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YUKI、約2年半ぶりのシングルをリリース 「新しい世界」にいざなう軽やかな音と言葉

 ソロ歌手のYUKIが24日にニューシングル「Baby, it’s you / My lovely ghost」をリリースした。シングル作品としては2018年の「トロイメライ」以来、約2年半ぶり。本作を皮切りに、2022年のソロデビュー20周年に向かって新たなスタートを踏み出すことになる。

スペシャルなリリースが相次ぎ…YUKIの様々な引き出しが開いた2年

 まずはここ数年のYUKIの活動を紹介しておきたい。2019年にはアルバム『forme』を発表。15周年記念シングルコレクション『すてきな15才』の約1年後にリリースされたこのアルバムには、吉澤嘉代子、西寺郷太、堀込泰行、前野健太、津野米咲、川本真琴、細野晴臣、尾崎世界観、Charaといった世代、ジェンダー、ジャンルを超えたアーティストが参加。奔放なコラボレーションによって、シンガー/作詞家としてのYUKIの進化を実感できる作品となった。また、アルバムを引っ提げた全国ツアーを開催し、パフォーマーとしての魅力を改めて証明した。

 2020年も刺激的なコラボレーションを展開。Charaとのユニット“Chara+YUKI”の活動を20年ぶり(!)に再開させ、シングル「楽しい蹴伸び」、アルバム『echo』をリリース。エレクトロ、オルタナR&B、ネオソウルなどのエッセンスを交えながら、お互いの尖ったポップセンスが存分に発揮された本作は、20年前を知らない若いリスナーの間でも大きな話題となった。さらに銀杏BOYZの「恋は永遠 feat.YUKI」にシンガーとして参加。「駆け抜けて性春」以来、15 年ぶりに銀杏BOYZ×YUKIの共演が実現した。

 15周年以降、多彩なアーティスト、クリエイターとのコラボや共演を繰り返しながら、シンガー/パフォーマー/作詞家/プロデューサとしてのセンスをさらに磨いてきたYUKI。その過程のなかで彼女は、本来のアーティスト性、そして、自分自身の新たな可能性に気付いたのではないだろうか。

 振り返ってみるとYUKIは、デビューシングル「the end of shite」(2002年)以来、常にポップミュージックの新たなスタイルを求め、才能溢れるクリエイターとともに自由な創造を続けてきた。日暮愛葉からはじまり、田中ユウスケ、蔦谷好位置といったヒットメイカーとともに生み出された楽曲――音楽的なトライアルと華やかなポップネスを共存させた――は一つの場所に留まることなく、刺激的な進化を繰り返しながら、日本の音楽シーンに鮮やかなインパクトを与え続けている。

新しいクリエイター陣とタッグ YUKIを形作る二大要素を凝縮した“両A面”シングル

「Baby, it’s you/My lovely ghost」ジャケット

「Baby, it’s you/My lovely ghost」ジャケット

 そして、彼女の最新のスタイルを示しているのが、そう、ニューシングル「Baby, it’s you / My lovely ghost」。この作品には一聴して彼女の楽曲だとわかる圧倒的なオリジナリティと、“こんなYUKI、聴いたことがない”という新鮮な驚きがナチュラルに同居している。“歌うYUKI”と“踊るYUKI”という、YUKIを形作る二大要素を両A面という形で凝縮したシングルだというのだ。

 「Baby, it’s you」の作曲はT-SK、Andrew Choi、Tesung Kim、編曲は久保田真悟(Jazzin’ park)と今井了介が担当。J-POP、K-POPで活躍するクリエイター陣だが、全員、YUKIとタッグを組むのはこれが初めてとなる。トラックの基調を担っているのは、アコースティックギターの穏やかな響き、そして、華やかなシンセサウンド。さらに心地よく跳ねるビート、ふくよかな低音を含んだベースラインとともに放たれるカラフルな歌声が耳に飛び込んできた瞬間、ポップスの魔法としか言いようがない気持ち良さが全身に広がる。(まるでヒップホップのような)独創的な“韻”とポジティブな意志が散りばめられた歌詞もきわめて魅力的だ。

 同曲は、10日にFM802で初オンエア。SNSでは「心ごと包まれて、まだ肌寒い感じも全て忘れちゃうようなさー。もう、愛だね!」「鳥肌が駆け抜けてた 涙がでたよ」と絶賛のコメントが数多く寄せられた。

 そして、ネオソウル、エレクトロファンクのテイストを取り入れた「My lovely ghost」は、YUKI流のダンスポップと称すべき楽曲だ。作曲は小木岳司、米澤森人、KISIMEN、編曲には前田佑と、若手のクリエイターを起用。現行のグローバルポップの潮流を親しみやすいJ-POPへと昇華したナンバーに仕上がっている。バウンシーなビートを乗りこなし、気持ちいいフロウを響かせるボーカルも絶品だ。

「Baby, it’s you」「My lovely ghost」の両曲から伝わってくるのは、“自分の殻に閉じこもるのではなく、自由な発想でどんどん外に出て行こう”というメッセージだ。2020年から始まったコロナ禍によって、世界中が未曾有となった現在。とりわけエンターテインメントは大きな被害を受けているが、この状況のなかでYUKIは、楽曲を通し、“従来の在り方に捉われることなく、自分を信じ、新しい世界に向かおう”とリスナーに呼びかけているのだと思う。

 軽やかな音と言葉がしなやかに舞い踊るニューシングル「Baby, it’s you / My lovely ghost」は、前述した通り、ソロデビュー20周年に向けたキックオフ。4月28日にはニューアルバム『Terminal』をリリース、5月22日からは全国ツアー『YUKI concert tour “Terminal G” 2021』をスタートさせるYUKI。ここから始まる<153cmのリアルファンタジー>(「Baby, it’s you」)は、日本中の音楽ファンの大きな注目を集めることになるだろう。

(文/森 朋之)
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