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池坊専宗氏が巡る京都 “龍”と“水”にまつわる特別な旅『冬の京都2024〜龍が棲まう千年の都〜』

 謎華道家・写真家の池坊専宗氏と俳優の平祐奈が出演し、今年の干支にちなみ“龍”と“水”にスポットを当てた京都の冬の絶景やグルメなどを紹介する『冬の京都2024〜龍が棲まう千年の都〜』(2月7日後7:00〜 BS11・KBS京都 共同制作)が放送される。凛とした冷たい空気に包まれた冬の京都の魅力とともに、番組の見どころをお届けする。

水の神“龍”と“水”を切り口に、二人の旅人が冬の京都を巡る

 平安遷都から1230年となる今年の干支は辰、つまり“龍”。『四神相応の地』として平安京が置かれた京都では、青龍が都の東側と、河川の守り神と考えられ、いにしえから火災や水難防止の願いを込めて神社に祭られたり、寺院の天井などに描かれたりしてきた。

 そんな、龍が棲まう都・京都を池坊氏と平が巡り、この季節にしか見られない冬の絶景や絶品グルメなどを紹介する。八坂神社、東福寺、貴船神社といった名所も、“龍”や“水”といった切り口で訪ねてみると、いつもの観光とはまた違った京都の奥深さを感じられるはずだ。それぞれの見どころを紹介しよう。

東福寺 わずか2週間で完成させた巨大な龍の秘密

 池坊氏がまず訪れたのは、臨済宗東福寺派の大本山、東福寺。約2千本のもみじが出迎える紅葉の名所として知られ、特に通天橋からの眺めは絶景の一言だ。実は東福寺、池坊を祖とする日本のいけばなと深い縁があることでも知られる。室町時代の東福寺の僧侶の日記『碧山日録(へきざんにちろく)』には、『池坊専慶という六角堂の僧侶が、武士の依頼を受けて花を挿して大評判になった』と記され、これが歴史上初のいけばなの記録と言われているのだ。

 そんな東福寺の見どころのひとつが、『法堂』の天井画『蒼龍図』。この龍図は京都生まれの日本画家、堂本印象によるもの。畳150枚分の天井に描かれた龍の体長は約54メートル、顔の長さだけでも約4メートルの大迫力だ。この天井画はわずか2週間ほどで完成したと聞かされ驚く池坊氏。また、東福寺の塔頭寺院のひとつであり国宝の『龍吟庵』は、本坊の裏手に位置しており、“現存する最古の方丈建築”とされる。

泉涌寺(せんにゅうじ) 辰年や特別な機会にだけ公開される“鳴龍”

 また、神職の資格を持ち、神社巡りや御朱印集めが趣味という平がはじめに訪れたのは、天皇家とゆかりが深い泉涌寺。大門から坂を降りて本堂に向かう『降り参道』という珍しい造りになっている。

 参道の正面に立つ『仏殿』の天井にも龍が描かれているが、今回のお目当ては舎利殿の天井に描かれた狩野山雪作『龍図』。手を叩くと残響音がすることから“鳴龍”としても知られる。通常は非公開だが、12年に一度の辰年や特別な機会にだけその姿を見ることができるという。

 京都には天井に龍を掲げる寺がいくつもあり、防火の願いが込められていると言われるが、それ以外にも仏教ならではの龍の役割があるのだとか。

八坂神社 京都の東を守護する青龍が棲む地

 京都で育った池坊氏にとって馴染み深い存在だという八坂神社。“祇園さん”と親しみを込めて呼ばれ、日本三大祭のひとつ『祇園祭』は八坂神社の祭礼として知られる。四方縁起の良い土地として都が置かれた京都において、東の守りを固める青龍が棲む地がまさに八坂神社なのだ。

 八坂神社の広い境内の中央に建つ国宝の本殿。実は、その真下に公開されていない『龍穴』があるという。龍穴とは龍が棲む穴、つまり大地のエネルギーがふき上がる泉のこと。古くから“聖なる場所”と伝えられる、いわばパワースポットだ。

 境内の社にも御神水が湧き出る場所がいくつかあり、持ち帰る人も多いとか。実はこの御神水は祇園祭に欠かせないもの。869年に都で蔓延した疫病を鎮めるために、宮中の祭祀の場である「神泉苑」が、水で浄めた八坂神社の神輿を迎え入れた「祇園御霊会」が始まりと言われている。しかし、コロナ禍の2年間は山鉾巡行が中止を余儀なくされてしまう。2022年、3年ぶりに山鉾巡行が再開したが、疫病を鎮めてほしいという人々の思いは、1000年以上経っても変わらず今も続いている。

