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7月期ドラマ期待度1位は『ハゲタカ』&『dele』 “緩急ある”テレ朝作品に熱視線

 7月に入り2週目から続々と「夏ドラマ」がスタートする。オリコンの週刊エンタテインメントビジネス誌『コンフィデンス』では、放送に先駆け7月クールの主要ドラマを対象に期待度調査を実施。これをランキング化した結果、プライム枠では真山仁氏による人気小説を再映像化した【木曜ドラマ『ハゲタカ』】(テレビ朝日系/7月19日より木曜21:00)、深夜枠では山田孝之と菅田将暉がW主演する【金曜ナイトドラマ『dele(ディーリー)』】(テレビ朝日系/7月27日より金曜23:15)がそれぞれ1位に選ばれ、両時間帯ともにテレビ朝日作品が制した。4月期に田中圭主演の『おっさんずラブ』で大いに世間を賑わしたテレビ朝日が、前期で得た満足度をしっかり次期作への期待値につなげたようだ。
テレ朝、正統派で責める「プライム」と挑戦的な「深夜枠」

 同調査は6月15日〜19日の期間、ドラマに興味関心のある全国の10代〜50代の男女、計1364名を対象に実施したもの(※NHK、民放各社で放送される主要ドラマが対象/6月13日時点で未発表の作品は除く)。各作品「視聴」、「俳優(主演)」、「俳優(主演以外)」、「内容」の4項目についての期待度を数値化し、1〜20までのポイントに分類(1項目20点満点×4項目=80点満点)。その合計ポイントから順位付けし「期待度ランキング」として発表した。

 首位を獲得した2作のポイント数を見ると、プライム枠の【ハゲタカ】は80Pt満点中70Pt、深夜枠の【dele】は80Pt満点中72Ptをマーク。ポイント数では、【dele】が【ハゲタカ】を上回っており実質【dele】が“総合1位”という結果になった。なお、深夜枠の作品がプライム枠の作品をポイント数で上回るのは、同調査において極めて稀なケースだ。

山田孝之と菅田将暉がW主演を務める、金曜ナイトドラマ『dele(ディーリー)』 (C)テレビ朝日

山田孝之と菅田将暉がW主演を務める、金曜ナイトドラマ『dele(ディーリー)』 (C)テレビ朝日

 【dele】は、現代ならではの問題といえる「デジタル遺品」をテーマとしたオリジナルドラマ。依頼人の死後に不都合なデジタル記録を“内密に”抹消する仕事を請け負う主人公の2人が、任務を遂行しようとするたび、さまざまな問題に巻き込まれていくスリリングな物語が展開される。原案・脚本を手がけるのは、著書が次々と映像化されている人気ベストセラー作家・本多孝好氏。また、同氏に加え「SP」シリーズなどドラマ作品も手がける直木賞作家・金城一紀氏、瀧本智行氏など豪華執筆陣も脚本を担当する。ユーザーコメントには、「テーマが斬新」(30代女性/福岡)、「山田さんも菅田さんもハラハラドキドキするような演技を見せてくれそう」(20代女性/大分)との期待の声が多数。同ドラマ発表に先駆け、5月15日には主演の山田と菅田が共同のSNSアカウント「菅田山田(@sudayamada)」(Twitter)、「山田菅田(@yamadasuda)」(Instagram)を公開し世間を賑わせたが、こういったユニークな“仕掛け”を含めてドラマファンから熱い視線が注がれている。

綾野剛が主演を務める、木曜ドラマ『ハゲタカ』より (C)テレビ朝日

綾野剛が主演を務める、木曜ドラマ『ハゲタカ』より (C)テレビ朝日

 対する【ハゲタカ】は、バブル景気のなか産声をあげた平成という激動の時代を舞台に、外資系投資ファンドを率いる鷲津政彦が名門企業を次々と買収し、日本経済界に革命を起こしていく痛快エンタテインメント。07年には大森南朋主演でドラマ化、09年には映画化もされ、多くのファンを誇る人気作の再映像化となる。映像化済みというアドバンテージがありながらも、硬軟幅広く演じる綾野剛(主演)のキャスティング、原作に加え真山氏による原案を元に“18 年版ハゲタカ”を描くオリジナルエピソードも展開されるとあって、「以前放映していた『ハゲタカ』との違いが楽しみ」(30代男性/静岡)、「綾野剛さんが新しいハゲタカ像を確立してくれそう」(20代女性/富山)などと視聴者の期待感を高めている。
キャラクターや設定の妙で継続的に人気を集める刑事ドラマ

