山口紗弥加、6人の名バイプレイヤー女優“最後の主役” 自分を殺しながら爪痕を残せるすごさ
観る人の心に爪痕を残せる、ドラマ界に欠かせない女優たち
ライターの田幸和歌子氏は、彼女たちの魅力についてこう指摘する。
「仕事が確かなのは言うまでもありませんが、特に注目なのが、皆さん若い頃よりもきれいになっていることです。役の幅が広くて、花がある。そこが、とにかく魅力的ですね」
年齢を重ねた美しさは、ドラマを観る、特に大人の女性にとっては注目したくなる、気になる存在なのだ。
「たとえば水野美紀と山口紗弥加は、体型が細くてサバサバ系の美人。今の女性に最も好かれるタイプだと思いますが、2人とも若い頃はアイドル女優のようなポジションにいて、それゆえに将来への不安を抱えていた時期もあったようです。そのように悩んだ経験が、今の仕事ぶりに生かされているのだと思いますね」
一方「ドラマを観ていると、主役よりも彼女たちの演技が気になってしまう」と、根っからの“バイプレイヤーズ好き”を隠さないのが、ライターの吉田潮氏だ。
「今のドラマは、たとえばコメディの要素がほしいとき、芸人をキャスティングしたりしますよね。でもそういう役でも、できれば俳優を使ってほしい。例えばこの6人で言えば、木南晴夏は“コメディ筋肉”が一番発達しているので、芸人の力を借りる必要はないのではないかと思ってしまうんですよね」
自分を殺しながらきちんと爪痕を残せる稀有な女優
「38歳で、初主演。私に期待してくれる人がまだ居てくれるんだ!って、腹の底からむくむくと力が湧いてきました」
今回の主役抜擢について田幸氏は、特に若い世代から注目されるのでは?と期待する。
「『モンテ・クリスト伯―華麗なる復讐―』で、遺産のために毒殺を繰り返す狂気の妻を演じ、若い女性たちが「この人、うまい!」と話題に。さらにそれが、「この人の顔が好き」など、憧れの存在になっていったという現象がありました。今回のドラマもまさに、山口の恐ろしさと美しさを楽しめる作品。『モンテ〜』で彼女を好きになった女の子たちにとっては、特に注目ではないか」
吉田氏は、山口の新しい面が観られるのでは、と期待を寄せる。
「私にとって山口は、毎クール、必ずどこかのドラマに出ている女優、というイメージ。色気、美貌、知性、狂気、なんでもできる。しかも彼女は役を選ばない。ぎりぎりキャストに名を連ねる程度の小さな役でも、自分を殺しながら、きちんと爪痕を残せるのはすごいと思います。そんな山口の初主演に期待することは、バイプレイヤーとして鍛えてきた筋肉とは違う、別の筋肉を使った演技を観せてほしいということ。復讐もののドラマはお手の物だと思いますが、狂気を前面に出せばよかった脇役とは違い、主役は恨みつらみから生まれる、悲しみも見せなければいけない。“私が私が”といったアピールをしてこなかった彼女ですが、主役となると、きっと今までとは違う自負が出てくると思います。それが楽しみです」
初回オンエアは10月4日(木)。楽しみに待とう。