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ORICON NEWS
「で、でかいぃぃ!」下半身不随の子猫がびっくりするほど成長、予想外のビフォーアフターに驚きと涙
骨盤骨折に奇形、コンビニに現れた子猫は重い障害を負っていた
「必ず命を繋ぐから」、我が子と離れ離れになってしまう母猫にそう約束し、ボランティアメンバーは子猫を保護。そうして、「あんよ」と名付けた。当初、「あんよ」の不自由な脚は交通事故かなにかが原因かと思われていたが、病院に連れて行ったところ、骨盤が骨折し、脚も奇形であったことが発覚。そんな状態で育つことができたのは、きっと母猫がしっかりと愛情を注いだおかげだろうと、保護したメンバーも感心したそうだ。
最初に取材した際、溝上代表は「あんよ」について、「母猫の愛情や地域の人のあたたかい手があったからこそ生き延びられた」と語っていた。「身体が不自由な猫が外で生活していくのは、かなり過酷なこと。普通ならすぐに死んでしまうため、あんよは本当に幸運だったと思います」。
自力で排泄ができない「あんよ」には、圧迫排尿が必要だった。圧迫排尿とは、下腹部の膀胱にあたる部分を外から手で圧迫することで、排尿を促す方法こと。メンバーは、「あんよ」のために圧迫排尿のやり方を覚え、懸命にケアした。そのおかげもあり、「あんよ」はみるみる元気に回復し、激甘なリハビリ生活を送ることになる。寂しくなると、「ふぇ〜、ふぇ〜」と鳴く「あんよ」は、すっかり甘えん坊な子猫になった。
とはいえ、大きな障害を抱えている「あんよ」。これからしっかりと成長し、生きていくことができるのかどうか。それは誰にもわからなかった。
「でかいぃいいい!」1年半後に見せた成長ぶり、驚くボランティアメンバー
「あんよは女の子なんですが、すごく人懐っこくていい子。成長した今も後ろ脚は不自由でケアは必要ですが、その代わり前脚はとても強くてムキムキです(笑)。2本の脚だけで立つこともあるんですよ」
たしかに、大きくなった今も「あんよ」の後ろ脚は前に投げ出され、機能していない。ただ、代わりに前脚2本ですくっと体を支える姿は、どこか凛々しく、力強い。
「あんよを保護したメンバーは、お世話しているうちに可愛くなっちゃって、自分の家族に迎えました。そのようにメンバーが保護した猫を迎える場合もあるのですが、ほとんどは余命いくばくもない子を迎えることが多いですね。残りの命が少ないのであれば、シェルターではなく、せめて家族として旅立たせたい。『ねこけん』のメンバーの間では、そんな暗黙の了解があります」
不自由な脚で、外で懸命に生きていた子猫。偶然にもボランティアメンバーの目に留まり、保護されて「あんよ」となった。生きられるか、成長できるか。心配する人々の予想に反して、今では大きく立派な猫になった。ケアの手は変わらず必要ながら、周りには温かい家族がいる。「あんよ」はこれからも、力強い2本の脚で前へ前へと進んでいくだろう。
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