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【JASRAC賞】著作物使用料分配額1位は安室奈美恵さん「Hero」

『2019年 JASRAC賞』金賞は安室奈美恵さんの「Hero」。同曲の作詞・作曲を手がけた(左から)今井了介氏、SUNNY BOY氏と、音楽出版者の NHK出版 代表取締役社長の森永公紀氏

『2019年 JASRAC賞』金賞は安室奈美恵さんの「Hero」。同曲の作詞・作曲を手がけた(左から)今井了介氏、SUNNY BOY氏と、音楽出版者の NHK出版 代表取締役社長の森永公紀氏

 日本音楽著作権協会(JASRAC)は22日、演奏や放送、CD、配信、カラオケなどの音楽著作物使用料の分配額上位の著作者を表彰する『2019年JASRAC賞』の贈呈式を東京・けやきホールで開催。2018年度の分配額1位の国内作品に贈られる「金賞」は、昨秋に惜しまれながら引退した安室奈美恵さんの「Hero」が初受賞した。

 2016年7月にリリースされた「Hero」は、同年のNHKリオデジャネイロオリンピック・パラリンピック放送テーマソング。日本代表の活躍を中心に、オリンピックの感動的なシーンと共に流れ、人々の記憶に深く刻まれた。また2017年末には、“最後の紅白”と位置付けて臨んだ『第68回NHK紅白歌合戦』では、純白のドレスをまとい、目に涙を浮かべて熱唱。多くの人々の心に残る印象的なシーンだった。昨年9月16日に引退となったわけだが、今なお、インタラクティブ配信や放送を中心に多く利用されていることに加え、安室さんのツアーファイナルを収録したDVD、Blu-rayが記録的に大ヒットしたことから、金賞を受賞した。
  • 『2019年 JASRAC賞』贈呈式の様子、金賞を受賞した安室奈美恵さん「Hero」の作詞・作曲を手がけた今井了介氏

    『2019年 JASRAC賞』贈呈式の様子、金賞を受賞した安室奈美恵さん「Hero」の作詞・作曲を手がけた今井了介氏

  • 『2019年 JASRAC賞』贈呈式の様子、金賞を受賞した安室奈美恵さん「Hero」の作詞・作曲を手がけたSUNNY BOY氏

    『2019年 JASRAC賞』贈呈式の様子、金賞を受賞した安室奈美恵さん「Hero」の作詞・作曲を手がけたSUNNY BOY氏

 この受賞にあたり、「Hero」の作詞・作曲・編曲を手がけた今井了介氏とSUNNY BOY氏が登壇。今井氏は「プロとして活動を始めて20数年経った時に、SUNNY BOYと共に、J-POPと洋楽を融合させた完成形のような曲ができました。それが、安室奈美恵さんというカリスマの手によって多くの方に聴いていただくことができました」、SUNNY BOY氏は「尊敬する今井さんと共にこのような素晴らしい賞を受賞できたことをうれしく思います。この曲はオリンピック・パラリンピックのために作られた曲ではありますが、安室奈美恵さんや選手はもちろんのこと、この曲を聴いていただいた1人ひとりがヒーローだということを伝えたい気持ちから、この曲名を付けました。これからも、たくさんの方々に愛される楽曲を生み出せるように精進してまいります」
と受賞を喜んだ。

 銀賞は、阿久悠氏、都倉俊一氏が手がけたピンク・レディーのヒット曲「UFO」が受賞。UQコミュニケーションズのCMで継続的に使用されたことから昨年の銅賞に続く受賞となった。作曲者の都倉氏は受賞にあたり「このたびは、去年の銅賞に引き続きまして、銀賞をいただきました。ありがとうございます。銅、銀ときたので、来年はぜひ『金』をと思っております。残念ながら、本日は海外におりまして、この表彰式には出席できませんが、来年はスケジュールを空けて待っておりますので、金賞を頑張って取りたい、といっても私が頑張ってもどうしようもないわけですが、ぜひ、いで会長から金賞をいただければ、非常にうれしく思います」とコメントを寄せた。銅賞は2017年に金賞を受賞した中島みゆき「糸」が受賞。カラオケやコンサート、インタラクティブ配信など幅広い分野で人気を集めた。
  • 『2019年 JASRAC賞』贈呈式の模様、JASRAC会長のいではく氏

    『2019年 JASRAC賞』贈呈式の模様、JASRAC会長のいではく氏

 JASRAC会長のいではく氏は、今年のラインアップを見て、「今年は新しいものもあれば、古い曲もある。良いなと思うのは、何十年も前の作品でもいい作品であればよみがえってくる。また誰かが使ってくれる。クリエイターとして、とてもうれしい」と話した。

 海外の著作権管理団体からの入金が最も多かった国内作品に贈られる国際賞は「ドラゴンボールZ BGM (TV)」が2年連続で受賞。メキシコ、アメリカ、イギリスなど世界中で人気を集め、2年連続4度目の受賞となった。受賞にあたり、作曲者の菊池俊輔氏は、「このたびは、昨年に引き続き国際賞を賜り、誠にありがとうございます。この作品においては、2008年にいただいてから4度目の国際賞受賞とのことで、『DRAGON BALL』というアニメーション作品と共に長きに渡り世界で愛されていることを実感し、大変光栄に思っております。ありがとうございました」とコメントを寄せた。
  • 『2019年 JASRAC賞』贈呈式の様子 外国作品賞を初受賞した「Y M C A」の日本語訳詞を担当したあまがいりゅうじ氏

    『2019年 JASRAC賞』贈呈式の様子 外国作品賞を初受賞した「Y M C A」の日本語訳詞を担当したあまがいりゅうじ氏

 外国作品の分配額1位作品に贈られる外国作品賞は1978年にアメリカでリリースされ、日本では西城秀樹さんらのカバーで知られている「Y M C A」が受賞ソフトバンクのCMに利用されたことなどから初の受賞となった。この曲の作詞者・アンリ・ベローロ氏は「『Y M C A』は1978年にジャック・モラーリ、ヴィクター・ウィリス、アンリ・ベローロによって制作され、同年にアーティストのヴィレッジ・ピープルによってレコーディングされました。この曲はただちに世界的ヒットとなりました。1979年、『Y M C A』は日本市場に『Young Man』としてカバーされ、同年の日本歌謡大賞を受賞しました。40年が経ち、2019年のJASRAC賞を受賞することを非常にうれしく思うと共に、長年ご支援いただいている日本の皆さま、JASRAC、そして40年以上にわたり日本で我々のサブ・パブリッシャ―として力強く活動しているフジパシフィックミュージックに対して、深く感謝いたします。どうもありがとうございました」と、受賞にコメントを添えた。また、日本語訳詞を手がけたあまがいりゅうじ氏は贈呈式に登壇し、制作時の話を交えながら「関係各位に深く感謝します。特に5月16日で一周忌を迎えた西城秀樹さんに感謝します」と涙ながらにあいさつした。

 なお、2018年度の使用料等徴収額は、1155億7768万円で前年度比5.4%増。委託者への分配額は1126億4769万円で前年比1.6%増。徴収額、分配額共に2007年度に次ぐ史上2番目の実績だったことが報告された。

『2019年 JASRAC賞』贈呈式の様子(5月22日=東京・けやきホール)

『2019年 JASRAC賞』贈呈式の様子(5月22日=東京・けやきホール)

■『2019年 JASRAC賞』国内作品ベスト10

■『2019年 JASRAC賞』インタラクティブ配信ベスト10

■『2019年 JASRAC賞』カラオケベスト10

■『2019年 JASRAC賞』外国入金ベスト10

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