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『カッコーの巣の上で』といえば、ジャック・ニコルソンがアカデミー賞主演男優賞に輝いた1976年日本公開の映画で広く知られる。だが原作は小説であり、デール・ワッサーマンが脚色化して、映画より先に舞台が作られた。ゆえに映画とは異なる部分が多く、話せないと思われているネイティブアメリカンのチーフ(山内圭哉)のモノローグ(心の声)から始まるのもそのひとつだ。 舞台は個性的な入院患者が集まる精神病院。ラチェッド婦長(神野三鈴)の管理下で保たれていた秩序は、一人の囚人・マクマーフィ(小栗旬)によって音を立てて崩れていく。印象的なのは、マクマーフィ登場以前の彼らはさほど辛そうではないことだ。孤独な患者たちはむしろ、母性をちらつかせる婦長を母のように慕っている風。だがその閉じた瞼をマクマーフィは、「何を怖がってる?」と無理やりこじ開けようとする。“管理される”ことは浸かり慣れてしまえば、ぬるま湯的心地よさからなかなか抜け出せない。その薄ら寒い、だがおそらく日常的な構図を目の当たりにした思いがした。

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  • 舞台『カッコーの巣の上で』で主演を務める小栗旬 撮影:田中亜紀
  • 舞台『カッコーの巣の上で』撮影:田中亜紀
  • 舞台『カッコーの巣の上で』撮影:田中亜紀
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