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【upcoming】12/4付週間CDランキング、『コンフィデンス』編集部ピックアップ6作

 最新12/4付オリコン週間ランキングから、TOP20位圏内には入らなかったものの、CDセールスやデジタル配信で注目すべきチャートアクションを見せた作品を、週刊エンタテインメントビジネス誌『コンフィデンス』編集部のメンバー6名が各目線でピックアップ。これから注目すべきアーティスト、話題作の動向を紹介する。

ASCA「KOE」/シングル33位

表現力豊かな歌声がドラマを生む女性シンガー
 女性シンガー・ASCAのメジャーデビューシングルが、週間ランキング33位に初登場した。中学時代にロックバンドのボーカルとして音楽活動を開始したASCAは、2011年の『第5回 全日本アニソングランプリ』で1万組以上の参加者の中から決勝まで勝ち抜き注目を集め、13年に大倉明日香名義でCDデビューをした経験の持ち主。2度目のデビューを迎えるまでの間には、路上ライブ等の活動を行っており、ソロプロジェクトとして再始動した彼女の歌声は、以前にも増して豊かな表現力を携えている。表題曲をはじめとする楽曲はどれもドラマチック。

瀬川あやか『カレイドスコープ』/シングル46位

ミスキャンで看護師、異色のシンガー・ソングライター
 瀬川あやかのシングル「カレイドスコープ」が、週間ランキング46位にランクインした。北海道富良野市出身の瀬川は、午前中は都内の病院で看護師として勤務し、午後はアーティストとして活動をする異色のシンガー・ソングライター。大学時代には、ミスキャンパスコンテストで準グランプリを獲得。そのキュートなルックスも注目だが、透き通った真っ直ぐな歌声が彼女の最大の魅力だ。本作は、思わずキュンとするストレートな遠距離恋愛ソング。大切な人への切ない思いを歌った同曲は、今の季節にピッタリの1曲。

感覚ピエロ「#HAL」/シングル62位

力強いロックサウンド
 独自の活動スタイルを貫くロックバンド・感覚ピエロの初シングル「#HAL」が、週間ランキング62位にランクイン。これまでの最高位は21位だが、今年2月リリースのアルバム『等身大アンバランス』は70位。続く今作で順位を上げているものの、セールス的には勢いに乗れていない感は否めない。しかし、艶のあるボーカル、中毒性のあるキャッチーなメロディーと力強いサウンド、余韻を残す印象的な詞の世界観などその音楽性のポテンシャルは高い。何者にも縛られない自主プロデュースによる自由な音楽活動からの次の展開に注目したい。

フィロソフィーのダンス『THE FOUNDER』/アルバム38位

これからの新しいアイドルのカタチ
 フィロソフィーのダンスの2ndアルバム『THE FOUNDER』が、週間ランキング38位にランクイン。初TOP50入りした。当誌掲載の「Spotify Weekly Viral Top25」では同作収録曲の「ダンス・ファウンダー」が7位を獲得するなど、配信サービスを中心に急速に話題を広げている。“女性アイドルグループ”として活動しているものの、ファンクを中心とした楽曲群に加え、それを見事に歌い上げるボーカルは、その枠にまったく留まっていない。ダンスパフォーマンスも急速に向上しており、ライブも良いが、あえて指摘するなら“聴くだけで楽しいアイドル”。

Calmera『JAZZY GOLD CHAIR』/アルバム80位

古き良き歌謡曲の匂いも漂うエンタメジャズバンドの新作
 10年のキャリアを誇る関西出身のジャズバンド・Calmera(カルメラ)による9枚目のアルバムが、週間ランキング80位に登場した。バンド名の由来が、漫画『ジャリン子チエ』に登場するカルメラ兄弟ということからも、根っからのエンタメ気質を感じるが、とにかく明るくて楽しい(しかも上手い)演奏が魅力だ。さぞやライブは楽しかろうと、素直に思わせてくれる。さらに彼らの曲を聴いていると、60年代の日本の歌謡曲が、いかにジャズから強い影響を受けていたのかを感じ取ることができる。そんな楽しさを提供できる非常に稀有なバンドであり、世代を越えて楽しめる音楽になっている。

iri『life ep』/アルバム88位

クリエイティブワークも楽しみたい
 逗子市在住の女性アーティスト・iriのアルバム『life ep』が、週間ランキング88位にランクイン。昨年のデビュー作『Groove it』(初登場187位)から着実にセールスを伸ばしている。作詞・作曲も自らこなす実力派で、何より表現力が素晴らしい。HIP HOPやソウルのテイストを感じさせるサウンドに、まるで音に溶け込むような声質と歌詞が心地いい。特にM1「For life」、M5「会いたいわ」を推したい。また、水曜日のカンパネラのケンモチヒデフミや、カリスマラッパーの5lack、グラフィティアーティストのKYNE ら、クリエイティブチームにも注目。
(『コンフィデンス』 17年12月4日号掲載)

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