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総合武器見本市『DSEI Japan 2019』に見る日本の現実 「平和提唱」と「戦争エンタメ人気」の二面性

反戦を唱える一方で武器や戦争をエンタメで描く宮崎駿監督ほかクリエイターの“矛盾”

 防衛装備品の展示会とは、安全保障を目的とするもので、それは国民の安全と平和を守るうえで必要不可欠なもの。それが世界とつながっていき、世界標準の技術と信頼性をお互いに持ち、ネットワークを有することで、それがオープンに議論されるようになるのは意義のあることだろう。しかし、それらをすべて否定し、反戦と平和を唱える人々の意識も理解はできる。安全保障の葛藤は人類の永遠のテーマと言える。

 一方、エンタメでは、大河ドラマでも戦国時代を描く作品が高視聴率になるように、戦争や戦闘アクション系作品の人気はいつの時代も高い。とくに男性は本能的に惹かれるものがあるのだろう、好きな人の割合が高くなる。こうしたエンタメとリアルへの感情の相違は、浅利氏が語るように誰もが一線を画しているから起こるのだろう。

 しかし、昨今のエンタメ作品では、『シン・ゴジラ』のようにリアルを追求したものがより注目を集め、人気を得ている。それは、エンタメとは理解しながらも、現実にも関心があり、その分野を知りたいというニーズの表れでもあるだろう。エンタメは、広く一般の人たちにとって、目をそむけたくなりがちな現実を、嫌悪感を抱かせることなく理解させていく架け橋となる役割を担うものでもある。リアルが世界とつながっていくなか、この先、エンタメでもそこからの影響や進化が見られるようになっていき、両者の間の壁が薄くなっていくかもしれない。今後、防衛装備に関するどんなエンタメ作品が登場するのかを楽しみにしたい。
(文/衣輪晋一)

提供元: コンフィデンス

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