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新しいことにチャレンジしたい、演出家・TBS藤井健太郎氏

――演出している中で、「藤井さんのカラー」というのは意識していますか?
 意識はしてないですね。というか、自分の家のにおいが分からないのと一緒で、自分では「自分のカラー」なんて分からないです。周りから言われるようになって「あ、意外とウチってにおいキツイんだ…」って気づいたくらいで。ただ、自分が「好きなこと」「面白いこと」に対しては素直に番組作りをしているつもりなので、それが自然にカラーや個性みたいなものとして出てるんじゃないかと思います。

――藤井さんの番組は特に「若い世代」からの支持が大きいですね。
 「自分たちが面白いこと」を最優先しちゃってるので、ある意味では30代の男性向けだし、内容的に「分かりづらいもの」も多いはずなんですけどね。でも、自分たちもそうだったように、ちょっと分からないものを背伸びして見るっていうのは凄く健全だし、良い事だと思います。無理に分かり易くはしたくないので、そうであったらありがたいですね。

――ネットニュースで『水曜日のダウンタウン』が話題になっていた時に『ワイドナショー』(フジテレビ)で松本人志さんが番組に対して「あそこのスタッフのことは好きなんで、あの企画はどうかは分からないですが、仕事は続けていきたい」とコメントされていて、「出演者」と「スタッフ」の信頼関係を感じました。それについてはいかがですか?
 ん〜、ありがたいのは、もちろんありがたいですよね。でも、僕「個人」というよりは、「TBS」として、『リンカーン』の頃からダウンタウンさんとは関わらせていただいてますけど、やっぱり当時は制作側が今より色々な面でずっと下手だったし、信頼関係も築けていなかったと思います。でも、そこから約15年近くやってきて、少しずつですが我々も成長して、時間をかけて「信頼」してもらえた。「TBS」として「バラエティ班」として築いてきたものだと思います。ちょっと前までは色んな芸人さんが「だからTBSは…」という類のことを言って笑いにすることも多かったんですよね。もちろん、そこには愛情の部分もあったわけで、特別悔しく思ってたわけではないですけど、最近ではそういった笑いのとり方はなくなってきましたよね。それは世の中の温度が「TBS=お笑いが苦手」ではなくなってきたということなので、そこは少し感慨深いものもあります。

――今、「Amazon Prime」などで、お笑い番組も増えてきました。そういった番組は見ていますか?
 ある程度は見ていますよ。松本さんの『ドキュメンタル』はずっと面白いですよね。『野性爆弾のザ・ワールドチャネリング』も面白かったですし、「Amazon Prime」のバラエティは総じてクオリティが高い印象です。

――もし、予算に関係なく、配信という枠組みで「好きな番組」を作っていいと言われたらどんな番組を作りたいですか?
 特に「こういった番組」というのはないですね。バラエティ的なものは『水曜日のダウンタウン』や単発の特番である程度やりたいことをやれていますし、「予算の問題」や「配信だから出来る」という意識もあまりないです。ただ、変わった企画を思い浮かぶ事もあって、特殊な枠組みでしかできないものは少しストックされているので、思い浮かんだアイデアを実現するためには「どこで出すのがベストか」というのは考えます。テレビが良いのか、配信が良いのか、ドラマが良いのか映画が良いのか。今は出しどころがたくさんあるので、制作者としては単純に良い環境だなと思います。

――番組を作っていく上で、大切にしていることはなんですか?
 なるべく「他でやっていないこと」「新しいこと」にチャレンジしたいなとは常に思っています。ある程度の面白さが確実に見込める「保険」が利いたものよりも、ちょっとどうなるか分からなくても、明らかに新しいものがあれば、そちらをやるようにしています。

――以前、テレビ局員だからこその「フルスイング」と話されていました。
 フリーランスと違って局員は失敗してもクビにならない守られた立場にいるので、そのリスクを背負っていない状況で「やりたいこと」にチャレンジしない意味があまり理解できないですよね。もちろんそれを実現するためには「最低限の賛同」は得なければいけないし、組織の中でちゃんと「やらなければいけないこと」もあります。でも、そういった面も当然クリアしつつ「やりたいこと」「チャレンジしたいこと」「新しいこと」をやるべきなんじゃないかなと思います。

――逆にテレビ局員だからこそ、チャレンジできないこともあるんでしょうか。
 特にないんじゃないですかね。でも、若いテレビ局員が作った番組を見ると「本当にこれが一番やりたかったことなのか」と思うときがあります。まずは「自分のやりたいこと」で勝負して、失敗したら諦めてもいいし、また次の道を見つければいいと思いますが、最初から「やりたいこと」を目指さないのでは、この仕事をしている意味がないと思います。

――『水曜日のダウンタウン』はTBSを代表する番組だと感じます。藤井さんにとって、今の原動力を聞かせてください。
 会議でスタッフみんなで笑って、収録で出演者の方が笑ってくれて、放送後に視聴者の方から「面白かった」「楽しかった」という声が届く。「誰かに見てもらって笑ってもらう」っていうのがシンプルですけど、原動力ですかね。普通の仕事がどうなのかは分からないですが、この仕事をしていると笑ってる分量はかなり多いと思います。会議で笑って、現場で笑って、もちろん、しんどい瞬間もありますけど、笑いながら仕事が出来ています。ときに、大人なのに怒られちゃったりもしますけど、やっぱり、番組作りはとても楽しいです。それはずっと変わらないですね。

藤井健太郎氏(C)MusicVoice

藤井健太郎氏(C)MusicVoice

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 人前に出るのが苦手で、収録中に芸人さんから自分の名前が出るとカットする。そう過去のインタビューで答えていた藤井氏が取材を受けてくれる理由は「番組が終わらないため」「『面白い』の価値を上げるため」そんな風にいつも「番組のこと」「面白いこと」を一番に考えている。「ネタバレになるので」と教えてくれなかったが、もうすでに出来上がっている新しいアイデアは「バラエティ番組」とは違った作品なのかもしれない。藤井氏が作り出す「今までにない新しいもの」がどのように登場してくるのか。多くの若いファンとともに、その時を待ちたい。
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