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『マイ・エレメント』鑑賞者のリアルな声で検証する「お値段以上!」の理由

 ディズニー&ピクサー映画史上最もロマンティックな物語『マイ・エレメント』。8月4日より劇場公開され、初日から3日間の興行収入は3億3699万6859円、動員25万4932人を記録し、週末動員ランキング3位、洋画作品ではNo.1の大ヒットスタートを切った。

 先に公開されたアメリカ(6月16日)やそのほかの多くの国や地域でも公開後に、鑑賞者の口コミによって評判が広がり、興行成績を伸ばしている本作。オーストラリアや韓国では前週比約+40%を記録するなど、世界10ヶ国以上で前週を大きく上回った。口コミで広がっていく映画にハズレなし。日本の観客の反応は? 公開初日、東京にあるグランドシネマサンシャイン 池袋で鑑賞後の観客に突撃取材を敢行した。

『マイ・エレメント』とは?

 『トイ・ストーリー』の“おもちゃの世界”、『モンスターズ・インク』の“モンスターの世界”、『ファインディング・ニモ』の“海の中の世界”、『インサイド・ヘッド』の“頭の中の世界”、『リメンバー・ミー』の“死者の世界”など、ユニークでイマジネーションあふれる[もしもの世界]を舞台に数々の感動的な物語を観客に贈り届けてきたディズニー&ピクサー。

 これまで20年以上に渡って数々のピクサー作品に携わってきたピクサー・スタジオの重鎮ともいえるピーター・ソーン監督が、[もしも火・水・土・風のエレメントの世界があったら、どんな性格で、どんな暮らしをしているのか、どうやって触れ合う事ができるのか?]という史上最もチャレンジングな“もしもの世界”を描いたのが『マイ・エレメント』です。

主人公は<火>と<水>、正反対の性質を持つ2人

 火・水・土・風――色鮮やかな4つの“エレメント(元素)”たちが暮らすエレメント・シティ。この美しい街には、ひとつだけルールがある。それは“違うエレメントとは関わらない”こと――。

 シティのはずれにあるファイアタウンに暮らす<火>の女の子エンバーは、大好きな父の雑貨店を継ぐことを夢見て、店の手伝いを毎日頑張っていた。だが、小さなことでもすぐアツくなってしまう彼女はいつも失敗ばかり。

 そんなある日、エンバーはある出来事をきっかけに、自分とは正反対の<水>の青年ウェイドと出会う。最初はぶつかってばかりの2人だったが、ウェイドと過ごすことで世界の広さに触れたエンバーは、知らない世界をもっと知りたくなっていく。そんな中、エレメント・シティを揺るがす大きな事件が起きる。

本来であれば関わり合えない2人が起こす“奇跡”に感動の嵐

 上映後、10組20人に話を聞いた中、最も多かった感想が、エンバーとウェイドが起こした “奇跡”に感動したというものでした。

<みなさんの声>
●交わることのない2人が触れ合おうとするシーンが一番グッときました。

●水と火が触れ合う瞬間。いままで絶対にありえないと言われていたことが、少しずつ心を通わせながら達成されるところで涙があふれかえってしまいました。

●手を合わせるところがあったじゃないですか、そこで感動してちょっとうるってきました。

 火と水、下手したらお互いを消してしまいかねない正反対の2人。これまでずっとファイアタウンにいたエンバーは、ウェイドと出会ったことで、テリトリーの外へ足を踏み出します。心やさしいウェイドはエンバーを放っておけなかったのでしょう。エンバーをデートに誘います。少しずつ心の距離を縮めていく2人ですが、物理的には触れ合えない、大きな障壁がありました。特にエンバーは「ウェイドが蒸発したり、私が消えちゃったりするかもしれないし…」と、その手を合わせることを躊躇します。そんな彼女に対し、ウェイドはあきらめることなく「とにかくやってみよう。悲惨なことになったら、結ばれない運命だってわかる」とやさしく歩み寄るのです。

ウェイドは彼氏にしたい男 No.1

 「ウェイドがすごくいいキャラしてて…。泣いちゃった、マジで」と感想を語ってくれたのは、15歳の男子高校生。エンバーに新たな世界を見せ、彼女自身が持つ可能性を見出していくウェイドのキャラクターが印象に残ったようです。

<みなさんの声>
●声(吹替:玉森裕太)とキャラクターがとても合っていて、癒されました。ウェイドの涙もろいところがかわいかった。

●ウェイドの優しさに心打たれました。

●ウェイドみたいな彼氏がほしいです

●2人が手と手を合わせようとしたとき、ハラハラドキドキしながら観ていました。「とにかくやってみよう」「失敗してもいいから」とエンバーに寄り添うウェイドの姿勢は自分も見習いたいな、と思いました。

 ウェイドは、涙もろくてやさしくて自由な心を持つ青年。エレメント・シティの検査官として働いており、真面目で責任感が強いため、エンバーの両親の店の不具合を見逃せず、違反切符を切ってしまうのですが、人の気持ちを汲み取ることができるやさしい心の持ち主ゆえに、エンバーの家族の事情を知るや自ら、違反切符の無効を求めて走り回ります。“違うエレメントと関わらない”という固定観念にもとらわれないウェイドだったからこそ、エンバーもひかれていったのでしょう。

