• ORICON MUSIC(オリコンミュージック)
  • ドラマ&映画(by オリコンニュース)
  • アニメ&ゲーム(by オリコンニュース)
  • eltha(エルザ by オリコンニュース)
ORICON NEWS

強烈な“個”から“大衆”へ 『報ステ』刷新から見えた新たなスタイル

  • 『報道ステーション』のメインキャスターを務める富川悠太アナウンサー (C)テレビ朝日

    『報道ステーション』のメインキャスターを務める富川悠太アナウンサー (C)テレビ朝日

 4月11日の初回放送開始から好調なスタートを切った、“富川悠太アナMC体制”の『報道ステーション』(テレビ朝日系)。『ニュースステーション』時代の久米宏、先代『報ステ』の古舘伊知郎といった、超個性派キャスターから3代目を引き継いだ富川アナだが、爽やかさ全開で主婦層にも非常に評判がようだ。果たして今回リニューアルした『報ステ』は、これまでの“実績”を維持したままイメージを刷新し、新しいスタイルを確立させることができるのだろうか?

爽やかイケメンの裏に徹底した“現場主義” 場数で培われた富川アナの信頼感

 富川アナは現在39歳、ふたりの息子を持つ父。爽やか系のイケメンながら、「尊敬する人は世の中の人すべて」(公式プロフィールより)という謙虚さ、低姿勢ぶりも、同世代の子育て主婦層に支持されるゆえんであろう。しかし何と言っても、富川アナの最大のウリは“現場レポート”。古舘時代の『報道ステーション』では、「昨日は北海道でレポートしてたのに、今日は九州か!」と驚愕するほど、全国各地を飛び回っていた。それでいて、語り口はいつも落ち着いており、聞き取りやすく、安定している。そして日曜日には『報道ステーションSUNDAY』のMCを東京のスタジオで務めるなど、「この人はいったい、いつ休んでるんだ?」と視聴者を驚かせていたのである。

 そんな富川アナ体制にリニューアルされた『報道ステーション』だが、古舘氏降板後、なぜか1週間もの間、番組は休止したのである。
「番組改編時期で、スペシャル番組が入る時期ではあるのですが、確かにリニューアルに1週間空けるのは“異例”ですね。今回は、1週間空けることで古舘色を完全に抜きたかったということではないでしょうか。また、富川アナにも負担をかけないようにという、テレ朝さんの配慮があったかもしれませんね」(報道番組制作会社スタッフ)

アットホームな“庶民派”報道番組への転換 一方では富川色が弱いとの声も

 実際に番組が始まると、富川アナはもとより、サブキャスター・小川彩佳アナとのやり取りも、多少の緊張感は感じさせながら“アットホーム”な雰囲気で進行。スタート間もなく熊本地震という大災害も起きたが、スタッフ・出演者が一丸となって、丁寧に視聴者寄り、視聴者目線で伝えていこうとするスタイルがはっきりと見えてきた。
「テレ朝さんの報道番組は、『朝まで生テレビ!』もそうですが、“個”を押し出した、緊張感のある報道が特色でもあります。久米さんも古舘さんも、“個”が強ければ“我”も強い。言ってみれば、久米さんの『ニュースステーション』であり、古舘さんの『報道ステーション』だったわけです。まして古舘さんは、“偏向報道”問題でバッシングを受けたりもしました。ある意味、今回の富川アナの“お茶の間目線”の『報ステ』は、“個人”主体から“大衆”主体へとシフトしたと言えるかもしれません」(前出・スタッフ)

 1週間の番組休止も功を奏し、爽やかかつアットホーム、新装『報ステ』は視聴者に寄り添った庶民派報道番組として、まずはリニューアルに成功したということだろう。しかし一方で、「富川アナの個性が弱い」「富川色がなさすぎる」との声もあるようだ。

熊本地震の際も現地入り “現場の富川”としての存在感

 それでも富川アナは熊本地震に際し、熊本に飛んで現場レポートを敢行。これまでの経験値を活かし、慌てることなく臨機応変に状況を伝え、“現場の富川”としての存在感を見せつけた。また、先日の放送でも、「報道ステーションはあくまでも現場取材でわかった事実だけを、正確に視聴者にお伝えしていきます」といった主旨を高らかに宣言し、意外にも秘められた芯の強さ、我の強さも表わしたのである。

 賛否両論・毀誉褒貶が付きまとう強烈な個性を放つキャスターから、爽やか系・愛されキャラのキャスターへと変わり、“大衆寄り”の番組へとチェンジしたかに見える『報道ステーション』。一部、本格派の報道番組がワイドショー化してしまったとの批判もある中、『報ステ』が新しい報道番組のスタイルを切り拓いていこうとしているのは間違いないだろう。ある意味、テレ朝の報道番組の歴史を変えるかもしれない今回のリニューアル劇。新たな『報道ステーション』のブランディングも含めて、富川アナをはじめ各出演者やスタッフがどのような番組作りをしていくのか、今後の展開が問われる。

あなたにおすすめの記事

 を検索