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大橋彩香をつくった5つの音楽 ロック・ダンス・声優……小学生で受けたリンキン・パーク“重低音の洗礼”

【水樹奈々】「雲の上の存在」声優アーティストとして目指すべき姿

――音楽ファンの鑑(かがみ)ですね! そして最後は水樹奈々さんを挙げていただきました。
大橋彩香ずっと目標にしている声優アーティストの第一人者ですね。歌手としても役者としてもトップレベルで、それをずっとキープされているのは本当にすごいことだなって。ライブも素晴らしいじゃないですか。難しい歌もしっかり歌いこなしているし、えげつないセットリストを完走して、演出もすごくて。私はまだお仕事でしっかりご一緒したことないんですけど、他の役者さんから「水樹さんは早起きして走ってるよ」「すごくアクティブなんだよ」という話を聞いて。私も体を作らなくちゃダメだと思って、トレーニングをがんばってるところです。

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――好きなアーティストから受けた影響を、すぐに行動に移すのは素晴らしいですね。水樹奈々さんはロックテイストの曲も多いですが、そこも惹かれている理由なのでは?
大橋彩香そうですね。ロックだけじゃなくてジャンルも幅広いし、楽曲の音域も広くて。水樹さんの曲オンリーって決めてカラオケで歌うこともあるんですけど、すごく疲弊します(笑)。バラードの説得力もすごいし……雲の上の存在ですね、やっぱり。水樹奈々さんに出会ってなければ、声優アーティストになりたいと思わなかったかもしれないし、本当に影響を受けています。

“カッコいい自分”も少しずつ……プロデュースの意識を強めた3rdアルバム

――では、ニューアルバム『WINGS』について聞かせてください。ヘヴィなロックからカラフルなダンスチューンまで、前作以上にバラエティーに富んだ作品だと思いますが、大橋さんにとってはどんなアルバムになりましたか?
大橋彩香『WINGS』というタイトル通り、ここからさらに羽ばたいていきたいという強い意思を込めたアルバムになりましたね。アーティストデビューして今年で6年目になるんですけど、去年の5周年を経て、「ここから再スタートを切る」という意味もあって。アルバムのリード曲『START DASH』には、さらに飛躍していくんだ!という気持ちが詰まっています。

――新しいことにチャレンジしたいという気持ちも?
大橋彩香ありましたね。デビュー当時は初々しすぎて、挑戦できなかったこともあるんですよ。たとえば、激しいロックも「いま歌っても説得力がないな」と思ったり。2ndアルバム『PROGRESS』からは挑戦したかった好きなジャンルの楽曲も増えてきて、今回の『WINGS』も「今はロックとEDMが好きで挑戦いたい!」ということが伝わる感じのアルバムになったかもしれませんね(笑)。

――後で振り返ったときも楽しいですよね。
大橋彩香あ、そうですね。「この頃は、こういう感じの音楽が好きだったな」って思い出せるというか。そのときにしか出来ない表現をしていきたいので。『START DASH』は――リスナーの皆さんにエールを送る元気な曲――という楽曲になっているんですけど、今までのエールソングより少し大人になった立ち位置から応援している今の年齢感だからこそ表現できる楽曲になっていると思います。

大橋彩香『START DASH』Official MV

――「こういうサウンドの曲を入れたい」というアイデアも出しているんですか?
大橋彩香だいぶ出すようになりました。それも『PROGRESS』からですね。最初の内は、プロデューサーの方にレールを敷いていただいて、その上を歩いていた印象があったんですが、最近はかなり意見も出すようになっていって。インタビューでもいろいろ話せるようになったし、制作に参加することは大事だなって思います。

――アルバムの新曲についても聞かせてください。『HOWL』はDECO*27さんの作詞・作曲によるアッパーチューンです。
大橋彩香もともとボカロの曲も大好きで、中学の頃は毎日「ニコニコ動画」をチェックしていたんですよ。DECO*27さんはかわいい曲からロックな曲までいろいろな楽曲を作られるんですけど、今回は「DECOさん節(ぶし)でお願いします!」という感じでした。大橋彩香のイメージに寄るというより、ボーカロイドが歌うような曲というか。実際『HOWL』は早口も盛り込まれているし、いろんな要素がある曲で。

――アップテンポだし、メロディーの起伏も激しくて。
大橋彩香歌うのは大変でした。「やばい、呂律(ろれつ)が回らん!」って(笑)。でも、声優なのでそこは負けたくないって思って頑張りました(笑)。ダウナーなラップも入ってるし、表情がコロコロ切り替わる曲で、めちゃくちゃ楽しかったです。

――e-ZUKAさん(GRANRODEO)が作曲、編曲を手がけた『MASK』はエッジの効いたロックナンバーですね。
大橋彩香カッコイイですよね! 私は普段、キーを高めに設定して声を張って歌うことが多いんですけど、『MASK』はわりとキーが低めで、ちょっと力を抜いて、斜に構えて歌ってるようなイメージで。低音を安定させるのは難しかったんですけど、新しい姿を見てもらえるかなって。とにかくオケがカッコいいんですよ、この曲。ギターもベースもドラムも神がかっていて、「これに負けないように歌わなきゃ!」って手に汗握りました(笑)。
――新しい挑戦が詰まった『WINGS』を作り上げたことで、この先の目標も見えてきたのでは?
大橋彩香カッコいい自分を表現するのは難しいですよね、やっぱり。まだちょっと照れがあるというか……。「明るく元気!」は得意なんですけど、陰の部分にも説得力を持たせたいなって。

――得意なことは活かしつつ、表現の幅も広げたいと。
大橋彩香はい。ファンの方は“明るく元気な大橋彩香”を好きでいてくれると思うので、そこはしっかり大事にしつつ、カッコいい表現も伸ばしていきたいなって。それをみなさんに定期的に見てほしいです。

――バランスよくご自身のことを見られてますね。
大橋彩香客観的に見ているところはあるかも。ファンのみなさんの意見もけっこうチェックしていて、「この意見は取り入れたほうがいいかな」みたいなことを考えてます。

――参考にすることもあるんですね。
大橋彩香もちろん。「自分がやりたいことをやる」という考え方もいいと思うんですけど、私はどちらかというと、みんなのために歌いたいタイプなので。みなさんの意見、しっかり見てますよ!(笑)
プロフィール

大橋彩香(おおはし・あやか)
1994年9月13日生まれ、東京都出身。アニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ』島村卯月役、『BanG Dream!』山吹沙綾役、『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』秋野かえで役、『THE GOD OF HIGH SCHOOL ゴッド・オブ・ハイスクール』ユ・ミラ役 などを務める。2014年にソロアーティストとしてもデビューし、2021年5月1日には千葉・幕張メッセイベントホールで自身初のアリーナ公演が控えている。
作品情報
大橋彩香 3rdアルバム『WINGS』(2020年12月16日発売)
リード曲にはいきものがかり水野良樹氏の提供楽曲である『START DASH』を収録。その他、DECO*27氏、e-ZUKA氏(GRANRODEO)による提供楽曲など全12曲入り。タイトルの通り、昨年のデビュー5周年を経てさらに羽ばたいていく大橋彩香を表現したアルバムとなっている。
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この記事について
この記事は、LINE初の総合エンタメメディア「Fanthology!」とオリコンNewSの共同企画です。
俳優・歌手・芸人・タレントらの趣味嗜好を深堀りしつつ、ファンの「好き」を応援。今後、さらに気になる人の「これまで」と「これから」をお届けしていきます。
⇒この記事をオリジナルページで読む(12月11日掲載)

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