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阿部寛が明かす『下町ロケット』裏話 仲間との総力戦で芝居がおもしろくなった

役者人生において間違いなく大切な作品

──そうした実感が、芝居を超えたセリフの説得力にもつながってくるのでしょうか。
阿部寛それは大きいです。第3話は本当に好きな場面が多くて、田んぼで僕がひっくり返るのは台本になかったのですが、監督と話し合ってぶっつけ本番でやってみたんです。それをみんなが素で笑ってる姿が収録できて、おかげで背中まで濡れて、その後、半日寒かったけどうまくいきました。田植えを終えた(伊丹大役の)尾上菊之助さんが「今日は本当に来てよかった」とつぶやいたセリフが実に実感がこもっていて、僕の一番好きな場面です。伊丹社長とはその後に確執が生まれるので、第3話はよけいに感慨深いですね。

──仕事を通したさまざまな人間模様も本作の見どころ。なかでも吉川晃司さん演じる財前部長と佃社長の絆は胸を熱くしました。
阿部寛吉川さんは本当に財前部長のごとく信頼できる方でした。すべての財前部長のシーンを、台本以上にシーズン1から今作まで作り上げて下さった。佃同様、僕にとっても信頼できる存在でした。
──こうして笑顔で振り返られていることからも、充実した作品だったことがうかがえます。
阿部寛悩むことや過酷なことも多かった作品だからこそ、やり切ったという爽快感で満たされています。

──50代になって最初に挑んだ連ドラ『下町ロケット』は阿部さんにとってどんな作品になりましたか?
阿部寛とにかく常にまっすぐ本気で挑まなければならない、そんなことを体感できた役でした。変化球の多いエキセントリックな役が多い僕にとっては、たくさんの仲間と総力戦で作り上げる経験もさせていただいた、役者人生において間違いなく大切な作品です。役者、エキストラ、スタッフ、そして作品とすべての出会いに感謝です。
(文:児玉澄子/撮り下ろし写真:逢坂聡)

下町ロケット

[Blu-ray BOX] 3万3600円(税抜)
[DVD-BOX] 2万6600円(税抜)
発売日: 3月29日(金)
発売元:TBS 発売協力:TBSサービス
販売元:TCエンタテインメント
【公式サイト】(外部サイト)
(C)池井戸潤「下町ロケット」/TBS

提供元: コンフィデンス

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