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世界的に活躍するs**t kingzのshoji、ダンサー事情を語る

 日本と東南アジアで人気、実力共にトップクラスのダンスグループが集結するイベント『DANCE DANCE ASIA -Crossing the Movements』の東京公演が開催される。同イベントには、三浦大知のバックダンサーを務めるほか、SUPER JUNIORやSHINee、EXOらの振り付けなどで世界的に知られるダンスチームのs**t kingzが出演。あまり知られていない、ダンサー事情についてメンバーのshojiに話を聞いた。

スタイルの違いもあり、ダンサーに決まったゴールはない

  • s**t kingzのshoji

    s**t kingzのshoji

――アーティストや俳優は、デビューや活動の道筋がわりと知られていますが、ダンサーの場合はどういうステップを踏んで行くのか、あまり知られていないですよね。
shoji スタイルの違いもあり、道はひとつではなく、決まったゴールはありません。ひとつは、スキルで攻めるタイプ。テクニックやスキルを競い合って、勝ち抜いて世界中のコンテストを総なめにするというソロダンサーの方は多いです。もうひとつは、振り付け師や演出家という裏方側になる方。あと、アーティストのバックダンサーの仕事をゴールとしている方もいます。でも今の若い方たちは、海外でレッスンを開いたりパフォーマンスを披露したりと、海外に活躍の場を見出している方も多いです。

――s**t kingzとしては、どんな目標を立てていますか?
shoji 一昨年から舞台を始めて、将来的にはその舞台をブロードウェイなど、世界中でパフォーマンスできるまでになれたら良いなと思っています。理想を言うと、僕らの舞台を観るために、世界中からお客さんが日本へとやって来る流れを作りたいです。

――ストリートダンスの世界から見ても、ブロードウェイは憧れの舞台ですか?
shoji ダンスをやり始めたころは興味がなかったのですが、一度観に行ったら認識が変わりました。世界でいろんなものを見たことで、考え方が柔軟になっていきました。それは僕らだけではなく、ダンス全般がそうだと言えると思います。以前は、細かく枝分かれしたジャンルの中で技術を競っていました。今世界では、いろんなジャンルのダンサーが集まってひとつの作品を作ることが、当たり前になっています。海外で僕らがレッスンを開くと、バレエやジャズ、コンテンポラリーのダンサーの方たちもたくさん受けに来ます。ダンスはひとつで、どんなジャンルも混ぜてもいいんだという価値観が、日本でも少しずつ広がっていると感じています。

今ダンサーが仕事を得る場の多くが、実はYouTube

――ダンサーの方は、オーディションで仕事を得ていたりするのでしょうか?
shoji オーディションは、とても数が減っています。知り合いの紹介や、振り付け師が自分のレッスン生の中から選ぶこともあります。公募のオーディションは本当に少ないので、オーディション情報を得ることも難しいと思います。今ダンサーが仕事を得る場の多くが、実はYouTubeなんです。プロダクションの方が、YouTubeの動画を常にチェックしています。あの曲のあの振り付けが気に入ったと、連絡をくれることも多いです。実際に僕らも、アメリカのダンススタジオでパフォーマンスを披露する機会があり、そのときの動画がYouTubeにアップされました。それをスウェーデンのスタジオの人が見つけて、ワークショップをやらないかと呼んでくれました。そして、その動画を観て、今度はドイツの人が、さらにその動画を韓国の人が観て、韓国アーティストの振り付けの仕事に繋がりました。海外アーティストとの仕事の場合は、メンバー自身がYouTubeで僕らのことを知って、スタッフに勧めてくれたということも多いですね。

――YouTubeがきっかけということは、ダンサーの方以外では、あまり知られていないと思います。
shoji ダンススタジオでのレッスンというのは、講師料という収入面もありますが、プロモーションの場にもなっているので、ライフワーク的にやっている方は多いです。若手のダンサーは、バイトをしながらレッスンを受けて、声がかかるチャンスを待つという感じです。

――収入面で一番大きな仕事はどんなものなのでしょうか?
shoji アーティストのバックダンサーとして長いツアーに同行することや、舞台やライブの演出、振り付けといったところでしょう。やはり音楽業界の仕事の方が、金額的には大きくなります。若手の頃は、本当に安かったんですが、年齢やキャリアを積むことで上がって行きます。
【次のページ】日本ではギャラや細かい条件まで、自分たちで交渉しないといけない

『DANCE DANCE ASIA -Crossing the Movements』とは

  • DANCE DANCE ASIA -Crossing the Movements

    DANCE DANCE ASIA -Crossing the Movements

ストリートダンスでアジアを繋ぐプロジェクト『DANCE DANCE ASIA -Crossing the Movements』は、日本・東南アジアで人気、実力ともにトップクラスのダンサーによる舞台作品を上演。日本を代表する話題のリーディングカンパニーだけでなく、フィリピン、ベトナム、タイから3劇団を招聘。7月開催のオーディションで選抜された日本の若手3劇団も出演。

【開催日】10月28日(水)〜11月1日(日)
【会場】世田谷パブリックシアター
【チケット】一般 S席4000円 A席3000円 通し券20000円
【出演】
10月28日(水)19時〜 タイムマシーン/Red Print/PHILIPPINE ALLSTARS(フィリピン)/Sem’udacha
10月29日(木)19時〜 SNAZZY DOGS/TAPDANCERIZE/S.I.N.E(ベトナム)/free line
10月30日(金)19時〜 s**t kingz/BIG4/THE ZOO Thailand(タイ)/Nicol,Crossence
10月31日(土)昼公演 15時〜 梅棒/Moreno Funk Sixers/S.I.N.E(ベトナム)
10月31日(土)夜公演 19時〜 BLUE TOKYO/Memorable Moment/PHILIPPINE ALLSTARS(フィリピン)
11月1日(日)16時30分〜 東京ゲゲゲイ/Hilty&Bosch/THE ZOO Thailand(タイ)

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