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佐々木蔵之介、中山美穂、黒木瞳らが“大人の恋” 『黄昏流星群』P語るフジ「木10」攻めのドラマ作り

木曜劇場『黄昏流星群〜人生折り返し、恋をした』(フジテレビ系/毎週木曜 22:00) (C)フジテレビ

 セカンドライフに差しかかった男女の切ない恋を描く、フジテレビ系 木曜劇場『黄昏流星群〜人生折り返し、恋をした』(毎週木曜/22:00)。ここ最近、『刑事ゆがみ』、『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』など異色の話題作を輩出し続ける同「木10」枠だが、本作ではどのような試みが行われているのか? 『刑事ゆがみ』でもプロデュースを手がけた高田雄貴氏に話を伺った。

男性目線の物語に女性の視点をプラス 性年代超え共感呼ぶストーリーに

 原作は人気漫画家・弘兼憲史氏によるロングセラーコミック。今回のドラマでは、その第1巻がベースとなっている。同作が発表されたのは95年だが、「20年経って、ようやく弘兼先生の世界に時代が追いついたのではないかと考え、企画しました」と高田氏は語る。

「ご出演いただいている黒木瞳さんからも、顔合わせの時、『(不倫問題などに対して風当たりが強い)今、この作品をやるのは変わっていますね』と言われました(笑)。ですが、同じく不倫を描いた他局のドラマ作品なども、時には批判に晒されながらも視聴者を夢中にさせていたりして。そして、本作のキャッチコピー『運命の人なんて、何歳で出会うかわからないから、怖いのだ。』を見ればわかっていただけるように、誰だって歳をとっても恋をしたいという想いは、なくならないと思うんです。ですので、あえて今だからこそ、ドラマ化しようと思いました」(高田氏/以下同)

木曜劇場『黄昏流星群〜人生折り返し、恋をした』第4話より (C)フジテレビ

木曜劇場『黄昏流星群〜人生折り返し、恋をした』第4話より (C)フジテレビ

 原作は男性目線で描いたヒューマンドラマだが、今回は男性だけでなく、女性層、特にリアルタイム視聴のカギを握るF3層も狙うため、女性視点も入れたラブストーリーに。脚本はこれまで多くの恋愛ドラマを執筆してきた浅野妙子氏に依頼した。

「50代と言えば、仕事が落ち着き子どももある程度手離れして、そろそろ肩の荷を下ろしてもいい世代。そういった世代が中学生のようにピュアな恋愛をしてしまう滑稽さを描いたらどうか、と浅野さんからご提案いただきました。女性が『男ってバカよね』とツッコミながら観られるような作りにもなっていると思います。実際、ネットでも“ネタドラマ”と言われるなどの反響がありましたが、特に第1話では50代の男性視聴者からの反響が大きかった。佐々木蔵之介さん演じる主人公・瀧沢完治に共感する声が多く、連続ドラマで50代男性からの支持のある作品は非常に稀なことです」
  • 木曜劇場『黄昏流星群〜人生折り返し、恋をした』第4話より (C)フジテレビ

    木曜劇場『黄昏流星群〜人生折り返し、恋をした』第4話より (C)フジテレビ

  • 木曜劇場『黄昏流星群〜人生折り返し、恋をした』第4話より (C)フジテレビ

    木曜劇場『黄昏流星群〜人生折り返し、恋をした』第4話より (C)フジテレビ

 第1巻の物語を元にしながらもドラマでは、完治(佐々木)の妻・真璃子(中山美穂)が娘(石川恋)の婚約者(藤井流星)に恋をする展開や、栞(黒木)が認知症の母に人生を費やしている設定など、全58巻出ている原作から抜粋した数多くのエッセンスも交えて脚本が作られている。
  • 木曜劇場『黄昏流星群〜人生折り返し、恋をした』第5話より (C)フジテレビ

    木曜劇場『黄昏流星群〜人生折り返し、恋をした』第5話より (C)フジテレビ

  • 木曜劇場『黄昏流星群〜人生折り返し、恋をした』第5話より (C)フジテレビ

    木曜劇場『黄昏流星群〜人生折り返し、恋をした』第5話より (C)フジテレビ

『刑事ゆがみ』の成功が現場の志気を上げた

 前作『グッド・ドクター』(18年7月期)をはじめ、『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』(18年4月期)、『隣の家族は青く見える』(18年1月期)など、ここ最近、「木10」枠のドラマが注目を集めているが、その流れを生んだのが、同局の藤野良太氏と高田氏が手がけた、昨年10月期放送の『刑事ゆがみ』だ。

「『〜ゆがみ』では、視聴率ではないところで世の中に評価されるという現象がありました。それまで木10枠は、女性を主人公に、内容も完全に女性寄りの作品を放送することが多かった。ですが、『〜ゆがみ』では男性を主人公に、スタッフ・キャスト含め、やりたいことを追求したことで、結果的に評価も付いてきて、その手応えが制作陣に勇気を与え、この1年ほどの同枠の評価につながっているのかもしれません」

主題歌など音楽による相乗効果も狙う

 音楽面では、主題歌に平井堅の「half of me」、挿入歌に中島美嘉の「彩恋〜 SAI_REN 〜」を起用。両曲とも高田氏からのラブコールで実現したという。

「最近はしっかりと作品に合った曲でないといろいろ訝る玄人のような視聴者も増えてきました。星野源さんの『恋』など、ドラマきっかけで曲がヒットしたり、曲が売れることで視聴率も上がったりと、ドラマと主題歌の関係はより親密になっている気がしますし、音楽も含めて盛り上げていけたらいいなと。本作でも音楽による演出が効いていると思います。インターネットの登場でさまざまな変化を見せるテレビ業界ですが、ドラマにおいては録画視聴率も見直され、その勢いは戻りつつあるように感じます。私と同様、30 代の制作陣も共に頑張って新時代を作っていけたらと思います」

文/衣輪晋一
(『コンフィデンス』11/5号掲載)
●高田雄貴(たかだ ゆうき)
1984年生まれ。2009年にフジテレビジョンに入社。2015年に森川葵主演の『テディ・ゴー!』で初プロデュース。以降、『OUR HOUSE 』、『Chef 〜三ツ星の給食〜』、『刑事ゆがみ』などの作品を担当。『刑事ゆがみ』は、本誌発表の第10 回『コンフィデンスアワード・ドラマ賞』で、17 年10月期“最も質の高いドラマ”として、「作品賞」を受賞した

木曜劇場『黄昏流星群〜人生折り返し、恋をした』

フジテレビ系 毎週木曜 22:00
出演: 佐々木蔵之介、中山美穂、藤井流星(ジャニーズWEST)、石川恋、礼ニ(中川家)、麻生祐未、八木亜希子、小野武彦、黒木瞳ほか

(C)フジテレビ

提供元: コンフィデンス

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