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(更新: ORICON NEWS

キンコン西野と語る、東京五輪の先にある原宿カルチャーとスマホの未来

FREETEL創業者の創業の裏側

西野亮廣増田さんの会社はどういったお仕事をされてる会社なんですか?
増田薫世界一の携帯電話メーカーを目指しています。通信もやっています。「FREETEL」のスマートフォンと通信を使うと今まで毎月1万円かかっていたものが1500円くらいになり、85%削減できます、というのをやっている会社ですね。
 昔は自動車電話とか、僕の周りでもお金持っているやつだけ自動車電話持っているやついましたけど、贅沢品だった。今ってライフラインじゃないですか。でもまだまだ通信料金が、一つの世帯で年間40万円とか50万とかかかっていて、平均年収の10%くらいが通信で消えちゃってる。もったいないじゃないですか?そのなかで、うちは海外並みの料金を提供したいなと思ってやっています。
西野亮廣携帯電話の会社ってそんなにふらっと作れるんでしたっけ?
増田薫最初みんなに「お前何やってんだ」「絶対無理だ」と言われましたけど、意外と作ってみたら作れちゃう。
西野亮廣一番のピンチはどこでした?
増田薫一番大ピンチは、最初の製品作る時ですね。製品つくるときって先にお金が必要なんですよ。
西野亮廣ちょっとやそっとのお金じゃないですよね?
増田薫最初の資本金はうち30万ですから。嫁に隠していた口座の30万円しかなかった。いまはおかげさまで資本金77億円になったんですけど(笑)。最初の一発目の製品出すときはお金が全然ないわけです。思い起こすと泣きたくなっちゃうんですけど。
西野亮廣携帯の専門的な技術はあったんですか?
増田薫技術を学んだわけではないので専門知識は全くなかったんです。だから開発者にはなれなくて。それでも作戦が2つあって、一つは、僕って「携帯を使うユーザー」じゃないですか。それでユーザー目線をとことん極めようと思ったんです。もう一つは開発者がいなかった当時、日本の携帯電話に入っていなかった海外CPUメーカーと契約を結んだんです。それが創業当時、オフィスがまだ僕の家で「やろう!”」と一歩を踏み出した時でした。
西野亮廣それでも世界を目指す。
増田薫はい。世界一を意識しています。2025年の9月までに絶対日本メーカーとして世界一になります。
 僕、私服を一着も持ってないんです。世界一になるまでは仕事をしようと思って。ずっとスーツです。寝るときはパンツ一枚なんですけど、コンビニに行くときもスーツに着替えていきます。私服があると遊んじゃうじゃないですか。
 僕、29歳まで働いてないんですよ。一応表向きは司法試験の受験生ということで、ロン毛の茶髪で、お酒が大好きだった。あまり勉強が向いてなかったんです。
 29歳からITの会社で働き始めたんですけど、ITが面白くて。ITって人よりに先に面白いものを生み出すっていう感じじゃないですか、法律って過去に行くじゃないですか、前に行くアプローチが面白くて。29で働き始めたんで、60で引退するんだとしたら30年しかない。他の人たちは20くらいから働いているから40年ある。追いくためには1.5倍頑張らないといけない。なら土日をなくしたら追いつけるなと。それで私服を持ってないんです。

「決断する」ということ

西野亮廣 “決めた”というのがすごくいいなと思うんですが、僕も10年くらい前に『絵本を描く』」って決めちゃったんですね。で、僕芸人なので絵本を出したときにハンパなもんを出しちゃうと「芸人のくせに」って言われちゃうんで、次に決めたのが『プロに勝つ』ってことなんです。そのためにどうしようかなと考えたときにまず勝てるところで勝とうと。自分が戦えるところで戦おうと。僕は絵を描いたことがなかったので画力もないし、本もその時までは出したことなかったので出版のノウハウもコネもツテもない。どこやったら自分が勝てるかなと考えた時に「時間』なら勝てるなと思ったんです。
 時間というのは一つの作品のためにかけることが出来る時間のこと。絵本を生業とされているプロの絵本作家の方というのは絵本の売上げで生活を立てられているので短いスパンで作品をポンポンと出していかなくちゃいけない。でも、僕の場合は絵本の売上げが生活の収入源の柱になかったので、極端な話一冊の絵本に10年かけることも出来ると思ったんです。副業の人って以外と無限に時間がかけられてプロは実はそんなに時間をかけられない。実はこの時間をかけられるか、かけられないかの分かれ目って結構大きいと思っていて、じゃあ時間で差別化を計ろうと。文房具屋さんに行って一番細いペンを買って、物語も長くしたんです。つまり、どう頑張ったって時間がかかるようにして作り方を決めたんです。そうしたらプロの人が才能とかセンスとかじゃなくて物理的に作ることができない絵本が出来ると。僕の本って1冊作るのに4年くらいかかるので(笑)。
 そうして、最初0.03mmの黒のボールペン一本でスタートするって決めて書き始めたときに「あれ、ここ青色が欲しいぞ」って思っても僕はもう0.03mmの黒のボールペン一本で描くって決めちゃってるもんだから青のペンも筆も使えないし、じゃあどうするかってなったときに線の重ねかたでなんとなく青っぽく見えるように工夫するんです。一回こうと決めちゃうえば工夫が生まれてくるから良いですよね。
増田薫 全くその通りだと思います。チャレンジするときってこうやるぞって決めちゃえば、やるって決めちゃったんだからあとはもう工夫するしかないですよね(笑)。
 エンタメ、絵本、携帯電話……。業界や領域は違えど、「やる」と決断したら脇目も振らず突っ走る。3人の驚異的な原動力には「決断」というエンジンがあった。

(構成:橋本卓磨)

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