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HYDE、自身に残された時間を語る「活動ができる時間にも限りがある」

無観客の配信ライブに限界も…海外標準にしたからこその生ライブへのこだわり

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──たしかにあれだけアグレッシブなライブを敢行する上では、体調管理も大切ですが…。中止になったライブを、配信ライブで補完することを考えたことはありましたか?

HYDE 自分の理想を実現するための“タイムリミット”を逆算したら、現時点ではその選択はないという結論になりました。それもやっぱり、昨年のアメリカでのライブ経験が大きかったですね。特に秋のアメリカツアーでは、すべてのライブがサポートアクトだったから、僕に興味のないお客さんがほとんどでした。それこそ客席には、スマホをイジっている人もいたりして。その人にどうやってこっちを向かせるか、それこそちょっとケンカ腰くらいの勢いで目の前に行って歌ったこともありました。

──これだけキャリアを積みながらも、日本では考えられない経験をアメリカでたくさんしたんですね。

HYDE アメリカでは僕なんかぜんぜん無名。でも、もしそれが無観客の配信ライブだったら、さっき言ったようなライブでの“戦い方”だってできない。そういう意味でも今は配信に労力を注いでる時間ではなく、とにかく未来の生のライブのクオリティをどれだけ上げるか、目の前にいる観客の記憶に焼き付けるかを突き詰めることに集中したいんです。だからその準備として今はライブで盛り上がりそうな曲をたくさん作ってます。

──日本国内はもちろん、海外では配信ライブの取り組みがさらに盛んです。生のライブでは不可能な2700万人を“動員”したVRライブなどもありましたが、そのような動きをどうご覧になっていましたか?

HYDE 芸術表現としては面白いことになっているなと思います。でも、映像と生のライブはぜんぜん次元が違うもの。あと、VRでどこまで肌の感触や匂い、空気感を再現できるのかな…とも思いますね。もちろん、そこまで進化したらすごいことだけど。でも、お金もたくさんかかりそうですよね(苦笑)。韓国アーティストは、国も積極的にエンタテインメント支援をしているから、デジタル施策もできるところはあって、そういう点でも日本ではどこまで実現できるんだろう…と思うところはあるかな。

──たしかに日本のライブ配信はもう少し小規模なものが主流のようです。

HYDE でも、むしろそういうもののなかにドキッとするものもあったりして。ギター1本の配信ライブを知り合いがやっていて、普段バンドで演奏している曲がこんなふうになるんだと、逆に新鮮でした。今の時期だからこそ意味のある表現だなと思いますね。

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