ORICON NEWS
天才棋士・加藤一二三のテレビ需要が拡大 棋士とテレビの親和性
天才棋士が残した常人離れの“ぶっ飛び伝説”
その一方で、対局内外での“ぶっ飛び伝説”にもすさまじいものがある。『ネクタイが長すぎる』=畳につくぐらい長いのだが、本人は「まだ、短いように思えるのです」とコメント、『おやつに板チョコを10枚一気食い』、『対局中の食事は毎回、うな重』、『君たちも将棋に興味があるのかい、と猫に話しかける』=その後、野良猫にエサをあげて近隣トラブルとなり、訴えられて慰謝料204万円を支払う、『米長永世棋聖とみかん対決』=対局中にお互いにみかんを食べ続け、米長永世棋聖がみかん対決&将棋でも負ける…等々、こうした逸話には事欠かない。よく言えば“常人離れの天才肌”なのだろうが、平たく言えば“変人”ということになるのかもしれない。
将棋界はタレントの宝庫! ひふみん意外にも“逸材”多数
しかし、こうした棋士たちの変人ぶりは、一般にもどこか“リスペクト”されている部分があり、いわば“公認”のものとも言える。かつて『ビックコミックスピリッツ』誌に連載されていた漫画『月下の棋士』では、将棋の世界に生きる棋士たちが人格崩壊するほどに命を削って対局する姿が描かれていたが、やはり勝負の世界は時として“狂気”をはらむ知力・体力をかけた戦いの場であり、そのような厳しい世界であるからこそ棋士たちもスポーツ選手と同じようにリスペクトされるのである。
“勝負師”がもつ、常識にとらわれないカリスマ性がテレビにマッチ
最近では、藤井四段の対局中の昼食が「うどん定食、天かす入り卵かけごはん」(17連勝時)だったことが話題になっているが、そうした“勝負メシ”情報だけでも“スター性”を感じさせ、将棋の世界とエンタテインメント世界との親和性がうかがえる。藤井四段、ひふみんたちの活躍で将棋界が盛り上がる今、これからも“天才”かつ“変人”そして“勝負師”という、マルチなキャラを兼ね備えたスター棋士たちの登場によって、今後の将棋界全体もメディアにおける有望な“キラーコンテンツ”として、ますますテレビに影響を及ぼす可能性が高い。