カッコつけるのも楽じゃない
スウェーデンのバイクブランド、ハスクバーナから、待望のロードモデル「ヴィットピレン401」がデビュー。他のどんなバイクにも似ていない北欧の“白い矢(VITPILEN)”は、欠点を探すのが難しいほどに完成度の高い一台に仕上がっていた。
スタイリングはショーカーそのもの
「むかしむかし、あるところにスウェーデンの王様が……」という社史は以前のコラムをご参照いただきたいが、一時は存続の危機があったとは思えないほど、ハスクバーナが絶好調だ。とりわけ2018年に入ってからの躍進は目覚ましく、その一翼を担っているのがこのヴィットピレン401である。
ヴィットピレン401は2014年にプロトタイプが初披露され、その後は毎年「出るぞ」「出すぞ」といわれながら年月が経過。ところがその裏では着々と開発が進められていたらしく、先頃ついにデリバリーが開始された。
印象的なのはやはりそのスタイリングだ。バイクでもクルマでも量産モデルになれば「ショーモデルはあんなにカッコよかったのに」と軽く落胆するのが常ながら、ハスクバーナにそれはあてはまらない。「もしかしたら途中で面倒くさくなったんだろうか?」と思うほど、ほぼプロトタイプのままで登場したからだ。
何にも似ていないためスケール感が伝わりづらいが、車格は一般的な250ccと同等か、それ以下にすぎない。クロームモリブデン鋼のトレリスフレームに懸架されるエンジンは軽量コンパクトな375ccの水冷単気筒ゆえ、車体はスリムそのもの。燃料なしの半乾燥状態での車重は148kgしかなく、取り回しで緊張感を強いられることはないはずだ。...