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桜井和寿とGAKU-MCによるウカスカジー、2015年初ライブ☆サッカー愛に溢れた白熱の一夜

 桜井和寿とGAKU-MCによるユニット、ウカスカジーの2015年初ライブが6月28日に豊洲PITで開催された。同ライブは「音楽とサッカーを通じて人と人はもっと繋がれる」を理念に設立された団体・MIFA(Music Interact Football for All)が、そのコンセプトをより具現化するために東京・豊洲にオープンした「MIFA Football Park」の1周年記念イベント内で行われたもの。音楽とサッカーへの愛をきっかけに繋がったウカスカジーもMIFAの“所属選手”に名を連ねており、これまでも福島復興支援エキシビジョンマッチなど、さまざまなイベントに登場してきた。

1番手はGAKU-MC!大切なものは「MIFAでの出会い!」

 そんな二人にとって、「MIFA Football Park」はいわばホームのような場所。「ここでたくさんの人と繋がれた感謝の意を込めて」と、GAKU-MC、桜井和寿のソロステージ、そしてウカスカジーというスペシャルな三部構成のライブとなった。一番最初にステージに飛び出したGAKU-MCは、新曲「希望のアカリ」「晴男伝説」を含む5曲を披露。ライブで定番の趣向である「ALL YOU NEED IS RAP」で観客とGAKU−MCが“自分にとって大切なもの”を叫ぶ場面では、「MIFAでの出会い!」と明言。軽妙な中に熱いメッセージ性をこめたパフォーマンスに、会場の熱気は早くも最高潮に。

 ヒートアップした空気も冷めやらぬまま、GAKU-MCによる「キャプテン、桜井和寿!」の掛け声で桜井が登場。アニバーサリーのために桜井が用意した趣向は他アーティストの提供曲のセルフカバーで、Salyuの「青空」やBank Bandの「to U」などが演奏された。また、「提供しようと思ったけど、よくできすぎてやめちゃったんだよね」との秘話を明かしたMr.Childrenの「擬態」を弾き語りで披露。「普段バンドでやってるから、弾き語りだとイントロが困るんだよ(笑)。みんなで歌ってくれなきゃ」と呼びかけると、桜井と観客の混ざり合ったハミングが会場いっぱいに響いた。

熱気の渦に包まれた桜井とトライセラ和田の共演

 さらに盛り上がったのは、TRICERATOPS・和田唱が登場した場面。桜井とTRICERATOPSはバンド、Quattro Formaggi(クアトロ・フォルマッジ)を2014年のイベントにて結成。バンド名にちなんでメンバー同士はチーズの種類で呼び合っているとか。「いくぜ、カマンベール和田!」、「ゴルゴン先輩!」とガッチリ目線を合わせた二人は共作曲の『STAND BY ME』と、桜井が寺岡呼人に提供した「これが僕のゆかいなヒューマンライフ」を演奏。和田の攻めまくるギターに桜井のパワフルなロングトーンが絡み合った、これぞロックバンドなパフォーマンスに観客もジャンプで応える。この熱気のままウカスカジーに突入か!? と思いきや、最後はピアノ1本でウカスカジーの「My Home」をしっとりと披露。さらに熱くなりそうな後半戦に向けて、ひとまずチルアウトというところだろう。

 何しろウカスカジーのライブはとにかく桜井もGAKU-MCも煽りまくり、観客もそれに全力で応える。のっけから「手を出すな!」「縁JOY AMIGO」と底抜けに明るいラテンナンバーが続き、観客の振り回すタオルで会場が色とりどりに染められた。

明かされたなでしこジャパンとのエピソード

 またウカスカジーのもう一つの持ち味であるピースフルな楽曲「サンシャインエブリデイ」や「握手」では、会場から自然と大合唱が。GAKU-MCも「みんなの歌声すげえな。思わず歌い損じたわ」と苦笑いしながらも、その表情は実にうれしそうだ。さらに二人の尊敬するミュージシャンであるRun-D.M.C.とエアロスミスの「Walk This Way」のメロディにオリジナルの歌詞を乗せたカバーも披露。ロックとヒップホップの融合を決定付けたレジェンダリーな、まさにウカスカジーにうってつけの名曲。めったに見れない(!?)ステップを踏む桜井もいちロック小僧に戻ったようで、実に楽しそうだ。

 約3時間にわたるライブが終わっても、まだまだアンコールを求める声は止まらない。そして二人が再びステージに登場。「なでしこちゃん、頑張ってくれたよね」というGAKU-MCの振りから、話題は28日のオーストラリア戦で決勝ゴールを決めたFW岩渕真奈選手とのエピソードに。 昨年、取材のためにドイツを訪れたウカスカジー、ところが桜井が現地で体調を崩してしまったというのだ。「現地のコーディネーターも一緒に病院に行ってしまってどうしようかなって。そしたら真奈ちゃんが“案内しましょうか”って車に乗せてくれたんです。いろんな話ができましたし、本当にいい子でした」との思い出話を語ったGAKU-MCが、桜井に「ナイス!」といたずらっぽくサムアップする。

 知られざる秘話に観客からどよめきが起こったが、「だからこそオーストラリア戦はうれしかった。なでしこジャパンを応援するためにもこの曲を!」との曲紹介でサッカー日本代表公式応援ソング「勝利の笑みを 君と」のイントロが始まると、会場も一気にハッピーなムードに。桜井、GAKU-MC、そして3000人の観客による勇気をこめたメッセージは、7月2日の準決勝に備えるカナダのなでしこジャパンにもきっと届いたはず。ステージと客席による高い高いジャンプが、最後に広大な会場を揺さぶった。

(文/児玉澄子 写真/夏井 瞬(イイ人))

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