シリーズ第5弾を迎える、木曜ミステリー『遺留捜査』より (C)テレビ朝日

シリーズ第5弾を迎える、木曜ミステリー『遺留捜査』より (C)テレビ朝日

 「プライム枠」2位は、昨年7月期に続く人気シリーズ第5弾となる【木曜ミステリー『遺留捜査』】(テレビ朝日系/7月12日より木曜20:00)がランクイン(68Pt)。同作は遺留品から事件の真相に迫っていく刑事ドラマ。物語はもちろん、上川隆也演じるマイペースで空気を読まない風変わりな主人公・糸村聡のキャラクターも人気で、「個性的な主人公を演じる上川隆也さんが、毎回いい味を出していて面白い」(50代男性/埼玉)、「上川隆也さん演じる主人公・糸村聡の飄々としたキャラに癒やされる」(40代女性/兵庫)、「キャスト陣の安定感のある演技でゆっくりと番組を楽しめる。最後は少し泣けて基本1話完結なところも良い」(40代女性/埼玉)との声が多く聞かれた。

7年ぶりにシリーズ第3弾を放送する『絶対零度〜未然犯罪潜入捜査〜』より (C)フジテレビ

7年ぶりにシリーズ第3弾を放送する『絶対零度〜未然犯罪潜入捜査〜』より (C)フジテレビ

 続く3位には、シリーズ第3弾として7年ぶりに物語を紡ぐ“月9”ドラマ【絶対零度〜未然犯罪潜入捜査〜】(フジテレビ系/7月9日より月曜21:00)が登場(67Pt)。シーズン1では未解決事件を、シーズン2では特殊犯罪潜入捜査をテーマに、上戸彩主演で新米刑事・桜木泉の活躍と成長を描いてきたが、新作では沢村一樹を主演に“未来の犯罪を予測して捜査するチーム=ミハン”の活躍を描く。なお本作には、ある捜査中に突然失踪したとされる前2作の主人公・桜木(上戸)も登場予定。「新しく主演を務める沢村一樹さんが、このドラマの世界観をどう演じてくれるか楽しみ」(50代男性/愛知)という声に加え、「1、2シリーズで主演だった上戸彩さんが、今回どのような形で参加するのか気になる」(30代女性/宮城)と、同作ファンの注目を集めている。

18年7月期ドラマ期待度ランキング(プライムタイム)

深夜枠ならではのユニークなストーリー
 一方、「深夜枠」2位は、窪田正孝が主演を飾る【土曜ナイトドラマ『ヒモメン』】(テレビ朝日系/7月28日より土曜23:15)で56Ptを獲得。鴻池剛氏の漫画『ヒモメン〜ヒモ更生プログラム〜』(KADOKAWA刊)が原作の本作は、ヒモ男の主人公・碑文谷(ひもんや)翔と、そんなダメ男を彼氏に持つ彼女の春日ゆり子(川口春奈)が幸せを求めて奮闘する社会派コメディ。「演技上手な窪田さんのヒモ男役がどんな風になるのか楽しみ」(20代女性/広島)というコメントが目立ったほか、『おっさんずラブ』に続く土曜ナイトドラマ枠の新作という部分でも注目された。

窪田正孝が“ダメ男”に!土曜ナイトドラマ『ヒモメン』より (C)テレビ朝日

窪田正孝が“ダメ男”に!土曜ナイトドラマ『ヒモメン』より (C)テレビ朝日

 55Ptを獲得し3位にランクインしたのは、読売テレビ・日本テレビ系の【プラチナイト木曜ドラマF『探偵が早すぎる』】(7月19日より木曜23:59)。同作は些細な違和感やミスを察知し犯行を阻止する、“犯罪防御率100%”を誇る探偵・千曲川光らの活躍を描いたコメディミステリー。原作は井上真偽氏の同名小説で、高視聴率ドラマ「99.9 -刑事専門弁護士」シリーズを手がける宇田学らが脚本を務める。名バイプレイヤーの滝藤賢一と、NHK朝ドラ『わろてんか』での漫才師役が記憶に新しい広瀬アリスのW主演で、「滝藤さんと広瀬さんの掛け合いが楽しみ」(30代女性/埼玉)などと、2人の会話劇に関心が寄せられている。

滝藤賢一と広瀬アリスが主演を務める、プラチナイト木曜ドラマF『探偵が早すぎる』 (C)読売テレビ

滝藤賢一と広瀬アリスが主演を務める、プラチナイト木曜ドラマF『探偵が早すぎる』 (C)読売テレビ

18年7月期ドラマ期待度ランキング(深夜枠)

 7月期はプライム枠、深夜枠ともに原作モノが目立つが、どれも趣向を凝らしたテーマで描く見応えのありそうな作品がラインアップされている。ここ最近、豊作続きで盛り上がりをみせるドラマシーン。7月期はどの作品が話題をけん引するのか、放送を楽しみに待ちたい。
【調査概要】
■期間:18年6月15日(金)〜6月19日(火)
■対象:合計1364名(自社アンケート・パネル【オリコン・モニターリサーチ】会員10代、20代、30代、40代、50代の男女)
■地域:47都道府県
■機関:オリコン・モニターリサーチ
※ NHK、民放各社で放送される主要ドラマが対象/6月13日時点で未発表だった作品は除く

提供元: コンフィデンス

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