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笠松将、『青天を衝け』『岸辺露伴〜』『ムチャブリ!』出演作が目白押し「チャンスでもあり、ピンチでもある」

笠松将 (C)ORICON NewS inc.

笠松将 (C)ORICON NewS inc.

 いよいよクライマックスを迎えるNHKの大河ドラマ『青天を衝け』(毎週日曜 後8:00 総合ほか)で、主人公・渋沢栄一の孫・渋沢敬三役(第40回・第41回)を演じた笠松将(29)。ドラマ、映画などへの出演依頼が殺到する今、最も旬な俳優の一人だが、実は、エキストラからはい上がってきた、たたき上げ。話題作への出演が目白押しの今を「チャンスでもあり、ピンチでもある」と語る。

 大河ドラマは2作目。2018年『西郷どん』(第39回)では、腐敗した明治新政府への抗議の切腹で命を散らす横山安武を演じて強い印象を与えた。『青天を衝け』では、75 歳の祖父・栄一から跡継ぎを懇願されて、自身の生き方を模索する若者を演じる。“渋沢栄一”の物語をある着地点に導く重要な役どころだ。

大河ドラマ『青天を衝け』より(C)NHK

大河ドラマ『青天を衝け』より(C)NHK

 「チャンスでもあり、ピンチでもあると思って撮影に臨みました。最後にしっかり締められるのか。皆さんが長い時間をかけて作ってきた作品を台無しにしてしまわないか、視聴者の方にもそう思われたらどうしよう、といった雑念が生じました。光栄だけど、光栄すぎて怖い。国民栄誉賞を打診され、辞退した大谷翔平さんの気持ちをつい想像する、みたいな。いや、大谷さんとは全然違うか…(笑)」

 シャープな印象を与えるルックスで、寡黙そうなイメージを勝手に抱いていたのだが、「こういう顔なので初めて会った人には『意外』と言われますけど、実は根はめっちゃ明るくて、おしゃべりです(笑)」。

 荒木飛呂彦原作の漫画を高橋一生主演でドラマ化し、昨年放送された『岸辺露伴は動かない』(NHK・総合)の続編である第4話「ザ・ラン」(27日 後10:00)にもメインのゲストキャラ・橋本陽馬として登場する。

ドラマ『岸辺露伴は動かない』第4話「ザ・ラン」(2021年12月27日放送)より(C)NHK

ドラマ『岸辺露伴は動かない』第4話「ザ・ラン」(2021年12月27日放送)より(C)NHK

 「サッカーのワールドカップの決勝のピッチに立つ選手たちは、それまで頑張ってきたことが報われた、夢が叶って幸せだ、という気持ちもあると思うけど、それ以上に大きなもの、国民の期待とか、ワールドカップ後の自分の人生とかを背負って戦っているだろうな、って思うんです。だいぶ次元は違うけど、僕にとっては『青天を衝け』も、人気漫画が原作で、昨年のドラマの評判が良かった『岸辺露伴は動かない』も、ある種の圧を感じる作品でした。どんな反響があるかによって、自分の運命が変わってくるかもしれないと思えるくらいに。だから、今、テレビをご覧になる方に言えるのは、『お手柔らかにお願いします』ということだけですね」

ドラマ『岸辺露伴は動かない』第4話「ザ・ラン」(2021年12月27日放送)より(C)NHK

ドラマ『岸辺露伴は動かない』第4話「ザ・ラン」(2021年12月27日放送)より(C)NHK

 高校生の時にスカウトされたことがあり、2011年に俳優を目指して愛知から上京。バイトをしながらフリーのエキストラからはじめ、どうすれば芸能事務所に入れるか、どうすれば役をもらえるか、実現すべく自ら考え行動してきた。13年公開の映画『生贄のジレンマ』への出演を皮切りに、多数の作品に出演するようになり、18年には、連続ドラマ・映画合わせて18 本に出演、20代男性俳優で1位(対象期間:18年8月1日〜19年7月31日)になったこともある。

 「つらくて逃げ出したい、やめたい、と思ったことはありましたが、続けてこられた一番大きな理由は、おばあちゃんが『うちの孫は俳優をやっている』と自慢に思ってくれていて、テレビにちょっと映っただけでもめちゃくちゃ喜んでくれるんです。ドラマは全部見てくれるし、映画館にも行ってくれる。おばあちゃんに『見たよ』『良かったよ』と言ってもらえるだけで頑張ってこれました」

 おばあちゃんを含む家族から愛されている心強さが彼の原動力だったとは、聞いてみなければわからなかったこと。ただ、最近は「家族が喜んでくれるから」だけではないモチベーションに奮い立っているようなのだ。

自分自身が、面白いと言ってもらえるコンテンツに

笠松将 (C)ORICON NewS inc.