貴船神社 京都の水源を守る『日本三大龍穴』のひとつ

 そして京都の東を守護する青龍にたとえられる鴨川の源流地、貴船山。ここに、不思議な力を信じて人々が足を運んできた水の秘境がある。平が訪れたのは水の神様が祭られる『貴船神社』。1300年以上の歴史を持つ、全国でも指折りの古社だ。夏は周辺のお店の川床へ涼を求め多くの人が訪れるが、冬の貴船神社は静寂に包まれ、凛とした空気が漂う。実は平、貴船神社には何度も足を運び、その度に御朱印をいただいているそう。

 貴船神社は鴨川の源流である貴船川沿いに社殿を構え、下流から上流に向けて、本宮・結社(ゆいのやしろ)・奥宮(おくみや)の三社が鎮座する。最上流の奥宮に、平安の人々が様々な祈りを捧げた特別な場所がある。「本宮、結社、奥宮と進むたびに空気が変わるのを感じて、背筋がスッと伸びます。冬の貴船神社は凛とした空気に包まれていて、神聖な場所がより清らかに感じられる気がします」と平は話す。

 実は奥宮の社殿の真下にも『龍穴』が存在している。全国に数ある龍穴のなかでも、貴船神社の奥宮の龍穴は『日本三大龍穴』に数えられ、強力な龍のエネルギーで心願成就できる聖地と信じられている。

錦市場 龍に護られた京都の地下水が支える食

 厳しい寒さで知られる京都。そんな京都の食もまた、特別な水に支えられている。池坊氏が歩くのは、京の台所・錦市場。ここで水と深いつながりのある錦市場で唯一のゆば製造販売店を訪ねる。

 1790年創業の『湯葉吉』の京ゆばは、京都の地下水と国産大豆だけを使い、伝統的な製法で作られる。“錦の水”と呼ばれるこの地下水によって、大豆の旨味が引き出されるのだとか。イートインスペースで、できたての「つまみゆば」を試食。濃厚な大豆の味わいに池坊氏も思わず「大ファンです」と笑顔。

 錦市場に近い『錦天満宮』の境内には、“錦の水”がくめる場所もある。

 さらに、錦の食材を愛する料理人を訪ね、日本料理『よこい』へ。どんな料理が出てくるのか。

雲龍院 1年かけて描いた14面の水墨龍

 京都の龍と水を巡る旅。最後にその集大成といえる場所に平が赴く。名前に“龍”の字を持つ泉涌寺の別院『雲龍院』。かつて境内にあった大きな池に龍が棲んでいたという伝承を持つ、まさに龍づくしの寺だ。

 まずは左右見る方向で表情が違って見える『衝立(ついたて)の龍』が迎える。

 2017年に新たに見どころとして加わったのが、『龍淵(りゅうえん)のさやけし』という名の水琴窟。その昔、雲龍院の境内に大きな池があり、忠臣蔵で知られる大石内蔵助が龍のすみかである『龍淵』と名付けたことにちなんでいる。水琴窟の音色は龍の息吹をイメージしているのだとか。

 そんな雲龍院の本堂、龍華殿にはこの冬特別に公開されている驚きの龍がある。水墨作家・堂野夢酔(どうのむすい)が14枚の襖に1年をかけて描いた襖絵『双龍風雷図』。見事な作品に平も圧倒されている様子。そして、平を待っていたのは、池坊氏だ。

華道家・池坊専宗氏が冬の京都を作品に投影

 番組のラストでは池坊氏が雲龍院にて“いけばな”を実演。千年にわたり、京都人の祈りを受け止めてきた“龍”、都の暮らしを支える“水”……作品に込めた思いが明かされる。

 最後に今回の冬の京都旅の感想を2人に聞いた。
 「いにしえの時代から龍が人々を守ってくれていること、豊かな水が京都の食文化を地面から支えてくれることを知り、ますます京都の奥深さを知ることができました。夏や秋の賑わいもいいですが、静まった冬の京都の雰囲気は元々私は好きです。静かな心持ちで、神社仏閣や人々の暮らしを肌で感じられるのではないでしょうか」(池坊氏)。

 「昇り龍、降り龍と言われるように、龍は強力なパワーを持つ守り神。これまで以上に、丁寧に敬意を持って崇めたいと思いました。寒さが厳しい京都ですが、雪景色の神社仏閣を巡った後に、温かい京の食を味わうと心までポカポカに。この季節だけの美しい景色や、美味しい食べ物に出会いに、ぜひ京都に来ていただきたいです」(平)。

 『冬の京都2024〜龍が棲まう千年の都〜』はBS11にて2024年2月7日(水)後7:00〜8:30放送予定。

 『京都を知るならBS11』のキャッチコピーを打ち出し、京都の魅力を深く知る番組を数多く放送しているBS11は、BSの視聴環境があれば全国で無料視聴可能だ。魅力満載の冬の京都を、一緒に旅するような気持ちでぜひご覧いただきたい。

supported by 日本BS放送株式会社【BS11】

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