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速水奨、ヒプマイ3年ぶり待望の2ndアルバムに「18人が初めて結集、お“耳”逃しなく」

 2017年にプロジェクトがスタートした、音楽原作キャラクターラッププロジェクト「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-」(以下、ヒプマイ)。ZeebraやKREVAなどのヒップホップアーティストが楽曲提供するCDの発売を皮切りに、声優がリアルにラップを繰り出すライブが話題となり2018年に社会現象となった。その後2019年に舞台化、2020年にはゲームアプリ、TVアニメへと展開し、現在は総勢18人がメインキャラクターを務める。初期から神宮寺寂雷役としてコンテンツを牽引してきた速水奨は、ヒプマイにどんな思いを寄せているのか。6月15日に発売となった2ndフルアルバム『CROSS A LINE』の魅力や自身のヒップホップ観など話を聞いた。

まさか自分に火の粉が降りかかるとは思っていなかった

――2ndアルバム『CROSS A LINE』は、3年ぶりのフルアルバムとのこと。

速水奨出ると話を聞いた時は、すごく楽しみな気持ちでした。ファンの皆さんが心待ちにしてくださっていた作品ですし、18人全員が揃うのもアルバムとしてはこれが初めてなので、やっと全員が集結することができて、×18ではなくそれ以上に力が広がったとてもいいアルバムができたと思います。ただ僕個人としては、新曲のレコーディングは毎回気が重くて(笑)。

――速水さんほどのベテランでもラップは難しいと。

速水奨曲を重ねるたびに、難易度がどんどん上がっていくので、どんなにがんばっても追いつけなくて。ただ、そんな後ろ向きなことばかりも言っていられません。麻天狼(※)のリーダーとして存在感を示さなければいけないので、そうなれるようにしっかりがんばろうと思って臨みました。

※麻天狼/まてんろう…シンジュク・ディビジョンのチーム名。麻天狼をはじめ6チーム18人のキャラクターが登場する

――最初にラップしてくださいと話を聞いた時は、どう思ったのですか?

速水奨うちの事務所の新人も関わっていますが、まさか自分に火の粉が降りかかるとは思っていなくて。「速水さんもラップしてください 。大丈夫です」と言われた時は戸惑いましたが、「大丈夫、大丈夫」と言われて、頑なだった僕の心が1枚ずつ剥がされていって、気がついたらステージに立っていました。“大丈夫大丈夫サギ”です(笑)。

――約5年ヒプマイに関わってきて、ヒップホップやラップというものに対するイメージみたいなものは変わりましたか?

速水奨変わったと言うか、こんなに言葉を巧みに扱うことができるのかと、毎回驚かされています。日常では使わないけど確かにある言葉で、しかも強いインパクトがある言葉を創造されている。いわゆるダジャレとは違って、韻を踏んだその先に、心の中や底にあるものが表出していて、それが本当にすごいです。僕はヒップホップに詳しくありませんけど、今作にも『SUMMIT OF DIVISIONS』にはスチャダラパーさん、『シンクロ・シティ』にはDJ HASEBEさんなど参加してくださっていて、そうしたラップのプロの方に関わっていただけているのは、本当に光栄なことだと感じています。

個性が粒だって、魅力がコンデンスされた表題曲『CROSS A LINE』

――『シンクロ・シティ』は、速水さんがキャラクターボイス(CV)を務めている神宮寺寂雷(じんぐうじじゃくらい)がリーダーを務めるチーム“麻天狼”の新曲です。日曜の昼下がりといった雰囲気の曲ですね。

速水奨『シンクロ・シティ』は、麻天狼メンバーの神宮寺寂雷、伊弉冉一二三(いざなみひふみ/CV:木島隆一)、観音坂独歩(かんのんざかどっぽ/CV:伊東健人)3人それぞれの着飾らない日常がテーマになっています。僕としては、ラップというものは歌うのではなく演じるものだと思っているので、自分たちのキャラクターの肉付けとか、日々どんなことを考えているのかとか、そういったものが『シンクロ・シティ』にはリアルに表現されていたので、とても演じやすかったです。

――寂雷にもこういった休息の時間があるんだなと、キャラクターの新たな一面を知ることができて新鮮でした。

速水奨寂雷もそうですし、伊弉冉一二三はこうで、観音坂独歩はこうと、すごく分かりやすくなっていますね。それにとても素敵なワードが満載されていて、例えば〈朝の摩天楼 ふもと そろりwalkin’〉とか。特に〈摩天楼 ふもと〉というのが、すごくいいな〜と思います。

