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女優としてさらけだす“ありのまま”のイモトアヤコ「怖くてしょうがない」

女優さんは“綺麗な人しかなれない”と思い込んでました

──聞くところによるとモーニング娘。のオーディションを受けたことがあったり、また“高校のミスコンで優勝”したりと、「実は可愛い」「意外と可愛い」というよりも、もともと素材が良かったとも思えるんですが。
イモトアヤコ いやいやいや(笑)。高校のミスコンって言っても、お笑い枠でしたから。当時、ガレッジセールのゴリさんの“ゴリエ”がすごく流行っていて、ミスコンもそういうノリでやったやつなんですよ。モーニング娘。さんのオーディションについては、まだ夢見る乙女だったので、自分が見えてなかったということですね。でも、だんだん自分の容姿に気付いてきて、あ、これは無理だなと……。

──ではこの世界に入るにあたって、女優という選択肢はなかったんですか?
イモトアヤコ なかったですねえ。もうハナから無理だと思ってたので。やっぱり女優さんって、綺麗な人しかなれないというイメージがありましたから。だけどどうしてもテレビに出る人になりたかったんですよ。それで、当時、青木さやかさんが好きでしたし、いろいろ道を模索した結果、芸人なら容姿は関係ないかなと。……というと芸人さんに失礼ですけど、あくまで何も知らなかった鳥取の女子高生の浅はかな考えなので、許してください(汗)!

──イモトさんが女優デビューされたのは『99年の愛 〜JAPANESE AMERICANS〜』(2010年/TBS系)。コメディではなく、深い人間ドラマだったことは意外でした。
イモトアヤコ 私もビックリしましたよ。あの時は、まさかドラマからお声がかかるなんて思っていなかったので。あとから聞いた話だと、泉ピン子さんが『自分の若い頃を演じるのはイモトがいい』と押してくださったそうなんです。というのも、前々から私と顔が似てると思っていたのと、ピン子さんも昔は体を張って芸人活動をされていたこともあって、私のことを気にしてくださってたそうなんですね。たぶんドラマの制作サイドは「えーっ」となったと思うんですけど、ピン子さんの鶴の一声で、なかなかの博打を打ってくださったという経緯だそうです。

──演技も佇まいも素晴らしかったです。初芝居とは思えないほど。
イモトアヤコ 方言が自分の田舎の言葉に近かったりと、いろいろと幸運な偶然が重なったんです。モンペ姿は我ながら似合うなあと思いましたね(笑)。衣装合わせでも、「こんなにモンペがしっくりくる女優さんはいない!」と絶賛していただきました。でも本当に、あの作品がきっかけですね。「お芝居って面白い! もっとやりたい」と思ったのは。

目の前の人が喜んでいる顔を見るのが好き

──バラエティとは違う、演じる面白さってどんなところにありますか?
イモトアヤコ やり方は違うけど、基本的には珍獣ハンターと変わらないなって思ってるんです。私は目の前にいる人が喜んでくれる顔を見るのが好きなんですよ。もちろんテレビの向こうにはたくさんの人がいるってことはわかってるけど、どうしても監督さんとかディレクターさんとか、まずは共演の人を喜ばせたいという思いが先にあるんです。監督さんの「OK!」を言う顔や声のトーンが心から言ってるなっていう感じだと、コメディだったらもっと笑わせたいとか、シリアスだったらもっと気持ちを込めようとか、もっと頑張ろうという気持ちになれるんです。コメディだと笑わせたい、という気持ちが強すぎてやり過ぎちゃうこともあるんですけどね(笑)。

──イモトさんのいつでも一生懸命というのは、バラエティでも芝居でも同じなんですね。ちなみに女優活動をきっかけに、交友も広がってるようで、先日、竹内結子さんがイモトさんは泊まりに来る仲だとテレビでおっしゃっていましたね。
イモトアヤコ そうなんですよ。竹内さんと知り合った舞台『君となら』の関係者は、草刈正雄さんだったり、三谷幸喜さんだったりと、けっこう前の作品なのにいまだによく集まるんです。しかもみなさんお芝居について相談するとすごく親身にアドバイスしてくれて、やっぱりお芝居をずっとされてきた方ってすごいなと思ったり、これが一緒に作品を作った仲間同士っていうものなんだなと思ったり、そういういい出会いもお芝居をもっとやりたいと思う気持ちにつながってますね。

──では女優・イモトアヤコとしては、今後どういう存在になっていきたいですか?
イモトアヤコ 一番なりたいのは、作品を生かすことができる人です。どんな役をやりたいとか、目立ちたいとかいうよりも、作品が面白くなるための要素の一つになれれば、それ以上は求めないですね。

──ちなみに高校時代に抱いていた「女優のイメージ」は変わりましたか?
イモトアヤコ 変わりました。あくまで個人的な印象ですけど、女優さんは男前。で、男性の俳優さんは女性的な人が多い(笑)。もちろんすべての人がってわけじゃないですよ。だけど「毎朝グリーンスムージーを飲んでるような人」みたいな、女優さんイメージはなくなりました。もっとサバサバッとしててカッコいい、だからよけい女優さんって素敵だなと思うようになりましたね。

(文/児玉澄子 写真/逢坂 聡)

朗読劇『ラヴ・レターズ』

1989年、NYで初演され、現在、全世界で上演されている朗読劇の金字塔。日本ではパルコ劇場で1990年8月19日に幕を開けて以降、450組以上の俳優・女優が読み続けている。なお、現パルコ劇場は今年8月7日を持って一時休館することが決まっており、2016年は『ラヴ・レターズ 2016 クライマックス・スペシャル』と題して行われている。
●会場:パルコ劇場(渋谷パルコパート1 9F)
●日程:2016年6月27日(月)19:00開演
●出演者:柳下大&イモトアヤコ
公式HP(外部サイト)

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