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ももいろクローバーZ『女性グループ初の快挙! 国立ライブ2日目をレポート★』

ももいろクローバーZが、目標の地・国立競技場でのライブをついに実現した。バラエティ的な演出を排除し歌とダンスに焦点を置き、さらにスケールアップした圧巻のステージを見せてくれた。これまでの歴史をたどりつつ、まだまだ前進していくももクロの勢いをたっぷりと感じとれた2Days公演の2日目(3月16日)の模様をお届け!

念願の国立で、原点を見つめ直すパフォーマンス

 話をさかのぼると、2012年大みそかに長年の夢だった『NHK紅白歌合戦』に初出場を果たし、年が明けた2013年の元旦に、新たな目標として掲げたのが東京・国立競技場でのライブだった。そこからさらにファン層を広げ、昨年8月には横浜・日産スタジアム公演を。そして、12月の埼玉・西武ドーム公演で念願の国立競技場2Daysライブがサプライズ発表された。3月15日&16日、女性グループとしては初となる国立公演。ももクロが新たな歴史の1ページを開いた。

 超満員5万5000人(両日合わせて11万人動員)のモノノフ(ももクロファンの総称)が集結した国立は壮観だ。「overture 〜ももいろクローバーZ参上!!〜」が鳴り響く中、初日に点火された聖火が灯る下に5人が登場。スタンド席をジェットコースターで下降し、メンバーはサブステージに降り立ち「ももいろパンチ」、「未来へススメ!」とインディーズ時代の楽曲からライブをスタートする。センターステージに移動してメジャーデビュー曲の「行くぜっ!怪盗少女」を披露すると、ものすごい歓声が沸き上がった。

 ライブ前半戦は、これまでのシングルのリリース順で楽曲が披露されていった。それは、彼女たちの国立までの歩みを楽曲で綴っていくかのようだ。5人の歌とダンスも、ベーシックなパフォーマンスが軸になっていた。その姿は、大会場で自分たちの原点を見直しているようにも思えた。

 ももいろクローバーから“ももいろクローバーZ”に改名しての第1弾シングル「Z伝説 〜終わりなき革命〜」では、ももクロのライブVTRのナレーションで欠かせない立木文彦がステージに表れ、曲間の生ナレーションをノリノリで披露。「猛烈宇宙交響曲・第七楽章『無限の愛』」は、コーラス隊とバックバンド・ダウンタウンももクロバンドの生演奏によって、ダイナミックなスケールで轟き渡る。そして、自己紹介のMCをする頃には陽も暗くなり、「サラバ、愛しき悲しみたちよ」ではアリーナ外周の花道に炎が上がる。「GOUNN」までの全シングル曲を歌ったあとは、なんと中島みゆきが楽曲提供をした新曲「泣いてもいいんだよ」(5月8日発売)をお披露目。5人は切なくも力強いメロディーを堂々と歌い、会場中を魅了した。

 ライブ中盤戦は、重厚なコーラスとストリングスによる「カルミナ・ブラーナ」から、2ndアルバム『5TH DIMENSION』の1曲目「Neo STARGATE」をセンターステージで披露。高城れにの咳き込みから始まるヘビーなロックチューン「黒い週末」を広いアリーナに散らばった5人がパワフルに歌う。佐々木彩夏の煽りから「Chai Maxx」で会場全体がヒートアップ! どデカい火柱が至るところで立ち昇る中、メンバーもバンドもモノノフも完全にリミッター解除状態だ。

 久々に歌われた「Believe」が気持ち良く響き渡り、温かいメロディーの「いつか君が」ではアリーナに大きな風船が転がる。そして、幻想的な「灰とダイヤモンド」では無数の白い風船が空高く舞い上がった。高城の「楽しいヤツはこぶしを挙げろー!」のかけ声から、楽曲を手がけたTHE ALFEEの高見沢俊彦も登場して「鋼の意志」が披露され、本編はフィニッシュとなった。

みんなに笑顔を届けることにゴールは無い(百田夏菜子)

 アンコールに突入すると高速エレクトロチューン「CONTRADICTION」が月夜の国立を疾走する。ここで新曲のカップリングとなるポップなチップチューン「堂々平和宣言」が披露された。まだまだ燃え上がる会場に、甘酸っぱいメロディーの「オレンジノート」が歌われると、5人は荷台のようなトロッコに乗り込み、客席にボールをラケットで打ちながら、アリーナ外周の花道を進んでいく。さらに「ももクロのニッポン万歳!」で会場のテンションはますますアップ。メインステージに戻った5人は、最後のナンバー「あの空へ向かって」を感情たっぷりに歌い、最後は花火が夜空を彩り、記念すべき国立のライブは幕を閉じた。

 手をつなぎあいさつをした5人は、花道を歩いてサブステージへ。ジェットコースターで聖火台へ昇っていく。会場から「世界のももクロナンバーワン!」コールが沸き起こると、燃え盛る聖火をバックにメンバー1人ひとりが語り始めた。

 「この光景が夢でした。ももクロは絶対終わらないって胸を張って言えます」(高城れに)、「みんなのやさしい気持ちが大好きです(泣)。すごいのは、ももクロじゃなくみんなです。これからもずっと一緒にいたいと思います」(佐々木彩夏)、「普通の女の子がまさか国立に立てるなんて(泣)、奇跡の5人だったなって思います。夢を叶えてくれたモノノフのみなさんと力が合わされば、どこまでも行けるんじゃないかなって思います。女性アイドルで何十年もやっている人はいないじゃないですか。道のりは険しいけど、新しい道を作っていきたいです」(玉井詩織)

 「みんなの温かさが染みてきます(泣)。絶対またみんなと一緒に会いたいなって思います。これからもずっと5人とスタッフさんとモノノフのみなさんと前に進んでいけたらと思います」(有安杏果)、「私たちは、ただ国立でライブをしたいだけじゃなく、多くの人たちを笑顔にしたい……(涙をこらえる)。私たちは大きな会場がゴールじゃなくて、みんなの笑顔が見たい。みんなに笑顔を届けることにゴールは無いんです。私たちはアイドル界の天下じゃなく、みんなに笑顔を届けることで天下を取りたい。そう思います。2日目はサプライズが無かったけど、もう大人は壁を作ってくれないんだなって。これからは自分たちでもっといろんなことがやっていけたらと思います。これからもみんなに幸せを届けるためにバカをやって、目の前が暗くなったら、みんなのサイリウムを目印に進んでいきたいです。これからもよろしくお願いします」(百田夏菜子)

 念願の国立ライブを終え、メンバーはそれぞれこれまでとはまた違う深い思いを感じたことだろう。国立の隣りには、2010年12月にももクロが初のホールライブを行った日本青年館がある。1200人の会場から時を経て11万人を魅了するまでに成長したももクロ。これは本当にすごい話だ。夢を実現させてきた彼女たちだけに、聖火台での言葉には強力な説得力が溢れていた。

 今夏、7月26日&27日には、日産スタジアムで2Daysライブを行う(計14万人を動員予定)ももクロ。彼女たちはまだまだ上昇し続けるに違いない。ただ、いくらグループが大きくなっても、5人の人間的な魅力は以前とまったく変わっていないのだ。最後に地声で「みなさん今日はありがとうございました!」とあいさつをした姿は、それをリアルに表しているようにも見えた。このままのスタンスでどこまでも前進してほしいと思える、熱いパワーの伝わるライブだった。
(文:土屋恵介/photo by HAJIME KAMIIISAKA+Z)

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