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難波章浩『最新アルバム&『AIR JAM 2012』について語る!』
やりたいことがあるなら躊躇なくやるべきだと思った
難波章浩ホント、よくできたよね!自分でもビックリだけど(笑)、オレんなかでは作らざるをえなかったわけ。曲はどんどんできちゃうし、メッセージも出てくるし。あの(東日本大)震災の直後から、「絶対にこのアルバムを作る!」って決めてたし。東北の『AIR JAM』もあるしハンパない忙しさだったけど、とにかく「どっちもやるぞ!」と。このソロアルバムを作って、『AIR JAM』をやって、そこでオッ死んでもいいってくらいの気持ちでやってたから。
――ずばり、アルバムのテーマは?
難波テーマは“目覚め”だね。社会に対する怒りとか、ウソとか、仲間とか、愛とか……そういったものへの目覚めかな。もちろん社会とか、みんなに「目覚めないとヤバいぜ!」って気持ちがいちばんデカいんだけど、オレ自身が目覚めたぞってことでもあるんだよね。震災によってなのかはわからないけど、やりたいことがあるなら躊躇なくやるべきだと思ったし。
――音も言葉も、完全に吹っ切れてますよね。
難波吹っ切れたね。怒りとか、感情のメーターはどんどん高まってて、それがこのアルバムを作らせたのかもしれないよね。でも、怒りだけを発してるわけじゃなくて、最終的に“明日への勇気”っていうか、そういうものを持てるように作ったつもりで。上から目線じゃなく、とにかくみんなに元気になってもらいたいんだよね。
――なるほど。これまで「自分はこうあるぜ!」っていう、スタンスや生き方を示すことでリスナーを鼓舞してきた難波さんですが、今回はもっと直接的なアプローチで。まさに「WAKE UP!」って聴き手に張り手を食らわせる勢いというか。
難波そうかもね。それくらい危機迫る状況だと思うし、これからもっと大変になると思うし。例えば「STOP THE 54」って原発の歌なんだけど、この歌の背景にはものすごいたくさんの人がいて。その人たちの気持ちを背負って歌ってるんだよね。福島にも友達がたくさんいるから、彼らの思いも込めて歌っていて。いろんな思いがあるんだけど、言いたいことはこのアルバムに全部詰め込んだよ。
――サウンド的には、どんな音を鳴らしたかったですか?
難波音的には、シンプルでストレートで、だけどヘヴィで……やっぱ“PUNK ROCK”を鳴らしたかったよね。「張り手」って言ってたけど、まさにそういうサウンドにしたくて。ニューヨークでレコーディングしたんだけど、プロデューサーのMACHINEも、みんなオレたちの気持ちをわかってやってくれて。だから、大満足なのよ、この仕上がりには。「ヤバいアルバムできちゃった!」と思って。
『AIR JAM』が終わった瞬間からいろいろ反省を……
難波横浜の時もスゴかったけど、とにかく全バンドがヤバくて。みんな良かったって言ってくれてさ、届いたと思うよ。でも、終わった瞬間からいろいろ反省したりして。「次は何ができるのかな?」とか。
――気持ちはもう次の『AIR JAM』に向かってるんですね!
難波次もやるってことはまだ言えないんだけど(苦笑)。でも、2000年の『AIR JAM』は完全に敗北感しかなかったのが、今回はそれがないんだよね。
――今回の『AIR JAM』で得たものは、達成感?
難波いや、“せつない感”だね。届けられたこと、去年の約束を守れたことの安堵感と、本当の復興はまだこれからってことがゴッチャになって。ホント、ここからなんだよね。家族を失ったりだとか、心にもダメージ負った人がたくさんいるから。オレたちはビルを建てることはできないけど、“心の復興”っていうか、勇気、活力っていうものは届けられると思ったんだよね。今回の『AIR JAM』でやっぱり音楽ってスゲェなって感じたから、こういうことはどんどん続けていくべきだと思ったよ。オレ自身、すごくいい経験させてもらったし、いろんなことを学んだしね。
――10月11日からのソロツアー『WAKE UP JAPAN!!!』をはじめ、今後も期待してます!
難波楽しみにしててほしいね。もっともっと“絆”が生まれるといいよね!
(文:奥村明裕)
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