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“中核派”がコミケに初出展 PR活動にも変化「“ウケ”を大事に。コミケ参加もそのひとつ」
「コミケ自体が表現排除へのカウンターカルチャー、ほとんどの否定的意見は的はずれ」
「機関紙『前進』の週1回の刊行を2回に増やしたり、『前進チャンネル』を開設したりと、自分たちの訴える内容を多くの人に知ってもらうために、様々な挑戦をしてきました。そこで21世紀現在、最も大規模な“大衆運動”であるコミックマーケットへ参加することは、僕たちと日常の闘争という現場ではつながらない人達とつながり、僕らの訴えを知ってもらえるきっかけになると思って参加を決めました」
――コミケではどういったものを頒布するのでしょうか?
「理論機関誌『中核』というのを去年復刊して、現在まで4号出しているんですが、それを頒布しようと考えています。また、今回のコミケ参加にあたり特別に作ったものとしては1971年の渋谷暴動闘争の『前進』を印刷してある“前進クリアファイル”があります。今回1種類だけですが、受けがよかったらもう少し作ろうと思っています。間に合うかわかりませんが、一緒に活動している同志たちで記念のコピー誌を作って頒布しようと思っています」
――コミケといえば、萌キャラやゆるキャラ、同人画などが特徴ですが。
「コピー誌については、それぞれの同志が思い思い書いて送ってくれるのでそういう物もあるかもしれません」
――コミケの出展申込みは今回が初でしょうか?
「申し込みも含めて今回が初です。以前から出たいとは思っていたんですが、今回は念願が叶った感じです」
――ネットでは“中核派”のコミケ出展に関して否定的な意見も散見されますが。
「コミケという運動そのものが、そういった特定の表現排除へのカウンターカルチャーとして発展してきたので、ほとんどの否定的意見は的はずれだと思っています」
――一方で、「表現の自由」という観点から問題ないという肯定的な意見もあります。
「正しくコミケという運動を理解して参加している“活動家”が多いことに最初は驚きました。もっと否定的意見が多いと思っていたので。一緒にコミケを成功させたいですね」
中核派は“怖い”というイメージも「それでもいいかなとも思っています」
「若者の情報収集方法が動画視聴などに移り変わっているなかで、それにあわせて宣伝を柔軟に展開することは基本的なことだと思います。中核派は“労働者大衆との呼吸”を大事にしてきました。マルクス主義を見失わないことはもちろんなのですが、大衆運動においては俗にいうと“ウケ”を大事にしてきたということです。堅物そうと思われていると思うので、敷居を下げていけるよう、毎回格闘してきました。コミケ参加もそのひとつです。今の『前進チャンネル』の知名度なら大きな反響があると考えましたし、まだチャンネルを知らない層にも知ってもらえるタイミングだと思って参加を申し込みました」
――オタクカルチャーと中核派に通じるものはありますか?
「そもそも資本主義社会と“表現の自由”は相容れないと思っています。“表現の自由”は、何からの自由なのかと言えば“権力”からの自由な訳です。過去の資本主義・帝国主義の歴史を見ても、“表現の自由”は表現者と文化を支える人々の闘争抜きには守られてきませんでした。また、商業的な成功を気にせずに自分の作品を発表し、交流できる文化は非常に大切だと思っています。中核派としてもそういった労働者の文化活動は大事にしていきたいと思っています」
――世間的には「怖そう」というイメージを持つ方もいると思いますが、今後どのような活動形態でイメージ刷新を図っていこうとお考えでしょうか?
「『中核派は怖い』と言うのは国家権力の宣伝によるものが大きいと思っています。中核派の雰囲気はテレビでおどろおどろしく描かれがちですが、実態とは違います。でも、自分はそれでもいいかなとも思っています。しかし、理解を広めることは大切です。資本家のための戦争かそれとも革命か、問われた労働者の選択肢たらんとするために、私達はこれからも様々な挑戦を実践していきます」