AKB48、総選挙前・後のシングル売上徹底比較 新曲の初週売上が好調な理由
今やシングル売上のミリオン突破が当たり前となったAKB48だが、彼女たちのなかでも特に好セールスを記録するのが、『AKB48 選抜総選挙』の「直前」と「直後」に発売される作品。特に「選挙直前のシングル」には投票券が封入されることもあって、メンバーを応援したいというファンの熱量が自然と売上を後押しする。実際、AKB48の自己最高初週を記録したのは、13年5月に発売された“選挙直前のシングル”「さよならクロール」で、初週で176.3万枚を売り上げている。
「選挙直後のシングル」もイベントの話題性などが伴って通常よりも売上を伸ばすが、「選挙直前のシングル」と比較すると、少し売上が減少する。こうした初週売上の特徴を鑑みると、この“差”が小さければ小さいほど、彼女たちの本質的な人気が見えてくるとも言えるだろう。
下記表は、初動ミリオンを記録しはじめた11年以降の「選挙前シングル」と「選挙後シングル」の初動売上を並記、一覧にしたものだ。
AKB48 の「選抜総選挙」前・後のシングル売上の推移
しかし、翌年から再びその落差は縮まり、2018年の本作(選挙前「Teacher Teacher」166.1%→選挙後「センチメンタルトレイン」144.9%/売上比87%)は2011年に次ぐ高水準となった。
今回、このような結果になったのには、大きく2つの理由が考えられる。1つ目は、総選挙で女王に輝き“センター”を務めるはずの松井珠理奈が、体調不良により7月7日より長期療養に入ってしまったこと。
約2ヶ月半の休養を経て、先日9月6日に無事復帰を果たしたが、楽曲・MVともにセンター不在のまま制作が進められた。これにより、シングル購入者には(松井が参加し)再録、再編集された楽曲とMVをなんらかの形で視聴できるように対応する予定となっているが、このセンター不在という“ピンチ”がファンの関心や結束を強めたことが考えられる。
また、最近はNGT48やSTU48など、姉妹グループの登場に加え、乃木坂46、欅坂46など“ライバル”の躍進も相まって、多くのメンバーが危機感を感じ、切磋琢磨することによって良い刺激も生まれている。
メンバーの意気込みは、今年の総選挙で多く聞かれた「自らがグループをけん引する」というスピーチを聞いても明らか。グループはもちろん、各メンバーの今後の動向にも注目だ。
(『コンフィデンス』10/1号掲載)