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「あなたにとってポルノグラフィティとは?」 激動の時代25年、第一線で闘い続けてきた偉業
デビューシングル「アポロ」は“ロングランヒット”、以降も続々とTOP10入り
「アポロ」はロックバンドとしては斬新なデジタルサウンドや、宇宙船アポロ11号を題材にした意外性のある歌詞、まっすぐ耳に飛び込んでくる歌声という、要は楽曲の良さとインパクトが純粋に人々の関心を集めた結果、真っ当にヒットしたのだ。
いくつものターニングポイントを迎えた彼らが、ブレずに向き合ってきたものとは
また、2007年のアルバム『ポルノグラフィティ』からは、デビュー時から続いたプロデューサー・本間昭光氏による楽曲提供をストップし、岡野昭仁と新藤晴一ふたりの詞曲だけに絞った作品づくりが開始された。その流れで2012年には、本間氏によるプロデュースから、事実上のセルフプロデュースへと移行した。ヒット街道に向かってバンドを牽引していたプロデューサーから離れた理由は、言うなれば“導いてくれる力がある安定感より、自分たちで漕いでいるという実感を選んだ”ことにある。すでに売れている状態にあったのだから、余計な曲がり道を避けて現状維持していく手もあったのに、だ。
しかし彼らは、きちんと苦悩した末に完成した最高の一曲をみんなに届ける覚悟を決めた。何度、分岐点を迎えようともブレることなく自身の進化を渇望し、常に純然たる魂をもって音楽と向き合ってきた彼らだからこそ、愛される楽曲と確固たる地位を守ってこれたのだと私は思う。
人の琴線を掴んだまま離さないメロディ、スマートでありながら遊び心の絶えないギター、代名詞ともいえるラテンのアプローチ。人生の様々な場面を切り取りながらも聴き手に必ず現在地を実感させる歌詞と、ハスキーでいて圧倒的なレンジと表現力を誇るボーカル。そんなポルノグラフィティにしか描き出せないロックは確実に評価され、リリースする楽曲すべてがランキング上位を獲得するようになった。