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ORICON NEWS
BABYMETAL、海外から認められた“Kawaii”だけじゃない実力
女性グループの枠を超えた異色のライブ
BABYMETALのライブは、女性グループとしても、メタル・アーティストとしても、異色の光景が広がっている。ペンライトやサイリウムを持っている客はほとんどおらず(この日のライブは全エリアで禁止)、変わりに見えるのは高く突き上げられた拳。また、メタルのライブでは定番の一度後ろに下がって空洞を作った後、一斉に中心に向かって渦のように駆け抜ける「ウォール・オブ・デス」も度々起こる。一方で、YUIMETAL、MOAMETALのキュートな振り、合いの手に合わせ掛け声も起こる。
そして最初から最後まで、MCなしのノンストップで繰り広げられるステージは、合間に挟まれる映像によってストーリー性を含んだものとなり、BABYMETALが作り出す世界観にとことん入り込むことができる。時には神秘的な雰囲気さえまとう“孤高の歌姫”、SU-METAL。そして一見、可愛らしくも見えるが、一糸乱れぬ完璧なダンスパフォーマンスで魅せるYUIMETAL、MOAMETAL。さらに日本トップクラスの超絶テクニックを持つ“神バンド”の存在。ライブ特有の泥臭さ、荒々しさもありながら、完成度の高いエンタテインメント・ショーを見ているようだ。海外のメタルバンドのTシャツを着た30代以上の男性メタルファンが夢中になるのも頷ける。
ポップスの枠を超えた新たな可能性
いわゆる“Kawaii”だけでなく、アーティストとしての実力で海外からも注目を集めている今の現状は、今後、海外展開を考えているアーティストにとってもひとつの指標となるだろう。全てのパフォーマンスが終わったあと、メタルレジスタンス第3章「Trilogy」の最終章を迎えたという映像とともに、ワールドツアーの追加公演として初の日本での全国ツアー開催、12月の神奈川・横浜アリーナでの2daysライブの開催もアナウンスされた。8月にはドイツでのワンマンライブ、イギリスの大型ロックフェス「レディング・アンド・リーズ・フェスティバル」への出演も決定しており、さらにパワーアップしたBABYMETALがどんな進化したパフォーマンスを見せてくれるのか非常に楽しみだ。
(写真・Taku Fujii/MIYAAKI Shingo)