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強烈な“個”から“大衆”へ 『報ステ』刷新から見えた新たなスタイル
爽やかイケメンの裏に徹底した“現場主義” 場数で培われた富川アナの信頼感
そんな富川アナ体制にリニューアルされた『報道ステーション』だが、古舘氏降板後、なぜか1週間もの間、番組は休止したのである。
「番組改編時期で、スペシャル番組が入る時期ではあるのですが、確かにリニューアルに1週間空けるのは“異例”ですね。今回は、1週間空けることで古舘色を完全に抜きたかったということではないでしょうか。また、富川アナにも負担をかけないようにという、テレ朝さんの配慮があったかもしれませんね」(報道番組制作会社スタッフ)
アットホームな“庶民派”報道番組への転換 一方では富川色が弱いとの声も
「テレ朝さんの報道番組は、『朝まで生テレビ!』もそうですが、“個”を押し出した、緊張感のある報道が特色でもあります。久米さんも古舘さんも、“個”が強ければ“我”も強い。言ってみれば、久米さんの『ニュースステーション』であり、古舘さんの『報道ステーション』だったわけです。まして古舘さんは、“偏向報道”問題でバッシングを受けたりもしました。ある意味、今回の富川アナの“お茶の間目線”の『報ステ』は、“個人”主体から“大衆”主体へとシフトしたと言えるかもしれません」(前出・スタッフ)
1週間の番組休止も功を奏し、爽やかかつアットホーム、新装『報ステ』は視聴者に寄り添った庶民派報道番組として、まずはリニューアルに成功したということだろう。しかし一方で、「富川アナの個性が弱い」「富川色がなさすぎる」との声もあるようだ。
熊本地震の際も現地入り “現場の富川”としての存在感
賛否両論・毀誉褒貶が付きまとう強烈な個性を放つキャスターから、爽やか系・愛されキャラのキャスターへと変わり、“大衆寄り”の番組へとチェンジしたかに見える『報道ステーション』。一部、本格派の報道番組がワイドショー化してしまったとの批判もある中、『報ステ』が新しい報道番組のスタイルを切り拓いていこうとしているのは間違いないだろう。ある意味、テレ朝の報道番組の歴史を変えるかもしれない今回のリニューアル劇。新たな『報道ステーション』のブランディングも含めて、富川アナをはじめ各出演者やスタッフがどのような番組作りをしていくのか、今後の展開が問われる。