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躍進するOfficial髭男dism、ユニークなバンド名に「パートの奥さんにダメ出しされた」過去

Official髭男dism

 Official髭男dism(オフィシャルヒゲダンディズム)、通称“ヒゲダン”という不思議な名前のバンドをご存知だろうか。ドラマ・映画『コンフィデンスマンJP』の主題歌や『熱闘甲子園』テーマソングを担当しており、彼らのことを知らなくても、テレビや街で曲を耳にした人も多いだろう。米津玄師やあいみょん同様、YouTube再生数も好調、ストリーミングでは19週連続1位を記録中だ。若年層だけでなく、幅広い世代に訴えかける“ヒゲダン”とは?

ストリーミング19週連続1位のヒゲダン、バンド名にダメ出しされた過去も…

 ロングヒットを続けている「Pretender」は、映画『コンフィデンスマンJP』の主題歌として話題を集め、テレビやCM、街でもよく流れていた曲。ヒゲダンのことをよく知らない人でも、“グッバイ 君の運命のヒトは僕じゃない”というサビのフレーズを聴けば、「あの曲か!」とピンと来るだろう。同曲はオリコン週間ストリーミングランキングで19週連続1位(10/7付)と、あいみょんの「マリーゴールド」(20週)に次ぐ驚異的な記録を更新中。また、YouTubeチャート「週間楽曲ランキング」では、ミュージックビデオが米津玄師の「馬と鹿」「パプリカ」と並んで上位をキープし続け、再生回数は6千800万回超(10月3日現在)。9月27日放送の『あさイチ』(NHK総合)でも披露されたこの曲は、2019年、もっとも聴かれた曲の一つと言っても過言ではないだろう。

 Official髭男dismは、2012年に島根県松江市で結成。メイン・ソングライターの藤原聡(ボーカル&ピアノ)を中心に、歌モノのポップミュージックを追求する4人組ピアノポップバンドだ。ユニークなバンド名は、“髭の似合う歳になっても、誰もがワクワクするような音楽をこのメンバーでずっと続けて行きたい”という思いから。とはいえ、当初は驚かれることも多かったという。

 「結成した頃、バイト先のパートの奥さんに『意味がわからないから、バンド名を変えたほうがいい』と言われたこともあります(笑)。今ではみんなが漢字の部分(髭男/ヒゲダン)で呼んでくれて、公用語みたいになって。嬉しいですね」(楢崎誠/ベース&サックス)

島根から上京、月9ドラマや『熱闘甲子園』の曲で一躍メジャーに

Official髭男dism 藤原聡

藤原聡(Vo、Pf)

  • 小笹大輔

    小笹大輔(G)

 「音楽シーンや大きなライブハウスもなく、スポットライトが当たる機会が少なかった」という地元・山陰で活動していた彼らは、音楽に専念したいと上京。2015年に最初のミニアルバムを発表すると、ブラックミュージックの要素を取り入れた楽曲が早耳の音楽ファンや媒体関係者の耳に留まり、ネクストブレイク候補として注目される。

 「もともと“武道館でライブをやりたい”みたいな目標はなくて、いい曲を作ることだけを考えてました。将来のビジョンが少しずつ生まれてきたのは、東京に来てから。同じ事務所だったSEKAI NO OWARIを見て、刺激を受けたことも大きかったです」(藤原)

 ソウル、ファンク、ギターロックなど多彩なサウンドを質の高い日本語のポップスに結びつけたヒゲダンの楽曲は、音楽ファンはもちろん、業界関係者からも支持された。2018年1月には音楽番組『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)で、音楽プロデューサー・蔦谷好位置がプッシュ。さらに、aikoや後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)などが絶賛するなど、その評価を高めていく。そして2018年4月に「ノーダウト」(フジテレビ系月9ドラマ『コンフィデンスマンJP』主題歌)で突如としてメジャーデビュー。今年に入り、前述した「Pretender」、「宿命」(ABC朝日放送系『熱闘甲子園』テーマソング)と次々にヒット曲を生み出し、一気にメジャーシーンに躍り出たというわけだ。

「“こうやったら売れる”と音楽にHow toを持ち込むのは違う」

  • 松浦匡希(Dr)

    楢崎誠(B、Sax)

  • 松浦匡希

    松浦匡希(Dr)

 メジャーデビュー直後から大型のタイアップに恵まれたこともポイントだが、彼らが急激なブレイクを果たした最大の要因は、やはり楽曲のクオリティの高さ。トレンドを意識するのではなく、自分たちが求める音楽を追求する姿勢も一貫している。

 「“こうやったら売れる”と音楽にHow toを持ち込むのは違うと思うし、まずは自分たちが心から好きだと思える曲を作らないと。そこはずっと変わってないですね。もちろん、ヒットするのは嬉しいです。ランキングで上位に入ることも、どれだけ聴いてもらえているかの指標になるので」(藤原)

 「『Pretender』はかなり攻めたアレンジなので、どこまで広がるかはわからなかったけど、リスナーがしっかりキャッチしてくれた。今は音楽ファンの耳も鋭くなっているので、いいものをきちんと受け止めてくれる環境があると思います。『Pretender』『宿命』もそうですけど、(タイアップ先の)スタッフの方からアイディアをもらったことで、さらに曲が良くなったことも大きいですね」(小笹大輔/ギター)

 「たくさんの人に聴かれていることを実感できるのは、やっぱりライブ。イントロだけですごい反応が返ってきたり、フェスで入場規制がかかったり。街で、“高校生がヒゲダンの曲を口ずさんでた”みたいな話を聞くことも多くて、とても嬉しいです」(松浦匡希/ドラム)

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