笠松将 (C)ORICON NewS inc.

 「自分からもっと湧き出るもの、現場で起こる化学反応みたいなものを作品に昇華させられる人になっていかないと。僕が『うわぁ、かっこいいな』と思って最初に目指した俳優のイメージは、すでに僕の中ではかっこいいものじゃなくなっていて、 “俳優2.0”みたいなものを目指したい。俳優であることの認識が変わるような作品と人との出会いが、2021年にはありました」と振り返る。

 一番大きかったのは、『TOKYO VICE』(WOWOWとアメリカの動画配信サービス・HBO maxが共同制作するドラマ)に参加したこと。マイケル・マン監督や日米の共演者、スタッフと接する中で気づかされることがたくさんあったという。

 「英語という言葉の壁もありましたけど、いろんなことに気づくということは、壁にぶち当たっていたということでもあって、撮影中は正直、大変でした。毎日、泣いてたくらいに(笑)。それでも、なんとかやり遂げて、今となっては『余裕だった』と言いたいし、そう思える。俳優って、一流の人たちと会える仕事なんだな、と思ったし、むしろ、一流の人たちしかいないじゃんって。だから、ちょっとした会話もめちゃくちゃ面白いですし、その人たちの立ち居振る舞い、仕事に対する姿勢を目の当たりにするだけで、勉強になる。そういう現場に居られる自分になりたいと思いました。自分自身が、面白いと言ってもらえるコンテンツになりたい」。

笠松将 (C)ORICON NewS inc.

笠松将 (C)ORICON NewS inc.

 『君と世界が終わる日に』(日本テレビ・Hulu)では、竹内涼真や中条あやみ、飯豊まりえら同世代のキャストから「すごく学ぶことが多かったです。みんなで支え合っていた現場というか、僕は支えてもらってばかりだったんですが、すごく温かい、優しい、これからも大切にしたい気持ちをもらえた」そう。

 ドラマ『岸辺露伴は動かない』(NHK・総合)では、「より良いものをつくるために妥協がない現場で、すごく安心できたんですね。俳優の僕は何ができるのか、ということをずっと考えてきたけど、そう思うことは間違っていなかったんだ、今後もそうしていこう、と思うことができました」。

 2022年は、1月スタートの連続ドラマ『ムチャブリ! わたしが社長になるなんて』(日本テレビ)にレギュラー出演。長編映画としては3作目の主演作『リング・ワンダリング』(2月19日公開)も控える。『君と世界が終わる日に』は、Season3が2月25日よりHuluで独占配信、『TOKYO VICE』も春にWOWOWで放送・配信予定だ。

 「これからも俳優をやっていくとして、いろんな人に『笠松が出てるんだったらぜひ観たい』と思ってもらいたい。映画は毎回満席で、ドラマの視聴率100%、Netflixの作品に出るとなったら国民全員会員になるみたいな。そんなの絶対無理だけど、そんなの誰だって無理だけど、それくらい見てもらえる人を目指したい。それくらい心の底からこれ見てくださいって本気で言える作品を作りたい。そのために僕自身がやることと言ったら一つ、一つ、全力でやる、それしかない。そういうことにこのタイミングで気付けてよかったと思っています」

映画『リング・ワンダリング』2022年2月19日公開

 漫画家を目指す草介(笠松将)は、絶滅したニホンオオカミを題材に漫画を描いているが、肝心のオオカミをうまく形にできず前に進めない。そんなある日、バイト先の工事現場で、逃げ出した犬を探す不思議な娘・ミドリ(阿部純子)と出会う。転倒しケガをしたミドリを、彼女の家族が営む写真館まで送り届けるが、そこはいつも見る東京の風景とは違っていた…。草介はミドリとその家族との出会いを通じて、その土地で過去に起きたことを知ることになる。東京の土地に眠る、忘れられた人々の想いがよみがえる、幻想譚。
笠松将
阿部純子  片岡礼子  品川徹  田中要次
安田顕 | 長谷川初範
監督:金子雅和
脚本:金子雅和 吉村元希
劇中漫画:森泉岳土
音楽:富山優子

公式サイト:ringwandering.com
(C)2021 リング・ワンダリング製作委員会

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