老若男女に刺さる自分の新たな可能性を見つける物語

 エンバーは父からの信頼を得て、いつか一人で店を任せてもらうことが夢だと思っている頑張り屋さん。エンバーのお父さんも最近、身体にガタがきていることを自覚し、早くエンバーに店を譲りたいと考え、エンバーが一人前になる日を心待ちにしていました。ウェイドと出会って本当にやりたいことを考え始めるエンバーですが、そう簡単にこれまでの夢を捨てることができません。そんなエンバーと自分を重ね、自身の可能性について改めて目を向ける機会にもなったようです。
<みなさんの声>
●今、無職なんですけど、やりたい仕事を探していて、エンバーが「私の本当にやりたいことって?」と考え始めるところの気持ち、わかるなって思いました。なんか自分のことなのに、意外と自分が理解していないことってあるんだな、と思って。ウェイドみたいな人と出会えたエンバーがちょっとうらやましく感じました。

●パティシエとして働いているんですけど、パティシエになろうと決めるまで、私もいろいろな人と出会ったり、体験したりして、それでやっぱりパティシエになりたいって思って、親に緊張しながら伝えたことを思い出しました。

<みなさんの声>
●親とぶつかることもあるのですが、やっぱり自分に素直になって伝えていくこともすごく大事だなと思いました。

●私はエンバーの両親に感情移入しちゃいましたね。子どもに期待しちゃうこともいっぱいあるんですけど、押し付けになっちゃってないかな、親に遠慮して言えないことあるんじゃないかなって、すごく考えさせられました。私自身の両親はすでに亡くなっているのですが、そういえば、親に言えなかったことがあったなって思い出してしまって、映画を観ながら涙が出ちゃいました。

<みなさんの声>
●エンバーが夢を迷うところが今の自分と重なりました。自分がやりたいと思っているとが、本当に自分に合っているのか、ちょっと考え直すいい機会になりました。

●両親が将来的になってほしいことと私がしたいことがちょっと違っていて、実家からよく連絡がくるのですが、この映画を観てよかったなと思うし、親にも観てもらいたいです。

●親は自分のやりたいことやっていいよ、って言ってくれるのですが、お父さんに本当のことをなかなか言えなかったエンバーの気持ちもわかるな、って思いました。

多様性が求められる時代だからこそ響く

 本作は、エンバーとウェイドのラブストーリーを中心に、現代社会が抱える課題や普遍的なトピックもちりばめられており、感想の中でその点を指摘する人もいました。

<みなさんの声>
●違うエレメント同士でも心を通わせればわかり合える。今の時代に響くところがあるなと思いました。

●<水>のエレメントの人たちの柔軟さはすごく素敵だと思いました。もし、コミュニティーの中で疎外感を感じて悩んでいるような人に観てほしい。すごく刺さると思います。

●多様性が求められている今の社会を反映しているようにも、普遍的なことを描いているようにも感じました。

●エンバーのお父さんの世代が、肩身の狭い思いをしながら、店を開いて、今の暮らしを築き上げたというのがあって、ほかのエレメントと関わることをすごく拒絶していたんですけど、エンバーとウェイドが心を通わせることで、かたくなだったお父さんたちの気持ちもほぐれていくところが、なんかいいな、と思いました。

 人は生まれ育った環境や、家族や周囲の期待と自分のやりたいこととのギャップで悩んだり、自分で自分の可能性に限界を設けてしまったりしがちです。わずか20人の中にも、今の自分にドンピシャと感じる人、かつての自分を思い出した人がいました。

 実はこの物語は、かつて韓国からニューヨークへやってきて、ブロンクスで食料品店をオープンし、その地での生活を作り上げたピーター・ソーン監督の両親の経験が色濃く投影されています。個人のリアルな経験をもとに「普遍的な物語」を創り上げたからこそ、多くの人の心に響いているのかもしれません。

映画館で観るべき理由

 当然かもしれませんが、取材に協力してくださった皆さんはこの映画に「きわめて満足」して、ほかの人にも鑑賞を「ぜひすすめたい」と答えました。

<みなさんの声>
●『マイ・エレメント』面白かった。

●お値段以上の作品! きょうはこの後、ずっとこの映画の話をしてると思う。

●普段、ディズニーやディズニー&ピクサー作品あまり見ない人にもおすすめしたいです。

●全人類に見てほしい、と思うくらいすごくいい作品でした。

●大切な人と見てほしい。次は旦那と見にこようかな、と思いました(この日は友人と鑑賞)。

●進路に悩んでいる妹を連れて、もう1回観ようかな、と思います。

●友達同士でも、恋人同士でも、親世代、おじいちゃんおばあちゃん、ちっちゃい子も世代を問わず楽しめる内容だなって思いました。

●映像がすごく凝ってて映画館で観る価値があると思いました。

 また、ほとんどの人が「映像がきれい」「もともとディズニー&ピクサーの作品が好きなのですが、今回の作品が一番かわいいと思いました」と、ビジュアルにも魅了されていました。本作では、各エレメントの特徴や能力が反映されたキャラクター、その生活様式や暮らしぶりが、とにかくユニーク。さらにそれぞれのエレメントの世界観ごとに画のタッチや味わいを変えており、「映像がすごく凝っている」と感じるゆえん。火の揺らめきや、透き通って泡が浮く水など、これまでのアニメーション表現の限界に挑戦した映像だからこそ、「映画館で観る価値がある」とおすすめできるのです。

監督:ピーター・ソーン(『アーロと少年』)
プロデューサー:デニス・リーム(『カーズ2』、『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』)
日本版声優:川口春奈(エンバー)、玉森裕太(ウェイド)、MEGUMI(ゲイル)、伊達みきお(ファーン)
日本版エンドソング:Superfly「やさしい気持ちで(マイ・エレメントver.)」
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
公開日:2023年8月4日
(C)2023 Disney/Pixar. All Rights Reserved
提供:ウォルト・ディズニー・ジャパン

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