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星野源、経済にまで影響を与える存在に? 劇中に登場した小道具も大ヒット

2017年秋ドラマの中で、平均視聴率12・1%(ビデオリサーチ調べ)と高視聴率を記録している『コウノドリ』(TBS系)がいよいよ本日で最終回を迎える。産婦人科で巻き起こる感動のヒューマンドラマが支持されているが、人気を後押ししているのは旬な俳優陣の魅力だ。中でも、主人公サクラ(綾野剛)のライバル四宮を演じる星野源の存在は大きい。これを裏付けるように、劇中の小道具で星野が扱ったプリンが飛ぶように売れたことが話題となっている。ついに“カリスマ性”までも見え始めた人気アーティスト・星野源。2017年さらなるブレイクを果たした彼は、ついには経済にまで影響を与える存在となりつつある。

様々な分野でヒット作連発!文字通り2017年の“顔”に

ドラマ『コウノドリ』でメインの登場人物である四宮医師役で出演中の星野源。昨年の出演ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)とその主題歌『恋』が巻き起こした“恋ダンス”ブームも記憶に新しいが、2017年の年間本ランキングでも『いのちの車窓から』(KADOKAWA)が推定売上部数25万部(11/27付)でタレント本部門で第1位。『過保護のカホコ』(日本テレビ系)の主題歌「Family Song」も「恋」を上回るペースで推移し、8/28付のオリコン週間シングルランキングCDランキングで自身初の第1位を記録した。

ほか今年3月には、民放ラジオ101局放送の特別番組『WE LOVE RADIO!〜山下達郎・星野源のラジオ放談』で、大御所シンガーソングライターの山下達郎と対談。NHKでは初の冠番組『おげんさんといっしょ』が放送。ORICON NEWSが今年発表した『第14回 音楽ファン2万人が選ぶ“好きなアーティストランキング”2017』でも初のトップ10入りを果たした。さらに先述のドラマ“逃げ恥”が今年12月31日と2018年1月1日に全話一挙放送されるなど、2016年のブレイクに続き、星野は間違いなく、2017年の“顔”の1人と言っていいだろう。

メディア研究家の衣輪晋一氏は「この人気が意外なヒット商品を生んでいる」という。それは、ドラマ『コウノドリ』の第5話で登場した、ある“プリン”だ。

プリンがバカ売れ! SNSを通じて“自然発生”したヒット商品

『コウノドリ』第5話で、四宮(星野)は下屋加江(松岡茉優)を励ますために「プリン食べるか?」と伝える。劇中で洋菓子店を営む西山夫婦が病院スタッフに差し入れした『Nishiyamaプリン』という設定だが、実はこのプリンは実際に販売されているもの。ロケ地となった横浜市の『ル プレ・オ・ヴェールYAMAMURO』の『YAMAMUROプリン』が小道具として使用されたのだが、これが大ヒットしているというのだ。

しかも公式がその店を明かしたわけではなく、同店の知人がSNS上で明かしたところ、その投稿を見つけた星野源ファンが殺到。この盛り上がりを『週刊女性』は“ホシノミクス”と呼称し、また、横浜の現地メディアでも報じられた。この現象の特筆すべき点は、“作られたヒット”ではなく、自然発生的に生まれたものであることだ。CM出演やTV番組での商品紹介コーナーでは仕掛けたい側の意図が働くこともあり、ユーザーから疑いの目を向けられるケースも少なくない。だが、今回のケースでは星野の伺い知らないところで生じたもの。ファンによるSNSでの情報拡散の早さも注目度の高さを表していると言えるだろう。

「このほか、『オールスター感謝祭』(TBS系)に『コウノドリ』チームが参戦したとき、星野さんは“そっくりスイーツ”を見破る企画に挑戦したのですが、不正解のバイオリンをかじっている星野さんの姿にファンのSNSが大いに盛り上がりました。『こんなにバイオリンになりたいと思ったことはない』『そのバイオリン、視聴者プレゼントにしてください』など熱狂の声であふれ、また星野さんの公式HPで売られているTシャツやアクセサリーなどのオリジナルグッズや掲載誌も、その多くが“SOLD OUT”もしくは“在庫確認中”。ファンの熱量を見るに、いよいよ星野さんにも“カリスマ性”が伺え始めたと言えるでしょう」(衣輪氏)

大ヒット商品の陰には、常に“カリスマ”の存在あり

ヒット商品を生み出すことは、人気・カリスマ性のバロメーターとも言える。例えば『ユンケル』の中でも、イチロー選手が試合前に飲んでいた高価なシリーズ「ファンティ」が大ヒットしたり、プロテニスプレーヤーの錦織圭選手が試合中に着用していたユニクロのポロシャツに注文が殺到したりしている。

もちろん、これはタレントでも同じことが言える。過去には、小泉今日子が帯を書いた吉本ばななの小説『キッチン』(1998年発行)は、「小泉さんが書いてなければ、あれほどまで売れなかったと言われている」と衣輪氏。ほか木村拓哉の出演ドラマ『ビューティフルライフ』(2000年/TBS系)では、木村演じる美容師の主人公の愛車であるオフロードバイク・「TW」が人気車種となったほか、美容師になりたい人が急増。『HERO』(2001年/フジテレビ)からは検事・久利生(木村)が着用していた『アベイシングエイプ』のオレンジ色のダウンジャケットの大ブーム、放送時の2001年から2002年に至る際、検事志願者の初の1400人超えなどがあった。

昨今でも、『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)などでマツコ・デラックスが絶賛した商品が飛ぶように売れたほか、ORICON NEWSが今年行った『第2回 女性が選ぶ“ファッションアイコン”ランキング』で、昨年の圏外からいきなり首位にランクインされた石原さとみが愛用するブランド『スナイデル』が大ヒット。雑誌やブログに私服が紹介されると即完売という状況だ。また、嵐の大野智と相葉雅紀がなまはげの格好でCMに出演した日産の『セレナS-HYBRID』は、販売後約1カ月で、月間販売目標6300台の約2倍となる1万2572台を売り上げた。「高額商品であっても、タレントのカリスマ性でヒットに繋がることが多々あるということです」(同氏)

果たして、星野源がこれら“カリスマ”と肩を並べる日が来るのか? 先述の衣輪氏は「星野さんは、ミュージシャンであると同時に俳優であり、さらにはラジオ番組や書籍、インスタなど多彩な発信チャンネルを持っています。この活動フィールドの広さは、福山雅治さんに近い。星野さんも福山さんのように息の長いマルチアーティストになるのではないか」と分析している。経済好況の実感をまだ得づらい今、星野は日本経済に光明をもたらす存在となる日も遠い未来の話ではなさそうだ。
(文/西島享)

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