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【KinKi Kidsライブレポート】20周年を前に見せた、2人で奏でる音楽の極み

2人違ってそれがイイ! 光一&剛、それぞれの魅力

崇高なほどザ・光一クオリティー、“ショー”として最高の域に

 “観る人にショックを与える”。光一のソロの神髄はそこにあるような気がする。これまではソロコンサートで披露してきた珠玉の3曲、約12分にわたるソロコーナーで、光一は人間ワザとは思えないほど、激しく踊り、エモーショナルに歌っていた。光一のダンスは、とにかくスピーディで、ダイナミックなのに繊細で、高さと低さがあって、しかもワイド。緻密で精巧なのに、エロティックな揺らぎもある、例えようがないほど崇高な、ザ・光一クオリティーなのである。

 今回の3曲はどれも提供曲だが、それをピックアップし、振付のイメージを伝えるプロデューサー的役割を彼は果たしていて、その曲の世界観は、常に“ショー”として最高の域。思わず息をのむ凄みと美しさだ。「INTERACTIONAL」ではファルセットを多用し、ロックなテイストの「Slave Maker」ではドスの利いた低音を響かせるなど、曲に合わせた声の使い分けも明快で、シンガーとしてもその表現は深みを増している。「Slave〜」では途中から剛がサポートギターで登場。一瞬2人が背中合わせになるなど、ニクい演出で会場を沸かせた。
光一とは真逆、堂本剛の“湧き上がる音を楽しむ時間”

 自身が作詞・作曲した「街」で、彼の包み込むような“うた”を堪能したあとは、剛がベースを弾きながらバンドメンバーを次々に煽っていくFUNK SESSIONへ。彼のソロライブに行ったことがある人にとってはお馴染みの、“湧き上がる音を楽しむ時間”だが、その会場全体をグルーヴで覆っていく様は、さっきまでの光一の“魅せる”音楽とは真逆。それまで緻密に組み立てられた音の結晶が解れて雨粒になって降り注ぐような、季節が移り変わったような変化を感じるステージだ。

 今ここから生まれる音楽は、風のようでもあり、川のせせらぎのようでもあり、身体中に血を送り込む心音のようでもある。音楽の強者たちを、楽しげな表情で自在に操っていく剛は、まさに音楽の申し子。誰もが、セッションを心から楽しんでいることが伝わり、見ているほうもハッピーになる。途中、楽器隊が「買い物ブギ」の旋律を奏で始めると、光一がピーボーン(プラスチック製トロンボーン)を抱えて登場、「♪おっさんおっさん」のリズムに合わせて、ピーボーンを吹くのだが、なかなかいい音が出ない。踊って誤摩化す光一は、ソロコーナーとのギャップがあまりにもユーモラス。

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