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DEPAPEKO が6年半ぶりの新作発表 押尾コータロー&DEPAPEPEが3本のギターだけで奏でた「アイドル」とは?

4月9日発売『PICK POP II 〜meets the WORLD〜』

4月9日発売『PICK POP II 〜meets the WORLD〜』

 ギタリストの押尾コータローと、ギターインストゥルメンタルユニット・DEPAPEPEの2組で結成された「DEPAPEKO」が、6年半ぶりに待望のニューアルバム『PICK POP II 〜meets the WORLD〜』を4月9日に発売する。J-POPのヒット曲をアコギインストでカバー、斬新なアレンジで話題となった、1stアルバムの続編となる今作は、邦楽のみならず洋楽・クラシック・セルフカバー、さらに書き下ろしの新曲を収録。YOASOBI の「アイドル」やYMOの「RYDEEN」など、アコギ 3本だけで演奏しているとは思えないサウンドを楽しむことが出来る。そんな珠玉のアルバムを発売した押尾と、DEPAPEPEの徳岡慶也、三浦拓也が作品の魅力や、互いがコラボしたことで起こる化学反応などを語り合った。

6年半ぶりの新作『PICK POP II』、再び3人で奏でる喜び

「DEPAPEKO」(左から、三浦拓也・押尾コータロー・徳岡慶也)撮影/草刈雅之(C)oricon ME inc.

「DEPAPEKO」(左から、三浦拓也・押尾コータロー・徳岡慶也)撮影/草刈雅之(C)oricon ME inc.

 押尾コータローと、ギターインストゥルメンタルユニット・DEPAPEPEの徳岡慶也、三浦拓也の3人が結成した「DEPAPEKO」。2018年にはアルバム『PICK POP! 〜J-Hits Acoustic Covers〜』を発売し、3本のギターだけで圧倒的な奥行きある表現力を見せた。元々、お互いギターだけで奏でるメロディの美しさに敬意を表し、ライブで共演を重ねていた二組。そんななか、Perfume の「チョコレイト・ディスコ」をセッションしたことがきっかけで、正式に「DEPAPEKO」というユニット名でアルバム制作に取り掛かった。そして、1stアルバムから約6年半という時を経てニューアルバム『PICK POP II 〜meets the WORLD〜』をリリースした。
  • 押尾コータロー 撮影/草刈雅之(C)oricon ME inc.

    押尾コータロー 撮影/草刈雅之(C)oricon ME inc.

――前作から6年半という歳月が流れましたが、ニューアルバム制作の経緯をお聞かせください。

押尾コータロー ギター好きが集まって楽しくやっていただけで、まさかアルバムまで出せると思っていなかったんです。だから1枚アルバムが出せて満足というか。そもそもDEPAPEPEも僕も、ソロでやっているので自分たちの活動もありましたからね。それでも、どこかで「出せたらいいな」という漠然とした思いはずっと持ち続けていたんです。こうしてまた一緒に演奏できたものを形に残せて嬉しかったですね。

三浦拓也 僕らも1年のなかで、一緒にライブを行うことが数回はあって。その度に、新しいアレンジでカバー曲をやってみようという試みを3人で行っていたんです。だから、どこかでまたアルバムを出せればいいなという思いがありました。

徳岡慶也 前作から6年半という時間は経っていますが、ずっと交流はありましたからね。いつでも…という準備がありました。そのなかでこうしてアルバムという形にできたのは嬉しかったですね。

「アイドル」「運命」…前作よりも弾きごたえ抜群の楽曲たちが揃う

――ベートーヴェンの「運命」やYMOの「RYDEEN」、YOASOBIの「アイドル」など、本作もかなりバラエティに富んだ楽曲が収録されていますが、選曲はどんな形で行ったのですか?

押尾コータロー 1stアルバムを作ったきっかけとなったのが、perfumeの「チョコレイト・ディスコ」でした。あの曲を3人でアレンジして演奏したことで、テクノサウンドでもギター3本あれば表現できるんだな、と思いました。1人よりも3人の方が、圧倒的にやれることが広がったので、今回はかなり難易度の高い曲をやろう、という思いが自然と3人のなかで沸いてきたんです。

YOASOBIは、とても名曲が多いのですが、そのなかでも「アイドル」はギター的には一番難しい。メロディのない…いわゆるラップからスタートするので。それでもこの3人なら出来るかな、という思いでチャレンジしました。

――「アイドル」は、演奏していてかなり難易度が高い楽曲なのでしょうか?

