器“デス・スター”の設計図。そもそもレイアは、そして反乱軍は、いかにしてこの超極秘情報を入手することができたのか? 『新たなる希望』のオープニングクロールや、『新たなる希望』におけるダース・ベイダーの幾つかのせりふを拠り所に、その謎がドラマチックに解き明かされます。

 主人公ジン・アーソは、生きて行くためならはばかることなく窃盗・暴行・書類偽造もこなす“やんちゃな”ヒロイン。この斬新なヒロイン像の魅力はもちろんのこと、彼女のもとに集まってくる者たちも、一筋縄ではいかない個性的な面々ばかりです。ジンのお目付けを命じられた情報将校キャシアン・アンドー、キャシアンの相棒のドロイドK-2SO、フォースを信じる盲目の戦士チアルート・イムウェ、その相棒で赤い甲冑を身にまとうベイズ・マルバス、帝国軍の貨物船で働いていたという過去を持つ凄腕パイロットのボーディー・ルック、反乱軍の戦士ソウ・ゲレラ。彼らは皆、特殊パワーを持つ“ヒーロー”ではありません。そんな彼らが、どのような経緯でジンの仲間となり、いかなるチーム戦で不可能なミッションに挑んでいったのか…。

 女性戦士ジンと、実はデス・スターの開発者だった父ゲイレン・アーソとの愛と葛藤、フォースや特殊な能力を持たない“名もなき戦士たちの誇り高き闘い”に光を当てたドラマは、銀河にいつか自由を取り戻すことができるという希望を与えてくれました。銀河の歴史に埋もれていた、それなくしては「スター・ウォーズ」伝説が成立し得なかった“伝説の原点へと続く物語”、それが『ローグ・ワン』です。世界一有名な悪役の一人、悪の帝王ダース・ベイダーも登場します。

 そんな『ローグ・ワン』が残した功績について、「スター・ウォーズ」カルトクイズ王者・藤井隆史さんに聞きました。

持続可能性を切り拓いた『ローグ・ワン』の功績

 『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』は、「スター・ウォーズ アンソロジーシリーズ」最初の作品として2016年に公開されました。

 「スター・ウォーズ アンソロジーシリーズ」とは、スカイウォーカー・サーガから独立した単独映画で、2018年には『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』も公開されています。

 それまで「スター・ウォーズ」映画といえば、エピソードナンバーがあり、おなじみのメインテーマとともにオープニングクロールから始まることが当たり前でしたが、『ローグ・ワン』は従来の「スター・ウォーズ」の映画的文法は踏襲しておらず、また「スター・ウォーズ」のストーリーが骨子にしていた神話性やファンタジーの色合いは『ローグ・ワン』では薄れており、スカイウォーカー・サーガとは差別化されています。

 このスカイウォーカー・サーガから独立したポジションから、その題材に合ったスタイルで「スター・ウォーズ」を描くという『ローグ・ワン』の手法は、動画配信サービスのディズニープラスによって展開された「スター・ウォーズ」ドラマシリーズの先鞭をつけたと言えるでしょう。

 スカイウォーカー・サーガは2019年公開の『スカイウォーカーの夜明け』で完結しましたが、ドラマシリーズは『マンダロリアン』、『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』、『オビ=ワン・ケノービ』、『キャシアン・アンドー』とこれまでに4シリーズが配信され、今後も『キャシアン・アンドー』シーズン2だけではなく、新作が続々と公開されていきます。

 『ローグ・ワン』公開から6年が経った今振り返ると、いずれ完結してしまうスカイウォーカー・サーガから離れた作品スタイルを確立し、「スター・ウォーズ」実写映像作品を拡げ続ける持続可能性を切り拓いたのが『ローグ・ワン』だったと感じます。

 また、『ローグ・ワン』では『エピソード4/新たなる希望』当時のピーター・カッシング演じるグランドモフ・ターキンや、レイア・オーガナの新たなシーンをVFX技術によって現代のスクリーンに映し出したことも話題となりました。

 これにより時代設定やキャラクターの制約なく、「スター・ウォーズ」のストーリーを描くことが可能に。

 『マンダロリアン』や『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』でも、現在のキャストでは撮影できない、若い姿を最新技術を駆使して再現し、そのキャスト本人による新たな演技を実現させました。

 「スター・ウォーズ」実写作品の可能性を拡げた『ローグ・ワン』。本作には、『キャシアン・アンドー』をはじめとしたディズニープラス「スター・ウォーズ」ドラマシリーズに続く源流があります。

(文:藤井隆史)

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