『紅白』Pが語る“影の功労者”金爆への敬意「自虐の裏にある真摯な姿勢」

誰よりも『紅白』を愛し盛り上げてくれるゴールデンボンバーは“影の功労者”

──NHK発のコンテンツといえば、今年は米津玄師バージョンも大ヒットした「パプリカ」を歌うFoorin。昨年は「夢のキッズショー〜平成、その先へ〜」に登場しましたが、今年は紅組の正式枠で出場します。

加藤 今年は民放各局でも「パプリカ」やFoorinをたくさん取り上げていただいて、もはや「〈NHK〉2020応援ソング」であることが忘れられているかもしれないですね(笑)。むしろそれほど支持していただいていることがうれしいです。『みんなのうた』をはじめ主にキッズを対象に発信してきた曲だったので、昨年まではおそらく大人の方々に浸透していなかったと思います。それが昨年末の『紅白』でこの楽曲の魅力が広く伝わり、さらに今年は米津さんがセルフカバーをされたことで世代を超えて口ずさんでいただける楽曲になりました。全世代型という意味でも、また2020年に向けてドライブをかけるという意味でも、今年の『紅白』において「パプリカ」が担う役割はとても大きいです。

──ところで本編とは異なる質問で恐縮ですが、今年はゴールデンボンバーも変化球の形で『紅白』を盛り上げている、いわば“影の功労者”になっているのではないでしょうか?

加藤 たしかに『もう紅白に出してくれない』という新譜を出されますね(笑)。製作統括の立場としては“3つの選考の指標”という判断材料から今年は残念ながらご一緒できなかったのですが、個人的にはクスッと笑ってしまいました。しかし、彼らは本当に演出力が高いですよね。僕も『SONGS』で彼らの特集を放送したり、『紅白』に4年連続出場してくれた際にもなんらかの形で関わってきたので、彼らにはとても思い入れがあります。それこそ出場時には、誰よりも『紅白』を愛し、番組を盛り上げてくれました。ときに自虐を込めながら、だけど常に真剣に人を楽しませようとする彼らの姿勢にはとても素晴らしいものがあって。『もう紅白に出してくれない』も結果的かもしれませんが、外から『紅白』を盛り上げてくれていると思うと、とてもありがたいです。もちろん今もNHKの番組にはさまざまな形で関わってくれていますし、今後もいい関係を続けていきたいと思っています。

──では『紅白』は新しいことを求められているのか、王道を続けていくべきなのか、いかがお考えですか?

加藤 昨年の『紅白』で星野源さん演じるおげんさんが「いい加減、男女の対戦なんてやめたらどうか」とおっしゃいましたよね。僕らのなかでもこれだけ多様な価値観が尊重される時代において、“男女対戦形式”というフォーマットを続けていていいのか? という議論はありました。とはいえ、やはりこの方式をやめたとたん、『紅白』ではなくなるんですよね。そういう意味では先人から繋げてきたこの概念は変えず、そのうえで時代に合わせて演出や発信するメッセージを新しいものにしていく『紅白』のあり方は今後も変わらないでしょう。

(文/児玉澄子)
『第70回NHK紅白歌合戦』制作統括

日本放送協会
第5制作ユニット 音楽・芸能
2020東京オリンピック・パラリンピック実施本部兼務
チーフ・プロデューサー
加藤英明氏(かとう ひであき)

1973年生まれ。1997年、NHK入局。大阪放送局などを経て、2004年、エンターテインメント番組部に。これまでに『NHK紅白歌合戦』、『佐野元春のザ・ソングライターズ』、『福山雅治 SONGLINE 歌い継ぐ者たち』、『SONGS』などの音楽番組を担当。

提供元: コンフィデンス

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