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大躍進のあいみょん サブスク全盛期の時代に伝えたい「CDで届けることの大切さ」

 「2018年、一番目立ったアーティストは?」という質問をした際、多くの人が名前を挙げるのが女性シンガーソングライター・あいみょんではないだろうか。『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)『スッキリ』(日本テレビ系)、そして『NHK紅白歌合戦』など、数多くの地上波のテレビ番組に出演。またシングル曲「マリーゴールド」のロングヒット、「今夜このまま」が日本テレビ系ドラマ『獣になれない私たち』の主題歌に起用されるなど、コアな音楽ファンのみならず、大衆にもその名が届いた飛躍の年となった。2月13日に満を持して発売される2ndアルバム「瞬間的シックスセンス」を前に、周囲の盛り上がりをどう感じているのか聞いた。

「どんな逸材がいるんだろう?」好きになってきた東京の人混み

――ORICON NEWSでは「はじめまして」になるんですが、匿名性を意識したり、単純に表に出ることを敬遠しているアーティストがいる中で、あいみょんさんはこれまで多くのメディアで積極的に発信してますよね。

あいみょんそうですね。私自身こうやって発言することに抵抗がないですし、自分で発信しないと伝わらないこともあるので、機会があれば積極的にお話しするようにしています。あと発言したいことが溜まると、SNSに逃げがちなので(笑)。

――SNS、好きなことを自由に投稿してますね。“自撮り”も少ないですし。

あいみょん友達と遊んでるときとかは「イェーイ」って撮るんですけどね。1人の時は美術館に写真映えするスポットがあったらですかね。

――芸術やアートがお好きなんですよね。

あいみょん大好きです。基本的に一人で行くんですが、最近はあんまり行けてなくて藤子不二雄A(○の中にA)展に行ったぐらい。もっと行きたかったけど終わっちゃって……。ムンク展は行かずに終わってしまって、すごいショック。

――東京は展覧会があちこちで開催されているから目移りしますよね。地元が西宮市(兵庫県)ですが、東京ってどう見えていますか。

あいみょんわりと生活感あふれる光景が、東京には転がってるなって思っています。道端にゲロ吐いている人も結構見かけるし(笑)。よくインタビューで「東京で好きな景色はどこですか」って聞かれるんですけど、以前は人混みが嫌いだったので「浅草とか古き良き所が好きです」って答えてましたが、最近は好きになってきて。地方からいろんな夢を追いかけて来てる人たちが、同じ場所にいて、一斉に信号を渡る景色が面白いんです。それを見て「どんな逸材がこの中にいるんだろう?」とか考えます。

自身がヒットした状況は「客観的に見ていた」

――2018年のことをお伺いしたいんですけど、今年紅白、Mステなど目立つトピックスがかなりありましたよね。単刀直入に「売れてきた」感覚はありますか?

あいみょん“当事者”という感覚があまりにもなさ過ぎて、自分じゃわからないんですよね。周りからは「今、すごいよあなた」って言われるんですけど、私は「へ〜そうなんですか」みたいな(笑)。国民栄誉賞とかノーベル賞をもらえばまた違うんでしょうけど、常に客観的に出来事を見てました。もっとヒットしてる人はどんな感覚なんだろうって思います。

――“大ヒットする”っていうことは“歴史に残る曲”を生み出したってことですよね。

あいみょん今の時代はヒット曲が生まれにくいと言われるけど、やっぱり音楽を作る人にとっては「曲をずっと残したい」っていうのが根本にあるから、米津(玄師)さんの話題は希望を与えたと思うんです。美術館に行くと、500年も1000年も前に作られた作品が残され、守られていますよね。音楽も大切に残してもらえるように、美術館のような存在があればいいだろうなって純粋に思います。

――昨年は“平成最後”というトピックスがあったからか、音楽番組でも過去の名盤やアーティストを振り返ることが多かったように思います。

あいみょんでもそれじゃ意味がないなって思うんですよね。もうちょっとメディアで、下から這い上がろうとしてる人たちを掘り起こしてあげるということをできたらなと。ヒットするには知名度、露出できる場所も必要かもしれない。でも私は曲が良かったら、人を惹きつけられると思うんです。米津さんはあまりメディア露出をしないじゃないですか。それなのにあれだけ支持されるのは、曲の力が大きいってことですよね。

サブスク全盛期の時代に伝えたいCDの良さ

――あいみょんさんは「サブスク(=定額配信)」人気が高く、昨年の紅白でも選考理由に挙げられていましたが、自身は「フィジカル(=CD現物)」で届けることを大事にしてると明かしていましたね。

あいみょんもちろん、時代に合った聴かれ方をされてるのはすごいありがたいんですけど、実際私たちが本当に一番一生懸命になってるところって、「CDを作る」工程なんですよね。アートワーク含め、隅々のデザインまで抜かりなく最後までチェックして、それを手に取って見てほしいなっていうのが本心としてあります。最近は「これ聴いてみてよ」という“手渡しの音楽”がなくなってしまって、そこにまつわる思い出とか物語が省かれちゃっている。URLを送ればすぐ聴けるのも便利なんですけど、やっぱり青春時代に“手渡しの音楽”を通ってきた私としては大事にしたいです。

――音楽配信が無かった時代に生まれた「名盤」と言われるCDは、ジャケットも印象的ですよね。

あいみょんそうそう。例えばニルヴァーナの曲は知らなくても、赤ちゃんが水中を泳いでいるあのジャケットは知ってるみたいな(笑)。ブックレットのなんとも表現しづらいインクの匂いとか、隠れたところにデザインがあるとか、CDは芸術作品として「いいな」と思えることがたくさんあるんですよね。

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