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坂本龍一、『第23回釜山国際映画祭』OPセレモニーでピアノ独奏 朝鮮半島の平和を祈る「戦メリ」演奏

 音楽家の坂本龍一が10月4日、韓国・釜山で開幕したアジア最大の映画祭『第23回釜山国際映画祭』(10月4日〜13日)のオープニングセレモニーに登場。超満員となった「映画の殿堂」メインステージで、約10分におよぶピアノ独奏を披露し、韓国の映画ファンを魅了。盛大な拍手と歓声が送られ、坂本の名曲が映画祭のオープニングを飾った。

釜山国際映画祭「今年のアジア映画人賞」を受賞

 今年デビュー40周年を迎えた坂本は、これまでの映画音楽への功績が讃えられ、同映画祭がアジアの映画産業や文化の発展に多大な功績を残した映画関係者に贈る「今年のアジア映画人賞」を受賞。オープニングセレモニーへの招待を受けていた。

 この日、正装でレッドカーペットを歩いた坂本は、韓国の映画関係者、映画ファンから温かく迎えられてセレモニー会場入り。そして、オープニングセレモニーのスタートとともに客電が落ちると、広いステージの中央に置かれたピアノにスポットライトが当たり、坂本がステージに登場。オープニングでいきなりピアノの独奏が始まった。

 これまでに坂本が手がけてきた映画音楽から、同映画祭に出品されている、坂本が音楽を手がけた『My TYRANO:Together,Forever』のテーマも演奏され、後半はアレンジが加わった『戦場のメリークリスマス』。ときに静寂のなかの澄んだ風のような音色、ときに熱い感情が吹き荒れるような圧巻の演奏で、坂本の音楽世界が会場の誰もを圧倒。ラストの『戦メリ』の音色が消え入るとともに大歓声が沸き起こった。
 その後、「今年のアジア映画人賞」の表彰を受けた坂本は、「このような賞をいただくことができ、このうえないよろこびです。今、朝鮮半島に平和が訪れようとしていますが、同じアジア人としてとてもうれしく思っています」と平和へのメッセージを込めてあいさつした。

 さらに、独奏した曲にも触れ、「『My TYRANO』の音楽のテーマは、人と人のかけがえのない絆。この映画は、今年の釜山国際映画祭で上映するのにふさわしい作品だと思います。世界から暴力による支配がなくなることを祈っています」とメッセージを送った。

 これまでに数多くの映画音楽の名曲を生み出してきた坂本は、『戦場のメリークリスマス』で英国アカデミー賞、『ラスト・エンペラー』でアカデミー賞作曲賞を受賞。『レヴェナント:蘇えりし者』では、ゴールデングローブ賞とグラミー賞にノミネートされている。
(文:編集部・武井保之)

提供元: コンフィデンス

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