――また、アルバム表題曲の『CROSS A LINE』は、18人全員で歌っています。

速水奨『CROSS A LINE』はフック(サビ)がいいですね。良い意味で軽さがあります。18人で歌っているんですけど、大勢で歌っているという感じではなく、想いが集結している感覚で、とてもすてきなフックになっていると思います。一人一人のパンチラインもすごくいい。アニメやゲームの中で際立つキャラクターとは別に、ラップの中から出てきた山田一郎(CV:木村昴)、波羅夷空却(はらいくうこう/CV:葉山翔太)、碧棺左馬刻(あおひつぎさまとき/CV:浅沼晋太郎)といったキャラクターの際立ち方が、どんどん明確になってきて、この『CROSS A LINE』でそれが結実したなと感じます。ほかのキャラクターもみんな個性が粒だっていて、魅力がコンデンス(凝縮)された1曲です。

――ラップは韻を踏むことももちろんですが、滑舌と声色の世界という側面もあり、その部分では声優の腕の見せどころだと思います。特に寂雷のラップは非常に独特で、低音で一定のトーンをキープしていくようなあのスタイルは、どのように生み出されたのですか?

速水奨あれは寂雷のソロ曲『迷宮壁』の頃からの積み重ねもありますし、どうやったらより寂雷になるかということを作家の皆さんが導いてくださっています。最近よくもらうディレクションとしては、「もっと寂雷っぽく」というもので。何度も同じフレーズを繰り返し録っていると、その中で機械的になってしまう瞬間があって。「それは寂雷じゃない」と言われ、「今は自分の中で、言葉がただの音符になっていたな」と気づかされることがあります。

18人誰一人として手を抜かない尊さに、自分もかくあらねばと

――『CROSS A LINE』には、一線を越えるなど○○を越えるといった意味がありますが、何か“越えた”ものはありますか?

速水奨2年ぐらい筋トレしているんですけど、それまでできないと思っていた重量を上げられたり引っ張れたりした時に、年齢に関係なく肉体は“越えて行くんだ”と実感します。それこそヒプマイの『パーティーを止めないで』という曲があって、木島くんの歌に合わせて僕と伊東くんがずっとジャンプするんですけど、最初にパフォーマンスした時はすごく大変で、「これは鍛えなきゃ」と思って鍛え始めたんです。おかげで、次にその曲をパフォーマンスした時は全く平気で息切れもしませんでした。

――速水さんはヒプマイのライブにも最初から出ていますが、ライブはいかがですか?

速水奨他の17人の頑張りを間近で見ることは、刺激になっています。ステージの上ではみんな平気な顔でラップしていますが、楽屋ではみんなギリギリまで必死で練習しているんです。努力の仕方やリハでの追い込みのかけ方は、18人それぞれですけど、誰一人として手を抜いていないのがとても尊いことだなと思って、自分もかくあらねばと思っています。

――ちなみにヒプマイ以外のヒップホップやラップはほとんど聴かないそうですが、普段はどういう音楽を聴くのですか?

速水奨お酒を飲みながら、ボサノヴァやジャズを聴くことが多いです。昔からジャズヴォーカルが好きで、サラ・ヴォーン、エラ・フィッツジェラルドなど。サックスプレーヤーのジョン・コルトレーンも聴きます。あと最近は、昭和歌謡もいいなと思って。皆さん素晴らしく歌が上手くて、言葉がちゃんと届いてくる感覚がとても心地いい。改めてすごさを感じたり、発見がすごくたくさんあります。

――最後に、読者に向けて一言お願いします。

速水奨18人が初めて結集し、さらに想いを一つにして、また新しいシーンに向かっていきます。今後も“お耳”逃しなく、ヒプマイを応援してください。

撮影/逢坂聡 取材・文/榑林史章

ヒプノシスマイク 2nd ALBUM『CROSS A LINE』

  • 初回限定盤ジャケット

    初回限定盤ジャケット6,380円(税抜5,800円)

  • 通常盤ジャケット

    通常盤ジャケット3,300円(税抜3,000円)

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▼ヒプノシスマイク公式サイト
https://hypnosismic.com/
▼ヒプノシスマイクABEMA特別番組
https://abema.tv/channels/special-plus/slots/BYB8eN8rdTrzij
▼ヒプノシスマイク公式Twitter
@hypnosismic
▼ヒプノシスマイク公式TikTok
https://www.tiktok.com/@hypnosismic_drb

INFORMATION

ABEMAにて6月25日(土)夜7時から、特別番組『ヒプノシスマイク NO TICKET LIVE 3時間生放送!CROSS A LINE SP』が独占生放送!6ディビジョン18人の声優キャストが全員集結し、歌唱ライブやトークを3時間にわたり完全無料で生放送。
放送をチェック!
▼ヒプノシスアベマ公式(HYPNOSISMIC on ABEMA)
@HYPNOSIS_ABEMA
Sponsored by KING RECORDS

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