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ブーム終焉から復活を遂げた『たまごっち』の25年、60億損失しても変えなかったルールとは

60億もの損失から学んだ「進化の必要性」 たまごっちが“去る演出”も時代と共に変化

 これまでも、2004年に赤外線通信を実装、2008年にはカラー液晶、2018年にはBluetooth通信を実装し、新しい「たまごっち」を生み出し続けてきた。再ブームを巻き起こした「かえってきた!たまごっちプラス」(2004年発売)の赤外線機能は、当時の小学生にとって、あこがれの機能だった。

 「しかし」と安田氏は続け、「改良を重ね、たまごっちが25周年を迎えられたのは、過去の失敗があったから」と話す。「96年に発売し大ブームとなった後、生産が需要に追いついた1998年後半、ブームの終息によって『たまごっち』の売上は低迷し、60億円もの損失を出してしまいました。どれだけヒットしたコンセプトや商品であろうと、現状に満足せず、時代に合わせて進化をさせるというところは、こういった経験から来ているのだろうなと感じています」
 当初から実装されていた“キャラクターが死んでしまう”機能にも変化がある。

「“お世話をサボるとたまごっちが死ぬ”というのが当初のお別れ演出でしたが、“置手紙を残して家出する”という演出に変更されていた時期もありました。近年は、死んでしまう演出に戻っていましたが、最新の『たまごっちスマート』では、初めて“死ぬ”と“家出”両方のお別れパターンがあります。たまごっちとの関わり方によって、エンディングが色々あっても良いな…と思い、本作から取り入れてみました」

“死ぬ”演出は、子どもたちにとっては少々ショッキングな仕様であり、SNSでは「子どもにしては重い」「子どもが号泣していた」という声の他に、「命の大切さや、ペットを大事にするということをたまごっちから学んだ」という声も寄せられていた。

「基本的には楽しく遊んでもらう玩具のため、教育的な要素を積極的に取り入れているわけではありません。しかし、実際に『ペットが欲しいという子どもに本物を飼う前の練習として購入した』といった声などはよく聞きます。本物のペットらしい遊びを追求している我々としては、たまごっちでそういった部分を感じてくれているのは嬉しいです」

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