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キーワードは“少女感” 田村芽実×赤澤える、新アルバム発売で融合した2つの才能
互いを尊敬しあい、 出会うべくして出会った2人
田村芽実高校を卒業する少しくらい前にLEBECCA boutiqueに出会って、心から大好きになったんです。私は顔と体が若干アンバランスというか、童顔なのに背が高いので似合うお洋服を見つけるのが難しいんですね。またその頃は体型や身長も落ち着いてきて、これ以上大きくは変わらないかな? という時期だったんですが、かといって大人の女性になったのかというと、違うなと思っていて──それは今も変わらないんですけど。
田村まずお洋服を好きになって、Twitterを見てディレクターのえるさんのつぶやくことに興味を持って、共通の友だちを通じてご飯を食べに行ったのが最初でした。えるさんといると勉強になることや、新しい発想が出てくることがたくさんあって、いっぱい話をしたいんだけど、一緒に過ごせる時間は短いからいつも早口になっちゃうんです(笑)。
田村のクリエーター気質を見越した 赤澤のクリエイティブ
赤澤ただ、それも普段からめいめいの表現に対する考え方や取り組み方、葛藤していることも含めてたくさん話をしてきたからできたことなんです。また彼女自身がものすごくクリエイター気質なことも知っていたので、私も仲のいいお友だちという関係性はいったん置いて創作に向き合いました。
田村衣装を着替えるたびに、えるさんが『めいめい、今は○歳だよ』みたいなことを言ってくれて。最初は5歳から始まって、最後は実年齢よりちょっと上くらいだったんですけど、えるさんの言葉が表現を引き出してくれたところは大きかったですね。
音楽、ステージ、アパレル… いつか2人でジャンルにとらわれないコラボを
田村もちろん大人の女性をイメージして書いてくださったのかな、という曲もあるんですが、私としては年相応の今の自分で歌ったつもりです。ただ私は自分でも扱いづらい人間だなと思ってて(苦笑)、自分の中の軸がゼロから100まで振り切ることが1日の中でも何度もあるんですね。でも幅の大小はあっても、女の子ってみんなそうなんじゃないかなと思っていて。『毎日女の子』や『無形有形』という曲にはまさにそんな女の子の捉えどころのなさが描かれているんですけど。
赤澤私はめいめいの年齢はとっくに超えているけど、そうやって今日と昨日で違う自分に戸惑ったり、それでもちゃんと向き合ったりしているところにすごく共感できましたね。「いちじく」だけじゃなくて、別の曲でもアートディレクションをしてみたいと思ったくらい、どの曲も大好きです。
赤澤「これやりたい!」って言い続けていれば、どこかで大人も聞いてるしね(笑)。
田村でも個人的には、いつか誰の手も借りずに2人だけの創作もしてみたいな。ジャンルにとらわれない本当にプライベートなクリエイティブを──。
赤澤いちじくで言ったら、私たちの関係性もまだ黄緑色。これからもっとたくさん話をして真っ赤に熟したら、そのときがきっと旗揚げだね。
文/児玉澄子 撮影/西岡義弘