三浦拓也 そうですね。どんどんテンポも上がっていきますし、主メロに行ったり、伴奏に行ったりという入れ替わりも激しく、さらに曲中でいろいろと転調していくんです。ギミックが多い分、難易度も上がっていきます。同じように「運命」もクラシックをアレンジするなかで、テクニック的にかなり難しい部分がありました。全体的に前作よりもかなり難易度が高いというか、弾き応えがある曲が多かったです。

――数々の名曲の「DEPAPEKO」アレンジが楽しめますが、そのなかで新曲「meets the WORLD」も、とてもテンポの良い素敵な楽曲でした。

押尾コータロー 新曲は作りたいという思いはずっとあって、前回のアルバムにはバラードの「For You」を入れたので、今回はアップテンポの曲がいいなという意識はありました。

――3人で曲を作る時はどんな感じなんですか?

押尾コータロー 結構雑談の合間とかで、それぞれがギターでフレーズを弾き始めて、そこに被せていくなかで「それいいね」って自然とセッションになっていく……みたいな感じが多いですね。徳ちゃん(徳岡慶也)がメロディを弾き出して、僕がトリッキーなリズムを刻んだりして、三浦くんもアイデアを出しつつ譜面にもまとめてくれる感じでした。

徳岡慶也 自分たちの曲は、かなり詰めて考えて作るタイプだと思うのですが、この3人が集まると、自然発生的な感じでセッションしながら…というのが多いですね。やっぱり持ち味が3人とも違うので、すごく新鮮です。

ひとりでも成り立っているものを、なぜ3人で?

  • 三浦拓也 撮影/草刈雅之(C)oricon ME inc.

    三浦拓也 撮影/草刈雅之(C)oricon ME inc.

――3人で演奏することは、アーティストとして刺激が大きいですか?

押尾コータロー 最初にやったときは「3人のアレンジは難しい」と思っていたんです。でもソロでやると、どうしても犠牲にしなければいけない音がある。例えば、開放弦を使っているときビブラートがかけられずビーンって伸びてしまってメロディアスに聴こえなかったり…。そういうところをソロだと割り切らなくてはいけない。でも3人でいると、それぞれ補いながら演奏できるので、ギター本来の音を出すことに集中できる。そこはとてもいいなと思っています。

三浦拓也 おっしゃる通りで、お互いがそれぞれのパートをカバーしながら演奏できるんです。普通は主メロで和音しか聴こえないけれど、その奥にあるいろいろなフレーズを全部ギターに置きかえて押尾さんがアレンジしてくださるので、曲全体の理解度も高まるんですよね。すごく面白いですし、自分自身もギタリストとして、また少し成長できたのかも…と思えるんです。

徳岡慶也  ひとりで成り立っているものを、あえて3人でやることで、本来ならこうやりたかったけれど、ひとりでは限界があって、できなかった部分を補える。その意味でDEPAPEKOの音楽というのは、すごく気持ちよく演奏できますし、とてもいい音がしっかりと届くので、演奏していて気が楽で、思い切り楽しめます。

――他の人が作った曲をギター3本だけのアレンジにする楽しさはどこに?

三浦拓也 DEPAPEKOの活動って、アーティストというよりは部活動のような感じですよね。リラックスして「音楽って楽しいよね」みたいな(笑)。学生のころ軽音楽部っていろいろな人のカバーをやって、楽しんだりするじゃないですか。アーティストの方々のカバーを自分たちなりにギター3本でどう料理するか、というのがDEPAPEKOの核になっているような気がします。

徳岡慶也 あとはライブなどで、誰もが聴いたことがあるという曲を、自分たちなりのアレンジでやるというのは、普段の自分たちとは違う武器になるような気がします。

DEPAPEKOのライブは“ユルさ“が魅力? 個人のライブとは異なる楽しみ方も

――いまライブの話が出ましたが、やっぱりそれぞれ個人で行うライブと、DEPAPEKOとしてでは色味も変わってくるのですか?

