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高まる『ワイスピ』熱の理由とは? 映画と現実世界を結ぶ“ファミリー”

『ワイルド・スピード ICE BREAK』(C)Universal Pictures

 シリーズ8作目となる最新作『ワイルド・スピード ICE BREAK』が4月28日の劇場公開から3週連続で映画興行ランキングTOP5圏内をキープ(今週4位:累計動員210万人、興収31億円)。サウンドトラックも発売から5週連続でアルバムランキングTOP10入り(今週8位:累計売上4.6万枚)。前作までのシリーズ7作品がDVDランキングTOP30内に再上昇。熱いワイスピファンたちがマーケットを動かしている。

シリーズ4作目から方向性をシフト

『ワイスピ』は2001年に1作目が劇場公開されると、ド派手なカーアクションが人気になり、シリーズを重ねるごとに20〜30代のクルマ好きの男性コアファンを増やしてきた。当初はB級カーアクション感があふれていた同作だが、4作目から変わってきている。

 東宝東和の佐藤大典プロデューサーによると「シリーズが10作まで続く事を意識して、4作目以降はコアファン以外にも楽しんでもらえるように、クルマ映画、ヤンキー映画というカラーを抑え、『007』や『ミッション:インポッシブル』のようなライトなアクション超大作の方向へシフト。10代への訴求は力を入れて取り組んできました」と説明する。

 そんな同作の魅力は、幅広い世代にウケるわかりやすいアクションだけではない。熱いコアファンを形成するもうひとつの魅力がファミリーという概念。ワイスピの主人公は、超能力者などではなく、ただ車の運転がうまいごく普通の人間。

「車をいじり、集まってはふざけながらバーベキューをして絆を深める。そんな等身大のヒーロー像が、同じようなライフスタイルを送る現代人から共感を得ています」

世界中の若者の心を捉えるファミリーという概念

「ワイスピは、スタッフ、キャスト、ファンが分け隔てなくファミリーと呼び合います。ワイスピが好きな人は国境も立場も関係なくみんなファミリーという考え方です。映画の世界と現実世界を結ぶファミリーという概念が世界中の若者の心を捉えています。日本でも多くの若者が“ワイスピファミリー”の一員になりたい、という気持ちを持ってくれているからこそ、10〜20代の若い男女のファンが増え続けているんです」。

 1作目『ワイルド・スピード』の公開から16年。シリーズ8作目を迎えた現在、日本のファン層は二世代に渡っており、40代以上ではシリーズ開始当初からのファンが多く、10〜30代は前々作『ワイルド・スピード EURO MISSION』(13年公開)や前作『ワイルド・スピード SKY MISSION』(15年公開)から新たにファンになった人々が多いという。

 そんな熱いワイスピファミリーに支えられた最新作は、“誰も見たことがないアクションを撮る”を合言葉に少年の心を持ち続ける制作陣の本気度がスクリーンから伝わってくる。シーンを動かす“家族映画”の熱はまだまだ続きそうだ。
(コンフィデンス 5月22日号掲載)

ワイルド・スピード ICE BREAK
凍てつく氷の大地 ロシア、シリーズ初上陸のニューヨーク、そしてハリウッドメジャー大作としては初となるキューバを舞台に史上最大のスケールで物語が展開される!
監督:F・ゲイリー・グレイ
出演:ヴィン・ディーゼル、ドウェイン・ジョンソン、ジェイソン・ステイサム、ミシェル・ロドリゲス
大ヒット公開中 【公式サイト】(外部サイト)
(C)Universal Pictures

提供元: コンフィデンス

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