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笠松将、『青天を衝け』『岸辺露伴〜』『ムチャブリ!』出演作が目白押し「チャンスでもあり、ピンチでもある」
大河ドラマは2作目。2018年『西郷どん』(第39回)では、腐敗した明治新政府への抗議の切腹で命を散らす横山安武を演じて強い印象を与えた。『青天を衝け』では、75 歳の祖父・栄一から跡継ぎを懇願されて、自身の生き方を模索する若者を演じる。“渋沢栄一”の物語をある着地点に導く重要な役どころだ。
シャープな印象を与えるルックスで、寡黙そうなイメージを勝手に抱いていたのだが、「こういう顔なので初めて会った人には『意外』と言われますけど、実は根はめっちゃ明るくて、おしゃべりです(笑)」。
荒木飛呂彦原作の漫画を高橋一生主演でドラマ化し、昨年放送された『岸辺露伴は動かない』(NHK・総合)の続編である第4話「ザ・ラン」(27日 後10:00)にもメインのゲストキャラ・橋本陽馬として登場する。
「つらくて逃げ出したい、やめたい、と思ったことはありましたが、続けてこられた一番大きな理由は、おばあちゃんが『うちの孫は俳優をやっている』と自慢に思ってくれていて、テレビにちょっと映っただけでもめちゃくちゃ喜んでくれるんです。ドラマは全部見てくれるし、映画館にも行ってくれる。おばあちゃんに『見たよ』『良かったよ』と言ってもらえるだけで頑張ってこれました」
おばあちゃんを含む家族から愛されている心強さが彼の原動力だったとは、聞いてみなければわからなかったこと。ただ、最近は「家族が喜んでくれるから」だけではないモチベーションに奮い立っているようなのだ。
自分自身が、面白いと言ってもらえるコンテンツに
一番大きかったのは、『TOKYO VICE』(WOWOWとアメリカの動画配信サービス・HBO maxが共同制作するドラマ)に参加したこと。マイケル・マン監督や日米の共演者、スタッフと接する中で気づかされることがたくさんあったという。
「英語という言葉の壁もありましたけど、いろんなことに気づくということは、壁にぶち当たっていたということでもあって、撮影中は正直、大変でした。毎日、泣いてたくらいに(笑)。それでも、なんとかやり遂げて、今となっては『余裕だった』と言いたいし、そう思える。俳優って、一流の人たちと会える仕事なんだな、と思ったし、むしろ、一流の人たちしかいないじゃんって。だから、ちょっとした会話もめちゃくちゃ面白いですし、その人たちの立ち居振る舞い、仕事に対する姿勢を目の当たりにするだけで、勉強になる。そういう現場に居られる自分になりたいと思いました。自分自身が、面白いと言ってもらえるコンテンツになりたい」。
ドラマ『岸辺露伴は動かない』(NHK・総合)では、「より良いものをつくるために妥協がない現場で、すごく安心できたんですね。俳優の僕は何ができるのか、ということをずっと考えてきたけど、そう思うことは間違っていなかったんだ、今後もそうしていこう、と思うことができました」。
2022年は、1月スタートの連続ドラマ『ムチャブリ! わたしが社長になるなんて』(日本テレビ)にレギュラー出演。長編映画としては3作目の主演作『リング・ワンダリング』(2月19日公開)も控える。『君と世界が終わる日に』は、Season3が2月25日よりHuluで独占配信、『TOKYO VICE』も春にWOWOWで放送・配信予定だ。
「これからも俳優をやっていくとして、いろんな人に『笠松が出てるんだったらぜひ観たい』と思ってもらいたい。映画は毎回満席で、ドラマの視聴率100%、Netflixの作品に出るとなったら国民全員会員になるみたいな。そんなの絶対無理だけど、そんなの誰だって無理だけど、それくらい見てもらえる人を目指したい。それくらい心の底からこれ見てくださいって本気で言える作品を作りたい。そのために僕自身がやることと言ったら一つ、一つ、全力でやる、それしかない。そういうことにこのタイミングで気付けてよかったと思っています」
映画『リング・ワンダリング』2022年2月19日公開
阿部純子 片岡礼子 品川徹 田中要次
安田顕 | 長谷川初範
監督:金子雅和
脚本:金子雅和 吉村元希
劇中漫画:森泉岳土
音楽:富山優子
公式サイト:ringwandering.com
(C)2021 リング・ワンダリング製作委員会