押尾コータロー 違いますね。とにかくラフな気持ちで臨んでいます。結構“ユルさ”が一つの特徴かもしれません。観客の方も、よりラフな感じで「今回はどんな曲をやるんだろう」という楽しみ方をしてくれているような気がします。

三浦拓也 僕らはみんなギターが大好きなんです(笑)。DEPAPEKOのライブは、ギターを始めたころの純粋な気持ちに近い形で楽しんでいる姿をご覧いただけるのかなと。

徳岡慶也 一方で、すごく楽しいライブなのですが、先ほどもお話したように、今回のアルバムの曲はかなり難易度の高いものばかりなので、緊張はしますね。正直、ちゃんと弾けるのかな…と思うような楽曲なのですが、何とか行けるんです。こちらもライブでやることでさらに鍛えられているので。どんどんハードルが上がって困りますね(笑)。

押尾コータロー ライブではアルバムに収録されていない曲も披露するなど、セットリストも個人のライブより流動性があるので、何度来ても楽しんでいただけると思います。

――海外のファンも心待ちにしていると思います。

押尾コータロー 僕らも15年以上、海外でも活動をしているので、当時聴いてくれていた人も、その分年を重ねているんですよね。ライブの間隔も日本より空くので、どうしても新曲よりも、昔好きだった曲を聴きたいという感じが強いんです。日本でやっていない曲も、結構要望があります。海外のライブでは、その辺を意識してプログラムを組みます。

「まだまだ可能性は無限」 DEPAPEKO、今後の野望は?

  • 徳岡慶也 撮影/草刈雅之(C)oricon ME inc.

    徳岡慶也 撮影/草刈雅之(C)oricon ME inc.

――ギターだけだからこそ伝わることもありますよね。

押尾コータロー 僕らはギター好きな集団なので。他の楽器と何かを表現したいという思いはなくて、ずっとギターの音色に酔いしれていたいんです。DEPAPEKOに関しては3人だけで、ほかにはいらない。ギターに執着している面々ですね。

三浦拓也 ギターの、ほかの楽器よりも身近であり人間味もあるところが、好きなんです。

徳岡慶也 ギターが一番聴いていて楽しいですね、いまだに。

――今後のDEPAPEKOとしての野望はありますか?

三浦拓也 アルバムを出したばっかりですが、また作りたいという思いは強いです。まだまだレパートリーはたくさんあるので。3人でやると個人的にも音楽的知識が増えるし、エネルギーもたくさんもらえる。アルバムを出して、ライブを行うという流れはずっと続けて行きたいです。

徳岡慶也 僕もDEPAPEKOとしてずっと続けていきたいです。歌がないことで海外にも出て行きやすいと思うんです。押尾さんと海外に行けるというのは、ある意味ですごく大きな武器だと思うので。

押尾コータロー この3人のスタイルをもっと広めていきたいですね。ソロギタリスト、DEPAPEPEのような2人組って結構いるのですが、3人ギターというユニットは意外と少ないので、まだまだいろいろな可能性があると思うんです。スタイルがありそうでないのがDEPAPEKOなので、もっともっといろいろなことを試して、アッと言わせてみたいですね。

取材/文:磯部正和 撮影:草刈雅之

Information

・DEPAPEKO
DEPAPEKO -押尾コータロー×DEPAPEPE- LlVE TOUR 2025 "PlCK POP ll"
■東京公演:東京国際フォーラム ホールC 6/29(日)開場16:15 開演 17:00
■名古屋公演:ダイアモンドホール    7/4(金) 開場18:30 開演 19:00
■大阪公演:サンケイホールブリーゼ   7/5(土) 開場16:15 開演 17:00

【料金】7,700円〔全席指定/税込〕※名古屋公演のみドリンク代 600円別途必要
※未就学児童のご入場はできません。小学生以上はチケットが必要になります
詳細はコチラ

・押尾コータロー
XInstagramYouTube

・DEPAPEPE
XInstagramYouTube
Sponsored by Sony Music Labels Inc.

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